焼きそばの果てしなき旅【その54・自宅で富士宮やきそば4】
富士宮やきそば、そして(有)マルモ食品工業のやきそば麺に入れあげている僕に朗報だ。富士宮に行かずとも、静岡県内に行かずとも、横浜市内でマルモの麺を入手出来ることが判明した。
横浜市営地下鉄の北新横浜駅で降車してすぐ、「エスポット 北新横浜」にてマルモの麺を入手出来るとの情報を近隣にお住まいの洞口国王(クレイジーケンバンドのベース担当)から得た。今年の嬉しいニュースベスト10に入るくらいの嬉しさである。早速行って入手せねばなるまい。
「エスポット」は静岡県富士市に本部のある株式会社マキヤが展開するディスカウントストア。それで富士宮の麺もあると云うわけなんですね。納得。これでいつでもマルモの麺を入手出来ることが判った。麺だけでなくソースも焼そばの友(肉かす)もラインナップされている。これだけで自分の生活に大変な安心感がもたらされた。めでたしめでたし。いや、これで終わるわけではない。焼きそばを作るのだ。それ行けやれ行け。
マルモのやきそば麺。このパッケージデザインにも僕を惹き付けて止まない何かがある。赤色と青色のコントラスト。これはネオンテトラ(熱帯魚)のカラーリングの不思議さであったり、赤い怪獣バニラと青い怪獣アボラス(ウルトラ怪獣)の格闘であったり、とにかく僕の心が躍るのだ。そんなことはどうでも良いか。
焼そばの友でない肉かすも売っていたので入手してみた。こちらはフレンドだ。友情は同じだ。これからも友達でいてください。
早速だがまずはやはり基本的なところから始めよう。基本的富士宮やきそば。具は肉かすとキャベツだけ。ソースで味付けしてだし粉をかけて出来上がり。
シンプルではあるが奥はとても深い。ここまで来るとキャベツの刻み方一つで味わいも変わってくるような気がする。いや、実際変わる。実際に富士宮に行って食べてみた印象では、キャベツは細切りにしているお店が多かったような気がする。自分もそれに倣って細切りにしてみたこともあるが、どうもうまく細切りにならずに、いや、細切りにするんだったら最初からそう切らないなと云う雑な自分であったりもするので、あまり突き詰めて考えるのはやめることにする。焼きそばのお店を出すとかになったら決めなければならないことだろうが、今のところその予定はありません。
ウマウマウー。富士宮やきそばスキスキスー。僕を満足させるためだけの僕の富士宮やきそば。その点に関してはほぼ毎回満点を取れるようになった。ウマイ。ひたすらにウマイ。マルモの麺が好き。この硬めのくきゅくきゅとした食感がたまらない。硬いだけではなく、しなやかさや柔らかさも併せ持つ。剛柔よろしきを得よ。物事には必ず相反する面があって、オープンなものもそうでないのもある。何でもかんでも暴き立てて均質化するのではなく、それがそこにあることをそのまま受容して、出来ればそのままを愛でることが大事だと思う。何のこっちゃ。あまり色々なことに深入りすると人としての底の浅さがバレちゃいますよ。って誰に云ってる。まあいいか。
そして遂に手を出してしまったマルモの塩やきそばソース。通常ソースと同じく埼玉県で作られております。
塩でありソースであり。ここにも調和と齟齬がある。この世の中、シンプルな考え方で勝ち進むのが得策ではあろうが、僕はきっと色々と余計なことを考え続けて寄り道ばかり、何の到達点にも辿り着かないのだろうなと思うけれど、何でそんな弱音ばかり吐く。弱音を吐くのが好きか。今ここで自問自答する意味がわからん。すみません弄んでます。ふざけてばかりいると人に怒られますね。でも何で怒られなきゃならないのだろう(以下無限ループ)。
塩やきそばソースを使用した塩やきそば。具はお馴染みのキャベツと肉かすのみ。当たり前だけれど、白い。さすがは塩やきそばである。
キャベツはちょっと焦げすぎた。反省。
ウマウマウー。ソースは初めてなのでおっかなびっくり使ったらちょっと味が足りない。そうかそうか、たっぷり使っても大丈夫そうだ。そうしてみよう。
富士宮塩やきそば第2弾。前回のはあまりにも出来映えが白かったので紅を足した。紅白でなかなかめでたい。
塩やきそばソースをたっぷり使ってみた。感覚的には前回の倍量くらい。それで塩っぱかったらまた次に加減を考えればよろしい。
ウマウマウー。これはこのソースたっぷり使用が正解。ヒットです。こう来たらやはり豚肉入れるべきだな。ホルモンニンニク脂多め方面も脳裏を過ぎる。これもいつかちゃんと試してみる。
急にストイックな気持ちになったのでストイックに作る。具ナシ。少量のオリーブ油と麺とソースだけ。これで成立するか。
麺はエッジがパリッとするまで炒めてみた。それも実は初の試み。手慣れることも手慣れないことも同時に大切だ、などとまた禅問答めいてきた。今日はどうもそう云うモードらしいのでお許し願いたい。
ウマウマウー。これはある意味究極への道か。他に要素はなくとも、ソースが充分に多面性を持っており、物足りなさはあまり感じない。僕が小さかった頃にご飯と海苔と醤油だけで満足していた感覚に近いのかも知れない。華美で過剰でゴージャスなものも持て囃したいけれど、やはりこうして人間はシンプルさに否応なく対峙して近付いて行くのだなと考えたりして、これは秋の気配が僕に何かまとめ的なことを書かせているのであろうか。いやいや、まだまだごちゃごちゃと未整理でいたい。まとめたら終わっちゃう。つまらない。
そんなわけでまた別の道を模索する。ソース不使用。遂に醤油の登場と相成る。富士宮醤油焼きそば。自分で思い付いたのではなく、どなたかに醤油で作っても美味しいですよと云われたのだが、それが誰だったか思い出せない。そう云うことが多い年齢になってきた。と思ったら思い出した。よしよし。
具はお馴染み肉かすキャベツ。キャベツ入れすぎか。その辺の加減もまだ模索中。一度これだと思ってもまた迷う。それでいいのだ。
ウマウマウー。おおぅ。醤油やるじゃないか。今回炒め油としてオリーブ油をちょっと多めに入れてみたのも醤油味を引き立てる結果になったかと思う。とにかく麺と醤油の相性がこんなにも良いとは。これはこれで醤油味の定番となろう。いつでも醤油味は行ける。富士宮醤油やきそばブラボー。ああここでまた余計なことを考えた。やってみよう。
富士宮やきそば、醤油とソースハイブリッドバージョン。混ぜてみた。混ぜることで良くなることもそうでないこともあろうかと思う。でも結局は混ぜてみないと判らない。なので混ぜてみた。混ぜてみてからまた考える。
キャベツの量は加減したつもりがまだ多いか。イイんだよ、キャベツ好きなんだよ。キャベツのことはまた改めてキャベツだけで考えてみたいと思う。
ウマウマウー。混ぜるの、アリです。どんな割合で混ぜたか、目分量なので正確ではないですが半々です。ソースと醤油、どちらの良さも出た。マルモのソースに元々醤油との親和性があったのかも知れない。これはまた深く立ち入ってみるべき世界。ハイブリッド富士宮やきそばブラボー。まあ結局麺の懐も深いと云うことである。そんなわけで長々と失礼しました。富士宮やきそばに関してはこれでちょっと一段落と云う気分。でもまた現地にも食べに行きたい。まだまだ奥深いと思うのです。面白いことがあったらまた報告します。焼きそばの果てしなき旅はまだまだ続きます。
書籍「焼きそばの果てしなき旅」も発売中。どうぞよろしくお願い致します。
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