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夏詣2023

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来たる下半期のはじまりに、お正月にたてられた夢や目標を振り返り、移り行く四季を感じながら「夏詣」として心新たにお参りを頂ければ幸いです。 祭事や行事が集中する半年の節目、それぞ…
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「行けないけどお参りしたい」願いをのせた江戸の山岳信仰

当社本殿の左手にある三峯神社。 当地の御嶽信仰者によって古く創建された「御嶽神社」に、江戸末期に「琴平神社」が、大正時代には埼玉・秩父にある「三峯神社」より御分霊を受け、相殿で三社がお祀りされているものです。 三峯神社は景行天皇の命により東国平定に遣わされたヤマトタケルが、秩父の三峯山の山川が清く美しい様子をご覧になり、国をお生みになられたイザナギ・イザナミの二神を偲んで創建されたという古い謂いわれのある山岳信仰のお社です。 ◆願いを乗せた山の旅世情が安定し交通網が発達

「夏祭り」は、2種類ある…?🤔

太陽が眩しいこの季節が来ると、自然と気持ちが上がるものです😊 暑い夏の楽しみといえば、各地で行われるイベントやお祭り🍧 四季がうつろうごとに自然や神様に感謝をするという文化の中で、皆のこころを寄せ合う「お祭り」を日本人は愛してきました。 古来から日本人は、いつもの日常を「ケ」の日、お祭りや年中行事などの日を非日常の「ハレ」の日と呼び、「日常」を「ケ」、非日常を「ハレ」として、「ケ」の日常を生きる上で「ハレ」である祭の機会を活力の源としてきたのです。 今年は各地でお祭り

打ち水に風鈴🎐 工夫して夏を乗り切る「納涼」

厳しい暑さの日が続きます。 例年「納涼」と銘を打った催しが多く行われるこの季節。 風鈴、浴衣で花火、打ち水など…日本人は蒸し暑い夏を工夫して過ごしてきました。 当社境内では暑い日が続く中でも、ふとした瞬間に感じる「涼」を大切にと、多くの風鈴で皆様をお迎えしています。 ご参拝の際は、涼やかな音で風を感じてみて下さい🎐 今月の「夏紅葉」特別御朱印も、透かし紙との二層構造を活かし、「涼」を感じる奥行のある3面の見開き御朱印となります。 是非ご覧ください♪ 暑い夏を工夫して過

「花火」と「お盆」が紡ぐ鎮魂の夏

この8月は、祖霊を迎えて家族の時間を過ごす「お盆」の季節。 多くの地域では8月13日から15日の月曜日までを「お盆」の期間としています。 「お盆」とは、古来からの日本の祖霊信仰と仏教の盂蘭盆会が融合した、先祖の御霊をお祀りする行事。 「みたままつり」特別御朱印のテーマである「みたままつり」も、漢字で書くと「御霊祀り」。故人の遺徳を偲び、霊魂を慰めることを指します。 「精霊迎え」や、「五山の送り火」など、この季節には "祖霊を迎えて様々な形でもてなし、一族で共に同じ時間を

8月11日は「山の日」 身近な山について考える🤔

8月11日は「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」を趣旨として制定された国民の祝日、「山の日」です。 山の日は2016年(平成28年)に施行された比較的新しい祝日。 この「山の日」の新設により、今まで祝日のなかった8月に祝日ができ、祝日がない月は6月と12月だけになりました。 山が身近にある日本では、国土の7割ほどが山地と丘陵地であり、さらに国土のおよそ3分の2は森林に占められています。 いかに私たちの身近に山や緑が存在するかがうかがえます🏔 富士山に憧れた江戸っ

🎐8月の特別御朱印🎐

真夏の暑さ到来ですね🌞 暑い日が続きますが、当社では風鈴や朝顔のカーテンで皆様をお待ちしています。 ひとときの涼を感じて頂ければ幸いです…🎐 毎日暑い日が続いていますが、熱中症にはお気を付けくださいね…! ◆「夢開き」特別御朱印8月11日は「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」を趣旨とする国民の祝日「山の日」です。 御朱印ではハイキングを楽しむ御祭神の小野篁公。 神社の動物たちも登山や虫取りで自然を満喫しています♪ 山の中には祠やお社を示す鳥居が見えます。 当

「海の日」と海の神「ワタツミ」

7月の第3月曜日は国民の祝日「海の日」。令和5年は7月17日です。 海の日は「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」ことを趣旨とする日です。 ◆海に感謝する、国民の祝日「海の日」海の日はもともと、1876年(明治9年)に明治天皇が東北地方に巡幸した際に、灯台視察船「明治丸」で航海し、7月20日に横浜港に帰着したことを発露とし、海運の重要性を認識し、海運・海事関係者に感謝する「海の記念日」として制定されていました。 「海の日」として国民の祝日に制定された当初

◆令和5年「納涼踊り大会」のお知らせ

強い日差しにセミの鳴き声。日増しに暑さを感じる、本格的な夏の訪れが感じられる季節となりました。 「海の日」の前の16・17日の土日には、境内で氏子青年会主催による「納涼踊り大会」が開催されます。 ■小野照崎神社 納涼踊り大会 7月15日(土)18:00-20:00  7月16日(日)18:00-20:00  やぐらを立て、賑やかな屋台が立ち並び、提灯に煌々と照らされた境内はいつもとはまた違う雰囲気に。 どうぞ皆さまお誘いあわせの上、お越しください♪ 小野照崎神社の

「七夕の日」と「織姫神社」

7月7日は「七夕」の日。 織姫と彦星の二星の恋愛成就に自らの願いを重ねて、人々が夜空を見上げて祈りを捧げる日です。 この日は3月3日の桃の節句(雛祭り)、5月5日の端午の節句(子供の日)に続く五節句のひとつである「七夕《しちせき》の節句」の日でもあります。 季節の節目である節句には、むかしの日本人が大切な祈りの機会と捉えて、神様への感謝と繁栄の祈りを捧げてきました。 七夕の日も、そんな五節句のひとつにも数えられる「大切な祈りの日」です。 入谷といえば「朝顔」が有名で

「朝顔」は「織姫と彦星」が出逢えたしるし?

7月7日は五節句のひとつにも数えられている「七夕」の日。 1年でこの日にだけ会える織姫と彦星が、天の川を渡り無事に会えるようにと人々が夜空を見上げ、二星の恋愛成就に自らの願いを重ねて祈る日とされています…✨ 「七夕の節句」は、「しちせき」の節句と読み、3月3日の桃の節句(雛祭り)、5月5日の端午の節句(子供の日)に続く五節句のひとつ。 そう、「七夕の節句」と続くと「たなばた」ではなく、「しちせき」と読むのです…! そんな季節の節目となる節句を、むかしの日本人は大切な祈

🎋7月の特別御朱印🎋

7月は、五節句のひとつにも数えられる七夕の月であり、下半期のはじまりの月。 お正月の「初詣」に対しての上半期のご奉告と感謝を申し上げる「夏詣」をと、神社でも多くの神事や行事が行われる、参拝の好シーズンでもあります🙂 当社では、6月30日・7月1日の境内下谷坂本富士の「お山開き」や、「夏越の大祓式」、7月2,8日の2日間(10-15時)には絵師たちが短冊に夢を描く『夏夢開き🎋』、7月15,16日には氏子青年会による「納涼踊り大会」を境内にて開催します。 それぞれの夢や目標

「下谷坂本富士」1年で2日だけの「お山開き」【6月30日・7月1日】

今月6月は、1年に2日だけの「お山開き」の季節。 当社境内にある「下谷坂本富士」は、毎年6月30日・7月1日の「お山開き」の期間のみご登拝頂けます🗻 ◆重要有形民俗文化財「下谷坂本富士」 国の重要有形民俗文化財にも指定されているこの富士塚は、江戸時代に富士山から溶岩石を運んで作られたもの。 普段は扉を固く閉ざし、立ち入ることはできませんが、“6月30日・7月1日の2日間”に限り、一般の方もご登拝を頂くことが可能となります。 例年富士山の開山に合わせて斎行される、当社摂

「五月雨(さみだれ)」は本当は6月の雨…⁉ 「五月○○」の謎を追う

立春から数えて135日目、6月11日頃からの約30日間は、暦の上では梅雨に入る「入梅」の頃です☔ 5月11日に日本気象協会が発表した「梅雨入り予想」では、梅雨前線の北上は平年と同様か遅い傾向ということです。これから雨の多い、じめじめした季節がやってきますが紫陽花など梅雨時ならではの楽しみがありますね…😊 さて、梅雨時に続く小雨には「五月雨」という名前がありますが、この言葉、ちょっと違和感がありませんか?🤔 そもそも、「五月雨」は6月の梅雨を表す言葉なのに、「五月」という

「茅の輪くぐり」と「夏越の大祓」

梅雨の6月は、半期ごとに巡ってくる"祓の月"でもあります。 上半期の最終日である6月30日には、当社本殿前で16時よりこの半年のケガレを祓い清めて下半期の充実を祈る「夏越の大祓」が斎行されます。 大祓式は、個人のお祓いにとどまらず、そこに暮らす皆が健やかな生活を送ることが叶うようにと、701年の大宝律令で制定されて以来1300年以上の長きにわたり、宮中を始め全国の神社などで行われてきた大切な神事です。 この半年の間に知らず知らずのうちに積もったケガレを落とし、残りの半年