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焼きそばの果てしなき旅【その42・自宅で富士宮やきそば】

緊急何ちゃらやまん防など色々発令されてにっちもさっちもな日本で御座います。オリやらパラやらもどうなることやら。それでも日本全国、物は行き来している。僕は富士宮やきそばのセットをゲットした。これで自宅に居ながらにしてかの有名な富士宮やきそばが作れるのだ。早速作ってみよう。

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麺とソースとだし粉と焼そばの友(肉かす)。全て静岡県富士宮市の有限会社マルモ食品工業製である。自分で用意するのは豚肉とキャベツ。ちょっと緊張する。何たってこうしたそれぞれに独立した素材を使って富士宮やきそばを作るのは初めてである。以前作ったのはどこのスーパーにも置いてあって、要素も全て揃っているセット(シマダヤ製)の富士宮やきそばだった。アラカルト素材で上手く作れるだろうか。さあどうだ。

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やきそばの麺。ちょっと透明感があってかなり固い感じがする。

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やきそばソース。よく見ると製造は埼玉県本庄市である。そうかそうなのか。

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だし粉。出来上がりにこうした魚粉系をかけるのが富士宮やきそばの特徴。内容はいわし煮干しとアオサノリ。国産原料のみ使用。こちらは静岡市清水区で製造。21世紀になって清水市だったのが静岡市に併合されて清水区になったのなかなか衝撃的な出来事だったけどそうでもないのかしらん。

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焼そばの友。肉かす。お好み焼とも友達らしい。豚の背脂や三枚肉からラードを搾った後の残滓を油で揚げてある。関西方面では肉かすはお馴染みだが、こちらのは豚肉。これを使うのが富士宮やきそばの特徴の一つ。

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肉かすを包丁で細かく刻んで、フライパンに投入。キャベツと豚肉を炒めて、麺を入れ、少し水などを入れて麺をやわらかくする。ソースを入れて混ぜて出来上がり。全く難しくない。

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ほら簡単。ここからトッピングを載せる。

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富士宮やきそば試作№1完成。だし粉をたっぷり振りかけて、紅生姜もオン。何となく上出来の予感。

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なかなか良い仕上がりでしょ。イタダキマス。

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ウマウマウー。こりゃ大変だ。ヒジョーにウマイ。なんだなんだこの満足感。自分で作ったとは云え、麺の固さがチョー自分好みのギュギュッとした口当たりと歯応えと食べ応えに仕上がってバッチリ。こんなにウマイのか富士宮やきそば。今までに何度か富士宮やきそばを食べたことはあるが、こんな充実したのを食べるのは初めてだ。自画自賛手前味噌我田引水隣の芝生より自分ちの方が青い。味付けも目分量でソースを入れただけ。素晴らしい美しい。感動に浸っていたらアッと云う間に食べちゃった。食べたらなくなってしまうのは自然の摂理だが何だか納得が行かない。どうしたら納得できるのであろうか。

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そう云う時はもう一つ作る。麺は2袋あったのだ。はっはっはっ。さあ今度はどんな風に作るか。

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具は豚肉をパスして、肉かすとキャベツのみ。要素を絞ってみた。最初の試作より肉かす多め、キャベツは少なめ。それにしてもこの麺の透明感がヒジョーに気になるのであるが、調べたところ、この麺は戦後の食糧難の時代にビーフンを作ろうとした過程で生まれた麺であるとのこと。そうかそれでこの透明感があるのか。何だかとても納得した。60年以上の歴史を誇る富士宮やきそばの麺。ワンアンドオンリーの独自路線。いつまでもずっと受け継がれる透明感であって欲しい。

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とか何とか云っているうちに出来上がり。ソースは初回の半分程度にしてみた。誰かが味を薄くして見ろと心に語りかけてきたのです。幻聴ではありません。

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富士宮やきそば試作№2完成。だし粉と岩下の新生姜スライスにて仕上げ。

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紅生姜の赤も欲しいような気がするが、味的にはこちらの方が断然良い。静岡県富士宮市、静岡市清水区、埼玉県本庄市、栃木県栃木市がこの一皿の上にある。これを豊かと云わずして何と云う。これを文化と云わずして何と云う。イタダキマス。

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ウマウマウー。大変だ大変だ。№1より5割うまい。3割うまいはぎょうざの満州(埼玉県の中華チェーン店です)のキャッチフレーズか。とにかくウマイ。まずはソースを減らしたことで肉かすの友情度がアップして、麺の風味をしっかりと引き出す超人バロム1になったのだ。バロームクロス。ドールゲー、ルロロロロロ。すみませんこんな軽口がダダ漏れするくらいに富士宮やきそばがウマイのです。お許しください。

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ウマウマウー。こんなにウマイのなら実際に富士宮に行って富士宮やきそばを食べたら僕は失神したり卒倒したりするのではないか。いや多分大丈夫だ。何故大丈夫と云えるのか、それについてはいずれちゃんとした形で発表する。どうぞお楽しみに。それにしてもこの富士宮やきそばの麺をくきくきと噛む感覚が僕にはたまらなく幸せなのだった。幸せだなぁ。今度こそ食べ終えるのが惜しい。ゆっくりゆっくり食べたけど、やはり食べればなくなる。切ない。その切なさを胸に、またこの麺を愛でる日が来るのを心待ちにしよう。富士宮やきそばブラボー

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焼きそばの果てしなき旅はまだまだ続きます。

【索引】焼きそばの果てしなき旅

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