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e-温泉マイスター「鉄輪むし湯」

e-温泉マイスター講座の終了レポート「あなたの勤務する旅館・ホテルの温泉分析書を見て、源泉名・泉質名およびPRポイントをPRして下さい。」から

           e-温泉マイスター 西村 菜津子(湯治ぐらし2)

 私の好きな温泉は別府市鉄輪に位置する鉄輪むし湯です。ここでは、むし湯と浴槽の2種類を体験することができます。
 まずは浴槽についてですが、温泉分析表を見ると溶存物質が1kg中1000mg以上含み、陰イオンの主成分が塩化物イオンであるため、塩化物泉であることがわかります。塩化物泉は皮膚に塩分が付着するので保温効果や循環効果があります。実際に温泉に入ってみると、体が芯から温まった状態が長時間続きます。私は冷え性なので、特に冬は塩化物泉を利用することで快適に生活することができます。冷え性で悩んでいる人はかなり多いはずなので、色んな人におすすめしたいと思える温泉です。また、この温泉はメタケイ酸が1kg中685mg含まれています。メタケイ酸は1kg中50g含まれていれば温泉として認められますが、この温泉にはその10倍以上のメタケイ酸が含まれていて、高い保湿力を持っています。
 次は小さい扉が印象的なむし湯です。むし湯は、温泉で熱した床の上に石菖という薬草を敷き詰めて、高温で蒸された状態になっています。むし湯の小さい扉と低い天井は、温泉の蒸気でできた石菖のスチームを全身に満遍なく浴びるためのものです。むし湯の成分分析表を見ると、単純泉であることがわかります。単純泉は刺激が少なくやさしい温泉です。ただし、高温なので体が弱っている人や重い心臓病または肺の病気を持っている方は注意が必要です。また、私は適応症には書かれていない症状に対して効果を感じることもありました。私は花粉やダニなどのアレルギーがひどく、数年前に喘息も患いました。しかし、むし湯を利用すると、浴槽に浸かるよりも咳の症状や鼻詰まりがより改善されたように感じます。さらに、石菖の香りは沈静効果があるため、むし湯を利用している間はリラックスして過ごすことができます。それに加えて、室内の湿度が高く肌が乾燥することもないので、普通のサウナよりも過ごしやすいと感じました。
 このように、鉄輪むし湯は上質な塩化物泉とむし湯の両方を楽しむことができて、心身ともにリフレッシュができる素敵な温泉です。ぜひもっと多くの人に立ち寄ってもらいたいと思います。

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【別府八湯温泉道HPから】 https://onsendo.beppu-navi.jp/y40/

【温泉分析書】
・浴槽   https://www.city.beppu.oita.jp/doc/sisetu/sieionsen/11/bunseki_bath.pdf
・むし湯
https://www.city.beppu.oita.jp/doc/sisetu/sieionsen/11/bunseki_steam.pdf

【参考資料】
「この温泉、おかわりしたい!宇賀なつみが大分・別府でひと味違う温泉体験へ。Page 2」『edit Oita 大分を楽しむWebマガジン』
<https://edit.pref.oita.jp/feature/special-1/659/2/>
米元俊一(2018) 『匂い嗅ぎガスクロマトグラフ質量分析計による別府鉄輪温泉蒸し湯の石菖の香気成分分析と光トポグラフィー(NIRS)による脳血流量への影響』

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