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三世寺温泉の思い出は、津軽の温泉らしさ

※12/11追記 当記事は三世寺温泉が2023年2月に休業になった際に書いたものですが、もうすぐ再開となります!祝 記載については当時のものとしてご理解ください。 追記おわり※



青森県弘前市にある「三世寺温泉」の閉業まで、あと1週間となりました。(2月28日までの営業) これまでお世話になった気持ちを込めて、ここに三世寺温泉の思い出を書いてみたいと思います。

三世寺温泉との出会い

私が三世寺温泉に初めて入ったのは、厳密な日付までは分からないですが、5年くらい前だと思います。2017年秋に東京から弘前市にUターンを果たし、当初は岩木地区に住んでいたので岩木の桜温泉、あたご温泉、やすらぎ温泉あたりをヘビーローテしていました。(特に桜温泉の回数券は異常にお得だったのでよく行った) 当初はペーパードライバーであまり遠くまで行くのを避けていました。
年明けの2018年くらいに行動範囲を広げてみよう!とマップで温泉を検索したときに見つけたのが、三世寺温泉でした。昨今は日帰り入浴だけになっていますが、当時はまだ旅館もやっていたかな?家族風呂も営業していました。

三世寺温泉のお湯について

これぞ津軽の温泉!という感じの、いわゆる「熱の湯」です。ちなみに三世寺温泉の風呂桶って施設のオリジナルで、温泉名と「熱の湯」って記載されていて素敵なんですよね。
泉質は「ナトリウム-塩化物泉」。塩分が豊富でよく身体を温める、という泉質なのですが、泉質に加えてそもそもお湯がすごく熱い。最近は、多少入りやすくなった感じがしますが、以前はもっと熱くて入るのが大変でした。冬の時期や雪かきの後は、それが本当に最高でした。
そしてサウナ横にある水風呂はめちゃくちゃ冷たいです。ギャップがすごい。温度的に上も下も突き抜けています。加減を間違えると身体に悪いかもしれないところも津軽らしいです。

ちなみにここの湯舟は普通浴槽と熱め浴槽に分かれており、湯口はライオンの口からお湯が注がれています。しかしそっちはぬるくされており、熱い源泉は湯舟の底にある穴から湧き出ています。一番最初はそれが分からなくて湯舟の中をうろちょろしていたら、常連のおじちゃんに「真ん中の穴は熱くて危険だから近づかない方がいいぞ!」と注意されました。それ以来怖くて近づいていません。

無明舎出版「青森の温泉」の記述が面白い

温泉好きのバイブルともいえる無明舎出版「青森の温泉」(2001年初版)にも三世寺温泉が登場します。(希少なのでAmazonだと結構高い)

この本によると、この温泉は弘前の砕石会社がオーナーなんですが、最初は「暇つぶしにボーリングしてみた」そうです。すると熱い湯が出て、それを流しっぱなしにしていたら周囲の住民が汲んでいくようになり、「早くちゃんと入れるようにしてほしい」と言われたのが始まりだそうです(笑)

ちなみに平川市の「からんころん温泉」も始まりはちょっと似ており、建設会社の従業員用に使っていた温泉に勝手に近所の人が入るようになったのが始まりだと以前に伺いました。「そんなつもりじゃなかったパターン」の温泉は青森に結構多い気がします。

ちなみに三世寺温泉は1986年開業、今年で36年目でした。

地域住民のプレッシャーで早朝営業開始に

無明舎出版「青森の温泉」からもうひとネタ。
当初は午前6時に営業開始だったそうですが、毎朝常連たちが外で待っているので重圧に耐えきれず、その内5時30分開始に早めた、という記述があります。この本が2001年出版で、現在は朝5:00開店になっているので、20年の間に更なる重圧でまた30分早まった模様です(笑)
長年にわたり早朝からの営業、ありがとうございました。

最終日は2月28日(火)

ということで、泉質の意味でも営業時間や成り立ちの意味でも「津軽の温泉」らしい三世寺温泉のお話でした。
何度も行っており最後にお別れの方も、まだ行っていなくて気になっている方も、入りそびれないようにしてください。初めての場合は、真ん中の底の穴には注意してください。


(末尾に) このnoteについて

主に温泉の話をするためにnoteを始めましたのでよろしくお願いします。
筆者は温泉ソムリエとして青森県を中心に活動しております。


よろしくお願いします。







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