[日々鑑賞した映画の感想を書く]『アナザーラウンド』(2020年 トマス・ヴィンターベア監督)(2021/10/4記)

 今年のオスカー国際長編映画賞を獲ったデンマーク映画。主演はマッツ・ミケルセン。人生に煮詰まった中年男4人のドタバタを描く、いわゆるミッドライフ・クライシスもの。ノルウェー人哲学者の唱える「血中アルコール濃度を0.05%に保つと仕事もプライベートもうまくいく」という理論を証明するため自分たちの体を使って実験をするという話で、最終的には「お酒もいいがほどほどにね」というしごく妥当な結論に落ちつく。大作でも衝撃作でも社会派問題作でもないけど人生の一風景を描いた小品としてよくまとまっているしラストもキレイ。マッツ・ミケルセンの渋いナイスミドルぶりもファンにはたまらないでしょう。でもこれがオスカー受賞で、大傑作『アイダよ、何処へ?』がノミネート止まりかあ……という気分にはなった。(2021/10/4記)

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