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沿岸警備命令【ゲスラ】

1966年8月21日に初放映されたウルトラマン第6話「沿岸警備命令」。舞台は横浜港。僕が生まれ育った横浜にウルトラマンと怪獣がやって来た記念すべき回。ゲスラと云う南米のトカゲが大好物のカカオ豆と一緒に船で運ばれて来て、東京湾の汚水で巨大な怪獣と化し、横浜港の倉庫街に上陸して大暴れと云うお話。劇中では両生類と云われるが、トカゲだから爬虫類です。

物語の冒頭で「横浜沖で20mもあるサメが傷だらけになって浮かんでいた」と怪物の存在を匂わせるような台詞があるが、20mのサメは怪獣より妙なリアリティーがあって怖い。それを受けてハヤタ隊員が「ちょっとひっかかるな」と返すのだけど、20mのサメはちょっととかひっかかるとかの次元ではないと思う。即出動して調査です。どうも科学特捜隊と云うのは事件への初動対応が遅い。それも時代性か。でも20mのサメだぜ。それが殺されていたんだぜ。科特隊の奮起を促したい。

ホシノくんと友人2人(みんな子供)が横浜に遊びに行っていて、そこでゲスラとダイヤモンド密輸団にダブル遭遇する。子供だけでそんな横浜に遊びに行って良いのか。僕は後年(小学4年生だったか)友達と弟と3人だけで横浜駅西口のデパートに遊びに行って両親から大目玉を食らった。どこに行くのでも保護者が付いていないと怒られる時代。今も変わりないか。でも子供と云うのは大人が怒ることを狙ってやりがち。これも今も変わりない。

子供達がカカオ豆が保存してある倉庫に勝手に侵入して(やりがち)ゲスラを探すシーン。女の子が「ゲスラちゃーん」と呼ぶのが、ウルトラセブン第41話で竹村さんが森の中で「河童ちゃーん」と河童を呼ぶのと、僕の頭の中で響き合うのだ。無闇に人のことを「ちゃん」付けして呼ぶのは好きでないけれど、愛しいものにはしっかり「ちゃん」付けをして自分の心情を表現したいと常々心掛けている。どうもウルトラマンの方に話が行かない。なんとかせねば。

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ウルトラマンとゲスラが水中で戦うシーンは見応えがある。最期ウルトラマンは光線技を使わずに、ゲスラの弱点である背びれを毟り取る。ゲスラは海中に沈んでハイそれまでよ。それにしてもゲスラのカラフルな容姿はエキゾチックで、サイケで、ストレンジで、とても秀逸だと思う。カッコイイ。

そしてゲスラの鳴き声であるが、ぐぅーっと腹腔が響くようなサウンド。これはお腹が空いたときに自分のお腹が鳴るのととてもよく似ていると思う。僕のお腹が鳴る度に(それもかなりの音量で鳴る)ゲスラのことを思い出してしまう。50数年ゲスラと一緒だ。ゲスラが興奮して凶暴化すると、ぐぅーっと云う鳴き声もピッチが上がってかなり迫力が増すが、それも僕のお腹と一緒だ。お腹の中にいるゲスラが「何か食わせろ」と大暴れする。後に登場するガマクジラもこの鳴き声だが、僕はゲスラを思い出す。

ずっと後のウルトラシリーズではキングゲスラと云うのになって再登場するが(ちゃんと横浜港から出現する)、僕のお腹のゲスラもキングゲスラ化している事実は否めない。ウマウマウーとウマウマ王の関係性にも似ている。違うか。ちなみに「あいつはゲスなヤツだ」と云う使い方のゲスは、下種とか下衆とか下司とかの漢字になるが、僕はゲスラを先に覚えたので、ゲスと聞くとゲスラを思い出す。ゲストハウスも、ゲス・フーも、ゲスの極乙女。も。ああ今回はダメだ。脱線しっぱなし。次がんばろう。

末永くがんばりますのでご支援よろしくお願い致します♫