変えられること・変えられないこと

8月から、新たな職場で働くことになった。今月上旬に受けていたところの選考結果を先週エージェント経由で確認したところ、合格との連絡をもらってから世界が一変した、ように思える。今までの経験(上手く行ったことも失敗したことも含めて)を活かせる仕事なのでそこに行くことにした。そして、こじれていた原因や、自分が本当は何を核にしていたのかが霧が晴れたように見えてきた。今後、また迷った時に備忘としてまずは転職に至るまでのいきさつを記す。

一言でいえば「私やります・助けてくださいが素直に言えなかった」から。正直パフォーマンスも振るわなかったのは自他ともに明らかだったし、そこは確認不足だったり認識の甘えがあったのは痛いほど自覚していた。それが1年半前、今の部署に異動する時だった。実はその時も当時とは違う分野に興味があって転職を考えていたが(といっても求人見てぽちぽち気になるところに応募ボタンを押すという程度)異動の話が来てから、一旦保留して新しいところで心機一転頑張ろうと思っていた。

そして現在、結果は「あまりよくなかった」。仕事内容も専門知識がかなり必要だったので一から学びなおす必要があったが担当者が私のみのため、上司は最初から初見の仕事を私からすれば短納期、かつ玄人と変わらない高品質を求めてきた。そこには期待もあったと思う。だけど業務途中で追加で着手しなければいけないことが見つかったり、時には手戻りでスケジュール遅延したりすると「とにかく早くやって」と言われることがよくあった。不明点や相談することを明らかにしなければいけないのが先だが、全体の背景や事情を把握できずにいたのでそれすらできていなかった。そこは勘どころを学習できなかった私が悪いのも原因であったと思う。「変えられるところor変えなければいけないこと」として上司と共有し、一年取り組んでみた。やはり、分からないところを彼に聞いたり、洗い出したりしてチェックリストを作ったりしたが遅延はするし、予期しなかったところで事故が発生したりと散々だった。「無意識」、蚊帳の外の領域で確認しなければいけないこと、という認識がなかったし指摘されなかったから万事OKだと思っていた矢先だった。(まあ人から言われなければOKという気持ちが甘えかも分からないけど、自分が問題と思ってないことを自分でどう可視化するか、てなかなか難しい)今後このまま続けても適性がない、時間が永遠のように思われて約1年前に転職を再決意し、半年間応募や面接を続けた。

では、「変わらないもの、譲れないもの」は何なのか。ヒントは近くにあったのに言葉になったのは皮肉にも内定連絡の後だった。「わからないことはわからないと素直に言えて助けを求められること。また、同じように誰かが助けを求められた時、自分の仕事に利害関係があるかとか余計な打算をせずに手を差し伸べられること」。一般用語でまとめてしまうと「コミュニケーションが柔軟に取れる環境」だ。

3月から完全リモート体制になったこともあって彼とのコミュニケーションがますます疎遠になった。「わからない」と素直に言えなくなったし、新しいタスクが来た時も自分なりの仮説を立ててみて認識合っているか確認しただけなのに、私の言っていることが的外れで返答するのがめんどくさいと思われたのか自分でやる、と仕事を取り上げられたこともあった。(関係する他部署にヒアリングする、というのも却下されてからは八方ふさがりで提案を避けるようになった)それから顔色を伺う(リモートなので文章を伺う、というのか)ようになり、メールやチャットの着信アイコンが出た途端に息を止め、来ていないかどうか・また何かやらかしてしまったのかとおびえる1ヵ月を過ごした。ここまで来ると、単に仕事の背景知識不足、とかそういうレベルではなく、根本的な信頼の問題に移っていた。担当者といえども管理職(上司の立場)の視点から仕事をしろ、と入社時から伝えられたし実践することも大事だけど、それをやる・やらねばという情熱が対する時に湧いてこなかった。

先方はいくら教えたり、研修行く機会を与えても自分が予想するほど実にならなかったことにいら立ちを感じていたことは分かったし、その分期待をしてもらっていたと思う。それを私はキャッチして、調べたりやり方を改善したりしたけど、お互い予期せぬブラックホールにはまって事故をしてしまってからは完全に距離が離れてしまった。(私もあれは完全な自己責任ではないと思ってるが真実はいつも今ひとつだし、過ぎたことはあれこれ言ってもしょうがない)

だらだら書いてしまったが、ある意味クローズな、第三者のチェックが入らない組織編制だったこともあって、自分の習慣は変えられても、大きくメカニズムとして変わらなかったことに行き詰まりを感じて今回、新しいところにご縁をいただいた。でも自分の意識・無意識・既知・無知の領域を明らかにして、関係者に説明責任を負うこと・考えのプロセスを示すことはこの1年半で身に付いた気がする。そのうえで、これやりましょうか・できますというサポート・わからないので助けてください、相談させてくださいという申し出をしていく。自然に無理なくできるにはまだ修業が必要だが、別の環境で再スタートを切る判断に不満はない。不安はあるけど。






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