自粛のお供に林檎デッサン

はじめに
本記事は、こちらのコンテストに参加するためにひねり出されたものです。
主催の秋さんに感謝申し上げます。

一人が好き

さて。
唐突ですが、私は一人でいるのが好きです。
そもそも友達があまりいない、ということもありますが、映画や小説、音楽など一人で楽しめる趣味で満ちたりた毎日を送っていたため、心底一人の時間を愛していました。

しかし、コロナ禍により愛する一人時間の価値が揺らぐことになります。
緊急事態宣言前までも漠然とした不安感や、徐々に状況が悪化していく恐怖感はありましたが、私の場合は仕事がなくなる不安はなかったため（むしろどんな状況でも出勤が求められます。仕事があるのは本当に有難いことです。）状況が好転するまで頑張ろう、という気持ちでいました。

ところが好転どころか事態は悪化の一途を辿ります。後手にまわる対応。自粛要請により、大好きなミニシアターやライブハウスの窮状を呆然と見るだけの毎日。
そして、私自身の生活にも影響が出始めます。

どこにも出掛けられないと本当に一人ぼっち

暇さえあれば映画を観に行き、好きなバンドのライブを数ヶ月前から楽しみに待ち、書店で小説や漫画を物色して喫茶店で珈琲片手に没頭。
これらの幸福を奪われた私は途方に暮れました。
そして自粛生活を送るうちに、
「私は本当に一人ぼっちだ」
という感覚に、寂しさや恐怖を覚えるようになりました。今までそんなこと考えたこともなかったのに。
そして追い討ちをかけるように、普段は土日祝日無関係にシフトを組む職場から、GW中に４連休を言い渡されます。

そうだ、林檎を描こう

4月半ばには、休日の過ごし方に行き詰まっていました。
映画も本も、集中できない。無為に過ごしながら脳内に「一人ぼっち…一人ぼっち…」という自分の声が流れ始める。
１日でもこの有様だというのに、迫りくる４連休。なんとかしなければ。なにか有意義な時間の潰し方を見つけなければ…
と考えていると、不意に
「そうだ、絵を描こう。絵といえば林檎だ。デッサンだ。」
という結論に至りました。理由はわかりません。私が聞きたいです。
ちなみに絵を描くのは高校生以来だと思っていたのですが、よく考えたら高校では美術を選択していなかったので、中学校の授業以来ということになります。

そして描き始めた林檎

まず始めに、今までの私が「林檎を描け」と言われたらどんなものを描くのか。
それがこちらです。

間違いなく林檎。でも私が描きたいのはこういうことではありません。
そしていざ、スーパーで買ってきた林檎を見ながら、デッサンに挑戦です。

初めてのデッサン

初めて実際の林檎を見ながら描いたものがこちら

なんか薄い…林檎に見えない…
でも正直、なにをどうすれば良いのか検討がつかない。
よし、参考資料を探そう。
ということで、you tubeで林檎のデッサン解説動画を見た後に描いたものがこちらです。

おおー！なんか急に林檎！林檎っぽい！
え、１回動画見ただけでここまで描けたらけっこうすごくない？才能ありじゃない？
と、一人でニヤニヤしながら初日は大満足で終了しました。

やっぱりそんなに甘くない

すっかりその気になった私はハイテンションで林檎に向き合い続けました。
以下、その道のりの抜粋です。

４枚目から気づいていましたが、描けば描くほど難しくなるのです。
思い通りにならない。重ねれば重ねるほど遠ざかる…
始めは１枚３０分程で描いていましたが、枚数を重ねるごとに時間も長くなっていきます。最終的には２時間描いても描き足りないという有様に。
描いている時間以外も、林檎を眺めたり持ち上げてみたりと、とにかく林檎から目が離せない毎日。

そして連休は終わった

危惧していたような不安の波に飲まれることなく、連休を無事に乗り切ることができました。林檎のデッサンだけをしていたわけではありませんが、「無心」で集中する時間を作ったことで外出自粛の休日を楽しむことができたと思っています。
連休が終わってから林檎を描く頻度は減っていますが、無心になりたい時にぴったりの趣味を見つけられたことが本当によかったです。

最後の１枚と感想

随分長くなってしまいました。
これまでの投稿とテンションが違いすぎて、これで良いのか不安が残りますが、一応応募させて頂きたいと思います。
それから、この場をお借りして、私のしょーもない林檎デッサンツイートに反応してくださった皆様に感謝を申し上げたいです。（これ、ここで言ったら問題ありなのでしょうか…？）
完全な自己満足の世界にお付き合いいただきありがとうございました。