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それでもやはり、意識せざるをえない(小野美由紀のマガジン)

作家小野美由紀によるエッセイマガジンです。タイトル通り "それでもやはり、意識せざるをえない” 物事について、月に5-10本程度配信します。日々のエッセイ、恋愛、性愛、家族、また…
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2019年12月の記事一覧

国外に届ける

国外に届ける

映画「わたしは光をにぎっている」の中川龍一郎監督とトークイベントをした。

「わたしは光をにぎっている」は、田舎から出てきて、東京の下町にある銭湯で働くことになった女の子の日常を描いた映画だ。

監督自身が「街の記憶を残したかった」とおっしゃる通り、人よりも、今、そこにある街の景色を切り取ることに情熱を傾けた映画である。

友人の税所あつよしくんが企画したイベントで、ちょうど「メゾン刻の湯」とスト

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自己主張の強いビッチか、弱者同士の連帯かーJOKERとル・ポールのドラァグレース

自己主張の強いビッチか、弱者同士の連帯かーJOKERとル・ポールのドラァグレース

今更ながら「JOKER」を見る。

まともに見たら2日は寝込むだろう、と思い「絶対に!主人公に!感情移入しないぞ!」と身構えながら見たのだが、いざ始まると隣で一緒に見ていた中国トレンドマーケターのこうみくちゃんが「つらいつらいつらい」だの「まじ無理……共感しすぎちゃう……」だの終始ブツブツ言いながらブルブル震えていたため、"自分よりも感情的な人を見ると却って冷静になる"理論により終始平坦な気持ちで

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