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2023年ベストアルバム8選

 だいぶ期間が空いてしまいすみません。
書かなきゃと思いつつ書く気分にはなれなかったんですが今年もレコードに捧げてきた一年、ベストアルバムを決めないことには一年の締めくくりとしてふさわしくはないですね。

最近出たレコード、つまりは下半期にリリースされたものに気を取られて上半期のレコードを忘れてしまいがちなので、そこは気を配りました。
なのでいま選んだものを見ると上半期、下半期いい具合にブレンドされています。


選んだ作品は今年レコードで発売されたものだけに絞りました。
今年デジタルでリリースされたものや、
レコードで発売されたものでもデジタルで去年リリースされていればそれは除外しています。
(どんなに良くてもね)

それでは8枚ご紹介します。

①JPEG MAFIA & Danny Blown
 "Scaring the Hoes"

ラップにハマったのはArmand Hammerから、
R&Bとラップの組み合わせにどハマりしMIKEとか
WikiとかNavy Blue聴きまくってた。JPEG MAFIAは存在は知ってたくらいDanny Blownなんてめちゃ失礼だけど存じ上げなかったのね(まじ)
この二人がコラボするって物凄いことって知らずにこのアルバムを聴いた衝撃は今でも忘れない
サンプリングの豊富さ、それの組み合わせのセンス、これをセンスと言わずなんと言うのだろうか、楽曲の中で日本の言葉がサンプリングされてましたがそれが面白い。アメリカ人が聞くと、日本語の言葉ではなくそれはもう異質な音、一つの響きとして捉えられていること、自分もアメリカ人視点で聴いてしまった。センスある日本語の正しい使い方、勉強になります。そしてマイケルジャクソンのサンプリング、わざとキー下げてるところがマジで最高。(原曲より低い)
Danny Blownの新作もめちゃ好み


②Nourished by Time "Erotic Probiotic 2"


イギリス在住のアーティストMarcus Blownによる初のアルバム。Yaejiとコラボしてたね。
シンセポップ好きとしてはこれは外せなかった。
イギリスに住んでるからイギリス人かと思ったらアメリカ人でした。だよなー、アメリカ臭すごいもん。PLZからのJohn Keek感あって素晴らしい。
Shed that Fear聴いた時、秒でベストアルバムを確信した、もう何回聞いたかわかんないくらい好き。
美メロの数々、3曲目のDaddy途中で曲調の変化、あそこまじやばいよね。
アルバムで使用されたとみられるRolandのJuno-6欲しくなってきちゃった。
Rain Water Promiss、The field、名曲の数々に酔いしれてください。


3 Onore "午後にとばりが降りてきた"



図々しいかもしれないけれど、自分の作品をここで選べなかったらレコードでリリースなんてするべきじゃないと思うので堂々のエントリーです。自分の作品をまじまじと評価するのは恥ずかしいものはあるけど、これを超える作品はもう作れないと思います。これからも作品は作り続けると思いますが、おそらく無理です。それくらい自分にとってこの作品は完璧なんです。
自分がこれまで好きだった音楽は自分が日本人ってだけで、その場所に行き着くには不利な状況でした。日本語ってダサいです。イントネーションが邪魔をして自分が作ったメロディをボロボロに破壊します。はっきりとした発音、好きになれませんでした。でも日本人としてセンスのある日本語の歌詞をどうしても使いたかった。そのためにどんなメロディにすれば良いか、コードは、楽器は、テンポは、響きは、約2年かけ熟考しました。その結果が"午後にとばりが降りてきた"です。
もちろん気に入らない部分、センスないなって思うところはあります、ミックスなんでクソほど上手くいってない、テクニックが追いついていないんです。それは十分承知ですが、センスのある日本語の歌を作れたと自信を持って言えるし、自分が作りたかった世界観、レコードを買い続けてわかってきた今の音、それが上手くブレンドした作品になったと思います。
これが今の自分の限界なんだと思います。
もう思い残すこともありません。
(余談ですが、今回の楽曲のほとんどのピアノは実家のピアノで録音しました。そのあともう寿命がきて完全に演奏することはできなくなりました)

聴きたい方、購入希望の方こちらからどうぞ


④HMLTD "The Worm"

クィアカルチャーを武器に本当はUKインディーロックのカウンターになっていたのにソニーとの対立、1st Albumのかなりの遅延によって、アルバムがリリースされた頃にはサウスロンドンシーンに注目が集まっており、彼らの人気も下火になりかけていたところレーベルLucky Numberからリリースされた本作。
彼らの本気をみた。
自分達が本来やりたかったこと、メジャーではできないことそれがここでは表現できる、セールスだけにとらわれない表現を大切にするこのレーベルに救われたんだろうな
Black midiのようなロックにおける楽器の拡張
プログレの再定義。イギリスらしいパンク精神、
今聞かなくてはいけないロックはこれである。長尺の曲が多い中、蛇足だと思う箇所は一つもなく全てが一つの物語のように有機的に繋がっていく。中世のイギリスの中で社会的権力システムの影響における精神的不安、寄生虫、フロントマンHenryによる自叙伝。

⑤Joanne Robertson "Blue Car"

冷気で窓が曇る。その窓の中に映る影
うっすらと暖かな光が灯る。でも君の姿は見えない。吐く息は瞬く間に広がり白い蒸気になって上空へと昇っていく。僕は君の姿が見たくてたまらないが、悴む手に耐えられずその場から気まずそうに立ち去る。

曲を聴きながら美しい文章がすらすらと出てきてしまった。まるで、白で覆われた銀世界の中を、白い蒸気の中をBen Wattのノースマリンドライブを聴きながらドライブ、そんな気持ちにさせられる、センシティブと簡単に形容したくない、自分の奥底の中のものが、鼓動がだんだんと早くなる、このアルバムに出会えて本当によかった。


⑥Current Joys " Love+Pop"


2021年作はかなり保守的。ザ USインディロックの中で大人しくしていたのだけど、どうした、この変わりよう、私好みすぎて、、1曲目リルピープのカヴァー、マジでオタクカヴァー、90年代のローファイやUKのインディロック聴かないとこの仕上がりには絶対にならない。マジで泣いた。途中で入る女性ヴォーカルも最高。
2曲目3曲目、リルヨッティコラボもマジわかってる。自分よりも年下のミュージシャンから今の音楽を学ぼうとする姿勢が素晴らしくて自分ももうおじさんに差し掛かっていく年齢だからこそこの姿勢は絶対見習わないといけないな。ありがとう。

⑦Blod "Discreet Music"


スウェーデンの片田舎
教会から聞こえるオルガンの音、そして微かに聞こえてくる讃美歌
いつもの変わらない朝の始まり。

タイトルの通り誰も気にすることなく忘れられていく音楽だと思うけど、自分にとってはこれほど
胸を打つ音楽はないだろう。
C86に影響受けたドイツのバンドを感じるサウンド、Frischluft! Tonträgerのコンピ"Durch's Schlüsselloch in des Mondgärtners Sternenhain"でいつも号泣してた自分にとって、これはC86に影響を受けたスウェーデンのバンドのような(全て想像です)、この音が今聴けるなんて、Discreet Musicよくやった!世間に評価されなくても、私は彼らを評価したい。
Melodyの世界観、(あれは舞台がイギリスだけど)
ビージーズのIn the Morningを聴いている時のように美しくも儚い過去のかがやきが、この作品を聴くとふと思い出して涙ぐむ。

⑧The Drums "Jonny"


最後は迷いに迷った。
1週間は迷ってるけど、お世話になったこの作品に決めました。
ジャケの全てを曝け出すという意味合い?の裸体もいい。
私はシンセポップオタクだからこの音には弱いしゲイ特有の陰鬱さがよく現れていて大好き。明るいんだけど暗いこの感覚ってポップミュージックにおいて結構難しいんだけど、難なくそれをやってのけるのがすごい、これはゲイにしかできないことなのよね。これは絶対的にそう。
パートナーとの別れ、バンドメンバーの離脱、精神がすり減っていくJonny Pierceはその想いを音楽にぶつけていく。彼の悩みはメロディと遠くで聞こえる美しいコーラス(このコーラスが素晴らしいのよ)によって昇華され美しく輝いていく。



ていうわけで無事8枚選出です、
最後にかけて文量が少なくなっているのは純粋に疲れたからです(がんばれよ)
てなわけでもう一年が終わりますが、特に何も変わりません。2023が2024になるだけ。気楽にやりましょう。それでは皆様良いお年を!

今回選出してませんが良かったアルバムをアーティスト名で記載しておきます。(ほとんどレコード持ってます)

・The Cloud 
・ML Buch(来年買う)
・Jad Fair & Samuel Locke Ward
・The Tubs
・Shame
・Boygenius
・Abaron Emerson
・The Lemon Twigs
・La Priest
・Nosatalgia 77
・Bobbie Lovesong
・Kassa Overall
・Little Simz
・Lil Yachty
・Elvis Rever
・Mond Tempo
・Jonatan Landoer96
・Everything But the Girl
・Sleaford Mods
・Public Body(持ってない)
・Geese(持ってない)
・Overmono
・Durand Jones
・Eddie Chacon
・Model/Actriz
・SQURI (持ってない)
・Hotel Lux
・Jonnine
・Gia Margaret(持ってない)
・Laurel Halo(持ってない)
・Bruiser & Bicycle
・Parker Allen
・Water From Your Eyes
・Summer Eye
・Georgia
・Navy Blue
・Speakers Corner Quartet
・King Krule
・Hayden Pedigo
・Sergeant
・Loopsel
・Yaeji
・Florry
・Liv.e
・cumgirl8
・Frederlque Sueur
・Roisin Murphy
・Ethan P.Flynn
・Caterina Barbieri
・Ron Morelli
・Being Dead
・Tony Price(持ってない)
・Caroline Polachek
・Sextile
・Charlene Darling
・Provoker
・baritalia
・Melenas
・Abyss X
・Troye Sivan
・Jonny Nash
・Glume
・Auragraph
・Quade
・EXEK
・The Serfs
・Tex Crick
・Joseph Shabason
・Titanic
・Mike
・Mock Media
・Daneshevskaya
・Armand Hammer
・Baba stilz
・Strange Ranger
・Upchuck
・Jockstrap
・Voice Actor
・Headache






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