空箱の猫はリボンになれない

どうもこんにちはこんばんは。

1年ぶりにnoteを更新することにしました。2021年は言葉を記録として残したいと思ったから、今の感情を忘れないためにメモとして使ってみようと思います。(続くかは分からないのだが)

恋愛について書こうかな。

わたしには「恋人」といえた人が過去に2人いる。忘れてないよ、あなたもあなたも。小学生の頃に夢中だった甘党の彼も、中学の頃に3回告白して付き合ってくれた色白の彼も、一緒の高校を選んでくれたとってもモテた彼も、誰も忘れてないよ。でも恋人と呼べたのはきっと2人だった。なんて名前で書こうかな。AとBにしよう。きっとこれを見ることなんてないもんね。

Aは10代後半に2年付き合った彼だった。

一緒に東京に上京して、全部の初めてをくれて、たくさんの歌を教えてくれたひとだった。セックスのときに失恋ソングを流すところ、嫌いだったな。「らしさ」を大事にしてるタイプのひとだった。

少し難しい言葉で愛を綴るようなひとで、「冬は寒い」じゃなくて「冬は眩しい」みたいに云うひとだった。物事全部、最後まで救いがないみたいな考え方をして、ゆっくりゆっくり堕ちていくようなひとだったな。10代のわたしには、静かに取り込まれていく夜の海みたいに、どうにか逃げなくちゃと思ってしまうような恋だった。なんかギャルと付き合ったみたいだね。そういう子の方が合ってると思うよ。わたしと一緒に堕ちてたら、きっと幸せだったんだろうけど。逃げてごめんね。

Bは10代の終わりから20歳になる頃に出会って、3年くらい付き合ったひと。

きっとわたしの人生で、Bよりも優しいひとには出逢えない。誰よりもわたしを愛してくれたし、わたしもBより愛せるひとはきっとこの先もみつからない。Aとは対照的で、少ない言葉の中からまっすぐ愛を渡してくるひとだった。愛されて育ったんだね。日曜日の14時とか、秋の日の祝日とか、急行の止まらない駅にあるパン屋さんみたいな、柔らかくて健やかなひとだった。

このひとと一緒にいることを選べなかったわたしを、わたしはきっとこれから死ぬまで憎むだろうし、ずっと悔しくて悲しくて、寂しいと思うのだと思う。可愛らしくて、わたしより服のセンスがなくて、普通っぽいショートカットの女の子と付き合い始めたみたい。やっぱりあなたは幸せがよく似合うね。「捕まえとかないと逃げちゃうよ」なんていつも言ってたけど、逃げようとしてたわけじゃなかったと気付いたのは別れた後だった。

長らく恋愛をしてないな。

もうAもBも引きずっていないし、誰と過ごしたか忘れた夜もたくさんあった。わたしはわたしと恋愛してたのかもな、なんて最近よく会うセフレとピザを食べた時に思った。

願わくば、わたしの大切なわたしから何も奪わなくて、わたしの可哀想なわたしに何も与えてくれないひとがいいな。

そういえばバレンタインが終わった。

解かれるリボンの片方みたいに、大切に大切に扱われたいものね。置いていかれた空箱に描かれた猫が、ひどく寂しそうでかわいい夜の昔話。



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