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「散歩」ほか詩4編

散歩


なにを。散らしているのだろう。
なにが。散っているのだろう。


なぜ。歩みを散らすのだろう。



水。雪。氷。
それら中間のどこか。

変化はいつだって

可逆的で
あいまい。




氷に触れる。
つめたさ。
溶け出す感触。

氷のおかげで
自らのあたたかさを
たしかめる。

うちという曖昧な存在が
少し確かになる。



うちもいつか
冷たくなるのだろうけれど

氷のように
誰かの役に
たてるだろうか。



骨。



ただ、固くて白くて
体の芯にあって、

役に立つもの。

ふにゃっとしないように。

身長の高さから
世界を見渡せるように。

やわらかいものに触れて
感動できるように。



その色は、生きている間は見えない。

ベッドでふれあうときにも、
お互いに触れることはできない。

折れることもあるし、直ったりもする。

まるごと食べられたり、
のこしてしゃぶられたりする。

骨。




ながい時

あのときのあれ
あれで、よかったんですよね。

きみのそれ
それでいいんですよね。


ながい時を生きて
いるのですから。

28years old,11.23,Mizuki
「て」p21,39,40,ほか


絵を描くのは楽しいですが、 やる気になるのは難しいです。 書くことも。 あなたが読んで、見てくださることが 背中を押してくれています。 いつもありがとう。