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【偏愛】マツカサウオ

僕はマツカサウオが好きです。お魚は見るのも食べるのも全般的にスキですが、このマツカサウオに関してだけは特別スペシャル偏愛スキスキスー。全国あちこちの水族館(水族館もスキ)に行くと、まず探すのはマツカサウオ。マツカサウオがいないとガッカリする。昔のコマーシャルではないが、マツカサウオのいない水族館なんて、と思う。

マツカサウオがいるととても嬉しい。水槽の前に陣取ってずっと眺めて写真を撮る。それ程人気のある魚ではないから、独占出来る確率はかなり高い。僕がマツカサウオのいる水槽を眺めていたり写真を撮っている時に、僕の後からちょっと覗いて「何コレ、キモチワルイ」と呟く若い女性もいるが、僕は「お前如きにこの可愛さが判ってたまるか」と心の中で憤慨する。他の追従を許さぬ個性的なデザイン、神秘的な半透明の頭部、金色のカラーリングやセル状の文様の妙、つぶらな瞳、口元の可愛らしさ、動作の意外な俊敏さ、どれをとっても僕の琴線に触れる。真に愛すべきはマツカサウオ。子供の頃からこの信条は変わりません。

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マツカサウオの特筆すべき点は、発光すること。暗いとこでアゴの発光器が光るんです。これは成長過程で発光器に発光バクテリアが住み着いて共生しているからで(そのメカニズムはまだ謎)発光の目的もちゃんと判ってはいません。水族館で繁殖したマツカサウオは、発光バクテリアに出会わずに育つので、発光しないとのこと。ちょっと残念。

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マツカサウオの発光が最初に発見されたのが富山県の魚津水族館。1914年の台風の影響で館内が停電して、暗くなった時にマツカサウオが発光しているのが偶然発見されたとのこと。僕は魚津水族館を「マツカサウオ発光の故郷」と勝手に命名して、ツアーなどで富山に行ったときは必ず立ち寄るようにしております。建物も水族館として現存する最古のもの(昭和56年、水族館設立は大正2年)だそうで、昭和レトロな雰囲気が味わえて一挙両得。ここのマツカサウオは泳ぎ方がおっとりしている。大事に育てられているんだなと安心する。

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クレイジーケンバンドがまだ5人編成だった20数年前、新横浜のリハーサルスタジオでリハーサルをして、終了後にみんなでご飯を食べようと云うことになりスタジオ近くの居酒屋へ行った時のこと。入口に活魚の泳いでいる大きめの水槽があり、その中に何故かマツカサウオが1尾紛れ込んでおりました。それをクレイジーケンこと横山剣さんが発見して「何この魚? 変なの」と笑っておりましたところ、僕が「これはマツカサウオって云うんですよ。アゴの下に発光器があって光るんですよ」と説明。すると剣さんは「光る? 発光器? 発光! 発光!」と物凄く大喜びされて、その後「発光!深夜族」と云う曲のタイトルに発光と云う言葉が採用されたと云う、マツカサウオ愛好家には非常に誇らしげな顛末で御座います。

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今年の1月にシンガポールに参りました時も、昨年4月に北京に参りました時も、水族館に行ってマツカサウオを確認して参りました。上の写真はシンガポールのS.E.A. Aquariumでの説明パネル。こちらだと黄梨魚。学名は日本松球魚。日本バンザイ。

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北京の北京海洋館では金松球。松毬魚とも呼ばれるようです。漢字の字面かしてとても愛らしい。たまりませんわ。

あまりにもスキ過ぎていつか飼育してやろうとかの野望はありません。マツカサウオはマツカサウオのいるべき場所(まあ水族館がどうなのかと云うのは深く掘り下げませんが)にいれば良いと思う。風変わりな僕が風変わりな魚を愛していると云う、ただそれだけです。

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魚津水族館に併設されたレストハウス「スワン」。これがまた物凄く昭和レトロ、時間よ止まれ。絶対に改築や改装などして欲しくない場所の一つ。ここで食べるカツ丼が毎回味が違う。タマネギがレアな仕上がりの時もあった。でも全てが愛おしい。僕のナンバーワンカツ丼。ウマウマウー。僕は僕の追い求めているものだけを愛していると云う、ただそれだけです。

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