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ビンボー起業⑨運命的なビジネスモデルとの出会い。の話。

前回は↓

せっかく苦労して手に入れた内定も、蹴ってしまうという暴挙に出たものの。
これから、どうすればいいんだろうか。

米びつ残量がいつもギリギリな生活をしているやつが、起業とか。
もう頭がおかしいとしか言いようがないけど、

当時の私には、なぜかそれが一番最良に思えて仕方がなかった。
根拠も何もないけれど、何かに突き動かされるように、起業へと歩みを進めていった。


走り出さないと、壁にすらぶつかれない。


威勢よく「起業する!!!」なーんて意気込んでみたものの。
一体何からすればよいのか???
全くわからない。
起業とか経営とか、その他諸々ぜんっぜんわかんない。
分かるわけない。
さっき閃いたばっかりだもん。

でもひとまず、今やるべきことは、
とりあえず当面の生活費を稼いで、生活をしていかないといけない。
起業に関する知識も資金も必要。

ということで、今までとは方向性を変えて再び就職活動開始。

起業を先延ばしにもしたくないので、期間を決めて働こう。
その期間中にしっかり色々と準備を進めよう。
ということで短期の仕事を探した。


やると決めたからには、とにかくスタートを切ってみよう。

全く未知の世界に挑戦しようとしてるから、
何が必要なのか、課題なのかすら、全てが未知数。

真っ暗闇のトンネルに突っ込んでいく気分。

だからとにかく走り出さないと。
前に進まない限りは、壁にすらぶつかれない。

走り出したら、それはもう沢山の壁が出てくるはず。
そして、壁に激突してボロボロになる事でしょう。

でもボロボロになったところで、人間そうそう簡単に死なない。

お金も、人脈も、キャリアも何もない
ビンボー人には、何も失うものなどない。

ビンボーで良かった!笑


チャンスはどこに転がってるか分からない。

就活や、職業訓練ですっかりハローワークの常連になっていた私は、
窓口のお姉さんにも顔を覚えて貰っていた。

いつもいつも、何回も何回も、ベビーカーを押して、
時には子供を抱っこしてハローワークに通い詰めていた。

私の住む地域にはハローワークの窓口はいくつかある。

子連れで行くならその中には、キッズルーム付きの所もある。
マザーズコーナーみたいな名前だったと思う。

子持ちでハローワークは大変だわ。
というお母さんにはおすすめ。
ただ、職業訓練の申し込みなど、正規?のハローワークの窓口へ行かないとできない手続きもありますので、そこらへんは色々と確認してみてください。


今までどこも玉砕してきたけれど、短期の仕事に切り替えて探してみようと考えてる旨を説明したら、
窓口のお姉さんが募集出たてホヤホヤの、すごく条件の良い短期の仕事を紹介してくれた。

「さっき届いたばかりなんですけど、人気が出そうな仕事ですから早めに応募した方がいいですよー!」
って。

こちらが真剣にやっていれば、相手も協力してくれるものなんだなぁ。と、人の有り難みを感じた。

期間は2ヶ月。
起業準備にはちょっと短いけど、まぁ取り敢えずやってみよう。

仕事内容は、PCソフトの棚卸し作業。
PCの電源を入れる事ができて、マウスでクリックできる人なら誰でもできる簡単な仕事だ。

単純作業だけど、どうやったらより快適に仕事が出来るかなー。
とかを、仲間と色々工夫してやっていくのが楽しかった。

1ヶ月が過ぎた頃。
派遣元の上司から呼ばれた。

「小野さん、WEBデザインコースの訓練出てるんだっけ?
今うちの会社でWEBデザインできる人材探してるんだけど、どう?やってみない?」

仕事内容は、ある自治体のHP管理と簡単な更新作業。
こちらも短期の派遣だけど、期間は約7ヶ月との事。

ありがたい!!!

あんなに頑張って探しても就けなかったWEBデザイン関係の仕事。
こんな所に転がっているとは!

チャンスの神様が、気を抜いた瞬間にやってきた。


就職できて、無事に認可保育所に入れたと思いきや。


新しく派遣された現場では、WEBデザインコースの訓練で習った事をアウトプットする事ができ、知識もより深まったし、
職場の方々はとても良い方ばかりで、素人同然の私に沢山の事を教えて下さった。

今でも、たまに私がデザインしたページが残っているのを見る事がある。
なんだか、見るたびに嬉しくなるし、あの頃の気持ちを忘れないようにいろんな事に精進しようという気持ちにさせてくれる。

とまぁ、こんな感じで、派遣といえども無事に就職ができたので、息子も認可保育所に入る事ができるようになった。

そのお陰で、今まで無認可に通っていた時よりも、保育料がかなり安くなったので、物凄く助かった。

けれど、そこには1つ問題点があった。
それは私が「期間限定」の派遣ということ。

認可保育所に通うには、「就労証明」というものを雇い主の会社に書いてもらう必要がある。

つまり「働いているので、自分では保育出来ません。だから、保育所に入れてください」
というのを証明するためのものだ。

「期間限定」の派遣の私は、その期間しか保育所に子供を預ける資格を与えられないのだ。

派遣期間は7ヶ月。
という事は、7ヶ月後再就職をしない場合は
保育所を辞めなければいけないのだ。

思わぬ落とし穴だった。
やっと入れた保育所だったのに。

派遣期間が終わっても、息子を認可保育所へ通わせるにはどうしたらいいんだろう?

1つ、思い浮かんだ方法があった。
個人事業主になって、自分で「就労証明」を発行すればいいのだ。
つまり、7ヶ月後には開業届を出して、「起業」するという事だった。

いよいよ、起業する必要性が現実味を帯びてきたのだった。

運命的なビジネスモデルとの出会い。

実は、その頃の私はWEBデザインの派遣以外にも、もう一つ掛け持ちでアルバイトをしていた。

平日は、保育所へ息子を預けて派遣の仕事。
土日祝日は、夫が息子のお世話をして、私はアルバイト。
つまり、1週間休みなしで働いていた。

そのアルバイトは、結婚式場でのバイトだった。
実は結婚前まで私はウェディングプランナーをしていた。(ここら辺色々書くと長くなるので割愛)

その経験を活かして、婚礼時にサービスをしたり、花嫁様のアテンドをしたりする仕事をしていた。

今考えると、なかなかヘビーな事していたなぁと思うけど、
当時はキツいとも何とも思わなかった。

それよりも、自分の時間が時給という形でお金に変わって行くのが
楽しくてしょうがなかった。

これも書いたら長くなるから割愛するけど、
結婚するまでは私はもともと働く事が大好きで、めっちゃくちゃ沢山のアルバイトや派遣を経験してきた。
アンダーグラウンドなものから、子供向けイベントの着ぐるみまで、それはもう色んな仕事を。

履歴書にかける資格も、立派な職歴もないけど、
日本全国色んな場所で、色んな境遇の人と、色んな事をして働いてきた。

それについても、また機会があったら書こうと思う。

少しずつ資金も貯まってきた。
ほーんのちょっぴりだけど…

あとは、なにで起業するか決めなければ。

自分が興味ある事や得意な事で起業して行くスタイルが多いのかもしれないけど

とにかく私は、自分のライフスタイルに合った仕事が出来るビジネスは何か?
を考えた。

・子供の急な体調変化に伴い、いざとなったら子連れでも出来ること。
・家事も無理しない程度にしたいので、拘束時間を長く取られないこと。
・生活費を稼ぐ為に働くのだから、確実に最低限の収入を得られること。
・大手が手を出さないようなニッチな分野でこれから需要が出て来そうなもの。

これらの条件を満たすようなビジネスモデル探しに、日々没頭していった。

ネット、雑誌、チラシ、人間観察などなど…
仕事の空き時間や、家事をしながら常にネタ探し。
ネタ帳のノートには、思いついた事をどんどん書き出していった。

そんなある日、学生時代の友人の結婚式に招かれた。
場所は東京。

結婚式と言ったら、楽しみなのは久しぶりの友人達に会えることももちろん、
一応私も女子なので(普段の私をご存知の方は、お忘れでしょうが。笑)
どんな格好で行こうかな?
とすごくワクワクした。

だがしかし。

ご祝儀に、東京までの旅費など、かなりの出費になる。
もちろん我が家はご存知の通り、ギリギリの生活。

私の格好にお金をかけている場合ではない。
でも久しぶりに友人達にも会うし、せっかくならちょっと気合入れていきたい。

でも、パーティードレスってのは結構お高いので、全身トータルで揃えると軽く5万〜10万円は飛んでいく。
そんなお金の余裕はない。
そこで探したのが、パーティードレスのレンタルだった。

東京のお店で試着もできるようだったので、現地調達して、現地で返却すれば、荷物も少なくて済むし丁度良い。

東京には沢山のパーティードレスレンタルのお店があった。
でも、まだどこも出来てそんなに年数が経っている感じではなかった。

パーティードレスのレンタルは、ここ数年で出てきたようだった。

ここで私は雷に打たれたような感覚に陥った。
めちゃくちゃ心臓が飛び跳ねて、胃がグイーンとなる感じがした。

そうだ!!!これだ!!!!!!
ついに、理想としていたビジネスモデルに出会った!


先ほど私が挙げていたビジネスモデルの条件と照らし合わせてみる。

・子供の急な体調変化に伴い、いざとなったら子連れでも出来ること。
→そんなに広さは必要ないので、自宅で始めれば子供を見ながら出来る。

・家事も無理しない程度にしたいので、拘束時間を長く取られないこと。
→完全予約制のサロンにして、その時間だけサロンをオープンする。
試着時間は1組1時間ほどでok。

・生活費を稼ぐ為に働くのだから、確実に最低限の収入を得られること。
→ドレスレンタルの客単価は、市場価格から見て8,000円程度。
必要経費を抜いても1ヶ月に30組(1日1組)取れれば20万円ほどの収入になる。

・大手が手を出さないようなニッチな分野でこれから需要が出て来そうなもの。
→大分でパーティードレスレンタルを探したが、花嫁様用のドレスショップのみでゲスト用のドレスショップは1件も見つからなかった。
大分には競合が居ない。都会でお店が増えてきているという事は、これから確実に需要が増える分野である。

まさに、私が探し求めていたものだった。
それに結婚式場のアルバイトやプランナー時代に、数千人というゲストの方を見てきた。

結婚式でのゲストドレスの兆候はそこそこ読める。

ビジネスモデルが決まれば、まずは市場調査だ。
友人の結婚式ついでに、東京のパーティードレスのレンタルを早速予約した。


方向性が決まれば、あとは猪突猛進あるのみ。
派遣の仕事も残すところ、4ヶ月ほどだった。

けれど、人生ってホントうまくいかない事ばっかり。

基本的にポジティブ思考な私でも
神様を恨まずにはいられない出来事が、起きた。



勿体ぶってすんませんね。
疲れましたので、続きはまた次回。

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