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土の香りがする下町を、ずっと。  「生きている神社」を感じて心穏やかに。

この神社は、生きているんです。

木々の生命力を感じて、地域の人が前向きな気持ちになれたら。

境内で遊ぶ親子を見て、宮司さんは穏やかな笑顔でそう語った。

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<Profile>
小野貴嗣(おの・たかし)さん。
小野照崎神社の宮司さん。十七ヶ町会ある氏子の方々の願いや祈りを神様にお伝えする役目を務める。

ーー大祭の頃、町の様子はどう見えますか。

やはり、お祭りを迎えるわくわく感と言うんでしょうか。そういうものを皆さんから強く感じます。

お祭りの日は、来るものが来てくれたと実感します。お神輿が出て活気が溢れて、この町らしさを感じられます。この町ながらの感覚で、「土の香りがするような町」とでも言いましょうか。それを思い出させてくれる日です。

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ーー行事を通して感じるこの町の特徴はありますか。

地区ごとに個性があるのですが、バラバラというわけではないんです。いざまとまると調和がとれるんですね。お祭りの時はみんな一つになって気合いが入ります。

あとはやっぱり情が深いです。非常に面倒見のいい方が多いんです。皆さん若い方を育ててあげようという気持ちで、心の配りがとても上手です。

江戸っ子ですから多少は口が悪いところもあるかもしれないですが、きちんと相手のことを考えられる方ばかりです。人を育てるということにおいては本当にありがたい地域だなと思いますね。

「生きている神社」を感じて

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ーー地域にとってどんな神社でありたいですか。

まずは静かにお参りができる場所であるということ。お参りはお祈りだけではなく、ご報告や感謝の気持ちもありましょう。そういうものがきちんと静かにできる場所でありたいと考えています。

今、思うように外出できず不安も多くあろうかと思いますけれども、神社のことを考えて少しでも静かな気持ちになっていただいたり、力を感じたりしていただけたらと思います。来てくださった方にもうひと踏ん張り「半歩前に出る」ような後押しができたら嬉しいです。

また、お子さんと家族で一緒に来られている様子も微笑ましいですね。自然の中で緑を見たり親子で会話したりと、そうやって過ごしてくださるとこちらも嬉しくなります。

ーー神社の自然を感じる上でのポイントがあれば教えていただけますか。

境内が狭い方の神社だと思いますけれども、その時折々で境内に花が咲いたり景色がポツンポツンと局所で変わるという景色を見ることができます。

今の時期、境内の木々は新緑をまとって一日一日緑が濃くなっています。その様子を見ていると、「これから変わっていくんだな」と感じて自分の活力にもなります。日差しが強ければこれが日よけにもなりますし。ありがたいですね。

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私自身がこの神社を自然と一体になって安心できる場所だと感じています。実は小さい頃、お山の頂上で一人でよく大の字になっていました。何か嫌なことがあったのか忘れてしまいましたが、子どもながらに安心できる場所だったのでしょう。母親が探してみたら山の上にいたと、それが2回ぐらいあったそうです。

年を追うにつれ、細かった木も太くなります。木が成長する様子はとても力強く、根を張る力も年々増して、塀も何でも押しのけるすごいパワーがあります。そんな様子を見ていると、やはり「基礎力」というのは人間でも同じように大切だと感じます。いつまでも木を見たらそう感じられる自分でありたいですね。

この町の「同志」とともに次の時代へ

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ーー氏子青年会や睦会の方々に感じていることはありますか。

氏子青年会は、私が本格的にお勤めを始めた時にできた会です。神職としての歩みと氏子青年会の歩みが一緒になっていますので、思い入れもひとしおです。

青年会ができるまで、お山の草刈りなどは全て神職や研修生がやっていました。私も一人でお山の草刈りをやったことがありますが、丸二日かかるんです。
今はこの青年会がなければ神社の行事ができませんので、本当に仲間と言うより「同志」という感じですね。

睦会は歴史が長く、大先輩がたくさんいらっしゃいます。小さい頃から可愛がっていただき、家族のように身近な存在でした。本当に神社のことを色んな面で支えてくださって、この地域を良くしようという気持ちで皆さまおられますので、本当に頭が下がりますね。

ーー入谷のこれからについて思いを聞かせてください。

この地域もマンションが増えて地上から離れて暮らす方が多くなりました。地上に住んでいる時には地域愛を感じられるものですが、上の階に行ってしまうと不思議とそれが薄れてしまうということはあるのではないかと思います。

それを補うような地域の繋がりや絆を、少しずつでも新しく入ってきた方にも広げていきたいですね。ぜひどなたでも、何か自分の得意なことをきっかけに地域と結び付いていただけたらと思います。

その際に、心の拠り所としてこの神社の存在があれば幸いです。これからも地域の皆さんの生活に寄り添える神社であるよう、努めてまいります。

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宮司さんの思い、いかがでしたでしょうか。
この記事は、「明日を始める夏に。」小野照崎神社 令和2年 大祭特別企画 でのインタビュー記事です。

みんなでお神輿を担ぐことができない夏。
この機会に、会えないからこそ、お祭りを通じた繋がりや地域の和を今一度感じることができたらと、「お祭りのスペシャルコンテンツ」を制作しました。

こちらの特設サイトから、ドキュメンタリー映像やその他の特集記事もご覧いただけます!

小野照崎神社(おのてるさきじんじゃ)

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東京の下町 入谷にある学問・芸能・仕事の神様をお祀りする神社です。
御祭神は、平安時代有数のマルチアーティストである 小野篁(たかむら)公。文鳥を愛する絵画の神様で、百人一首にも登場したり朝は朝廷に夜は冥界に出勤される多動な神様です。852年⛩創建 、境内には重要文化財の富士塚も🗻

東京メトロ日比谷線 入谷駅 4番出口 より徒歩3分
JR山手線 鶯谷駅 南口 より徒歩7分

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「明日を始める夏に。」小野照崎神社 令和2年 大祭特別企画
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恐れ入谷す🙇🏻‍♂️
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東京入谷の小野照崎神社公式noteです 852年創建 、境内には重要文化財の富士塚も🗻 御祭神は、平安時代有数のマルチアーティスト、絵画の神様であり百人一首にも登場する小野篁(たかむら)公 文鳥を愛する学問・芸能・仕事の神様です⛩

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「つぎのお祭りで逢いましょう」
「つぎのお祭りで逢いましょう」
  • 5本

お祭りは、祈りです。 私たちは毎年、多くの方々と力を合わせて、神と人、国や地域の安寧を願ってきました。 この夏、⼊⾕で祭囃⼦を聞くことはできません。 今年は、地域をあげて心と肩を寄せたお祭りはできませんが、ゆっくり、お祭りを感じて、皆さまの心に温かい気持ちが広がりますようにと、お祭りに関わるドキュメンタリー映像や、特集記事をまとめた特設Webサイトをつくりました。 一人でも多くの方の心に届けば幸いです。 ◇令和2年 大祭特別企画 特設Webサイト http://onoteru.or.jp/taisai/ お祭りは無くとも、心静かに手を合わせるひとときを。 また、皆さまと笑顔でお会いできる日を楽しみにしております。

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