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怪獣無法地帯【レッドキング・チャンドラー】

1966年9月4日に初放映されたウルトラマン第8話「怪獣無法地帯」。火山噴火の影響で無人島となっていた多々良島(日本の南方海上と思われる)に再開された定点観測所に向かった四名の観測所員先発隊が消息を絶ってしまった。科学特捜隊がジェットビートル機に乗って所員の救助に向かったが、科特隊員たちが目にしたのは怪獣が跋扈する多々良島の惨状であった。

オープニングから3分も経たないうちに怪獣が登場。派手に流血試合をしていたのがレッドキングとチャンドラーの2頭。レッドキングはバルタン星人やゴモラなどと並んでAクラスのメジャー怪獣。そしてチャンドラーの方は超絶マイナーで知名度は大変に低い。知っている方でも「ペギラに似たヤツ」と云う印象しかなかろうかと思われる。

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雑に云えばペギラに角をくっつけただけ。そしてウルトラマンと手合わせをしていない。レッドキングと戦って羽をもがれて負傷退場。その後の容態や生死は不明。なのでウルトラマンとの対決シーンは存在しない。それがまたマイナーさに輪をかけることなる。更に云えば、レッドキングとチャンドラーの対決は視聴者の僕たちだけが目撃したもので、科学特捜隊員が多々良島に到着して目にしたのはレッドキングのみ。ウルトラマンどころか科特隊員もチャンドラーを知らないのだ。散々な目に遭った上に待遇が非常に悪い。でもチャンドラーは僕の心の中ではAクラスの怪獣なのだ。子供の頃ソフビ人形も持っていた。そして僕の心の中ではずっとチャンドラーが吠え続けている。

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レッドキングとチャンドラーの対決シーン。黒目がちなレッドキングに対して、チャンドラーの目は皓々と光っている。そう、怪獣の目は光ってナンボだと僕は思っている。ベムラーの目もネロンガの目も光っていたけれど、チャンドラーの目はどの怪獣よりも大きく明るく、そして凶悪に光っている。これぞ怪獣の目。この目に匹敵するのはウルトラマンではケロニアくらいではないか。テレスドンの目もイイ。でも本当に好きなのはグドンやバキシムのような白目のない目なのだけれど。

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レイモンド・チャンドラーと云う名前を聞いて怪獣のチャンドラーを即座に思い出すのは僕くらいかも知れない。フィリップ・マーロウも訝しげに思うだろう。僕が生まれるもっともっと前の1955年の作品。今までに何度も読んだ。読む度にチャンドラーを思い出してギムレットが飲みたくなる。

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チャンドラーと云うギターメーカーもあった。エアロスミスのジョー・ペリーが使っていたっけ。僕にとってはやはり怪獣のチャンドラーを思い出させるトリガーになった。チャンドラーのギターを弾いたことはないです。

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チャンドラセカール限界と云う言葉に初めて出会ったのはどこだったかと思って色々本棚を探し回ったが、多分ラリイ・ニーヴンの「中性子星」だと思う。チャンドラセカールとはインド出身の物理学者の名前。それでそのチャンドラセカール限界とは、縮退した絶対零度の電子の圧力により支えられる白色矮星の質量の上限値、なんだそうな。なんのこっちゃわからぬ。ちなみに「中性子星」の発表はウルトラマンと同じ1966年。この時代のSF小説は夢があって、例え地球が消滅してしまうような話でも、何だか心にグッと来る。難しい用語が怪獣のように跳梁跋扈している。チャンドラセカール限界もチャンドラーも仲間だ。こんな話ばかりしていると友達が少なくなる。まあいいけどね。

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さあレッドキングだ。レッドキングには云いたいことがある。レッドキングは赤くない。どう云うことなんだレッドキング。

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ジェフ・ベックのアルバム『ワイアード』に「レッド・ブーツ」と云う曲が収録されていてこれが赤い靴かと思いきやLed Bootsで鉛の靴なのです。レッドキングもLed Kingにして鉛の王にすれば良かったのにと思う。ただ怪獣の王と名乗るにはちょっと脆弱で、ウルトラマンに投げ技を何度か食らっただけで退治されてしまった。光線技ゼロ。第25話に出て来る2代目も八つ裂き光輪で真っ二つ、いや三つにぶち切られてお陀仏。

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怪獣無法地帯、他にも怪獣が出て来るけどあまり思い入れがはない。地底怪獣マグラーはペットにはしたいと思う。ネロンガもそうなのだけど、犬っぽい。飼ったらカワイイかも知れない。そしてこれまた有名な友好珍獣ピグモンには、僕は思い入れが全くない。怪奇植物スフランはなかなか怖い。物語も何だか観測所員を一人救出しただけであまり感慨はない。僕にとっては冒頭のレッドキングとチャンドラーの対決シーン、ここに尽きてしまう。今回は横道に逸れているうちに終わってしまった。まあそう云う時もあるか。

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いたわりあって生きて行こう。レッドキングもダダも。怪獣の話を書くのは久しぶりで楽しかった。また時間をみて書きます。

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