[日々鑑賞した映画の感想を書く]『ザ・ビートルズ:Get Back』(2021年 ピーター・ジャクスン監督)(2022年1月4日記)

 やっと見終わった。話題のビートルズ映画、概要について説明の要はないでしょう。さすがに3部構成で8時間は長いけど、この長さでしか伝わらないものは確実にある。クライマックスはもちろん「ルーフトップ・コンサート」だけど、直前までやるかどうか迷っていた彼らが屋上に上り、楽器を手に取って音を出した瞬間スイッチが入ってロックンロール・バンドの本能を思いだし、フルスロットルになるところが何より感動的だ。それはそこに至るまでの紆余曲折・試行錯誤の過程を7時間以上かけて丹念に描いているからこそ。

 これを見れば誰だってバンドっていいものだと思うだろうし、かつてバンドをやったことのある人なら、昔の仲間に声をかけたくなるに違いない。そして、ひとりでやることが当たり前だと思っている若い人がバンド表現に興味を持ってくれるといいと思う。

 オリジナルの映画『レット・イット・ビー』は、もう何十年も前に見たので内容はほとんど覚えてないけど、これはビートルズ解散もやむを得ないと思わせるような重苦しい作品だったと記憶している。同じ映像素材を使ってこれほどまでに見終わったあとの印象が違うのは非常に興味深いです。(2022年1月4日記)

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