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秋詣

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来たる秋のはじまりに、移り行く四季を感じながら「秋詣」として心新たにお参りを頂ければ幸いです。 収穫の秋、読書の秋、食欲の秋、行楽の秋、スポーツの秋、などと、秋は多様な呼称がある…
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2022年9月の記事一覧

「秋奉 -紅葉-」特別御朱印のお知らせ

秋も深まり、だいぶ過ごしやすい季節になりましたね🙂 10月の旧暦名は「神無月」 字だけを見ると「神様がいない月」ですが、この「無」は「の」と訳されて「神の月」という意味になります 神様と深い関わりを持つ、秋の実りの多き月 親しくご縁をいただいて、清々しいお参りの機会とされて下さい 10月と11月の特別御朱印は、すべて合わせて一つになる2か月続きの御朱印になります。 秋の深まりを五感で感じながらの月参りをいただいて、良い年の納めへとお進みいただければ幸いです。 ◆「秋

末社・三峯神社のはなし ~現代に受け継がれる江戸の山岳信仰~

9月は当社境内にある三峯神社の例祭月です。 本殿の左手にあるお社は、当地の御嶽信仰者によって古く創建された「御嶽神社」に、江戸末期に「琴平神社」が、大正時代には埼玉・秩父にある「三峯神社」より御分霊を受け、相殿で三社がお祀りされているものです。 三峯神社と山岳信仰三峯神社とは、景行天皇の命により東国平定に遣わされたヤマトタケルノミコトが、秩父の三峯山の山川が清く美しい様子をご覧になり、国をお生みになられたイザナギノミコト・イザナミノミコトの二神を偲んで創建されたという古い

令和4年「秋季例祭」のお知らせ

本年も9月19日に「秋季例祭」が執行されます。 9月19日は、当社が現在の入谷の地に遷祀された大事なご縁日です。 御遷座を寿ぐ秋祭り小野照崎神社は、御祭神である小野篁公がお隠れになられた仁寿二年(852年)に上野照崎の地(現在の寛永寺 輪王殿付近)に創建されました。 現在の入谷の地に遷祀されたのは、それから約800年後の1629年9月19日のこと。 幕命により江戸城の"鬼門封じ"として、京都の比叡山 延暦寺に倣って東叡山 寛永寺を建立するために移転を命じられ、末社である

「菅原道真公のご生涯」と「月の名歌」

お月見シーズンがやってきましたね! 令和4年は9月10日が「中秋の名月」、これからだんだんと月が欠けていって、来月10月8日には「十三夜」を迎えます。 9月の「月詣」特別御朱印でも、月をモチーフに、御祭神の小野篁公、御配神の菅原道真公や神社の動物たちが大きな月を眺めて月詣♪ 季節のさまざまな美しい情景の和歌を多数詠まれてきた道真公。 「月詣」特別御朱印には新古今和歌集に撰された、当社御配神・菅原道真公の珠玉の和歌があしらわれています。 濡れ衣を着せられ配流された自ら

「中秋の名月」 秋の月はなぜきれいに見える?

だんだんと夜も長くなってきて、月を楽しむのにもぴったりな季節になりました♪ 秋の月の代表ともなる「 中秋 の名月」まで、あともう少し! 今日は、この秋の象徴である「月」を掘り下げます🙂 2021年の「中秋の名月」は? 中秋の名月とは、太陰太陽暦の8月15日の夜に見える月のこと。 令和4年は9月10日(土)が中秋の名月にあたります。 昔は、現在の暦で8・9・10月頃である旧暦の7・8・9月を「秋」としていました。 旧暦の8月15日は秋のちょうど真ん中にあたりますが、こ

9月9日は「重陽の節句」 どんな日なの?

9月9日は五節句のひとつ、「重陽の節句」の日です。 9月9日のように奇数の重なる月日は、めでたいながらも「陽の気が強すぎるため注意が必要」ともいわれ、こうした季節の節目となる日を「節句」という形でお祝いと同時に、様々な方法で厄払いの行事を行います。 5月5日の「端午の節句」や7月7日の「七夕の節句」は印象が強いですよね! それに比べると、「重陽の節句」は現代ではなじみが薄いかもしれません。 一体どんな節句なのでしょうか…? 最大の陽数が重なる「重陽の節句」 平安時代に

名歌「秋思」から「九月十日」へと繋がる菅原道真公の激動の1年 

「重陽」特別御朱印は、9月9日の「重陽の節句」がモチーフです。 御朱印に添えられているのは「九月十日」という、当社ご配神の菅原道真公が詠まれた詩。 簡潔ながらも強い想いがにじむ詩ですが、この詩が詠まれた背景には涙なしには語れないドラマがあるのです…! 物語はこの詩が詠まれる1年前までさかのぼります。 ◆道真公が詠んだ、残菊の詩「秋思」 「九月十日」が詠まれる1年前のこと。 道真公は重陽の節句の翌日(9月10日)に行われた残菊の宴の席で、醍醐天皇ご臨席の傍ら「秋思」と