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想像力では補えない

寒いが過ぎた。
ものすごい勢いで体力を奪っていきやがる。
なんか久々の感覚だった。
温かくしていったつもりなのに。

気付けば食後にいつの間にか寝ていた。
はあ。もう。

目が覚めて遅い時間なのに気付いて。
寝る前にこれを書くかとPCを立ち上げる。
ヘッドフォンを付けて、適当にYoutubeなんかで音楽を流す。
そしたら何かの手違いで、昔のテレビ番組が流れ始めた。
江本孟紀のトーク番組でゲストが淡谷のり子。
なんでやねん!と思いつつ適当に聞き流していたんだけれど。
ちょっと聞き流せない感じになって最後まで聞いてしまった。

戦前、戦中、戦後の話。
ちょっとすさまじいな。
今のテレビのトーク番組やらがどれだけぬるいかわかる。
コンプラっていうのは厳しい規制のようで、実は安全圏に逃げ込むことなのかもしれないとさえ思った。
それに話している内容と淡谷のり子さんのテンションの差異にも愕然とする。話し方は可愛く感じるのに話している内容はすさまじい。
MCのえもやんの質問も今だったらハラスメントになるのかな。
でもまるで嫌味がない。聞く方も話す方も。
ほんの数十年前なのにただの会話にこれほどの違和感を感じるとは。

今の時代でこれを肯定すると怒られるんだろうなぁ。
違和感の正体はその辺なのだろう。
だってね、どれもさ、ふざけんなよ!って言いたくなるようなことだったんだよ。
それをにこにこ笑顔で、ふわふわと話している。
ほんとうは頭がおかしくなるほどの渦中にいたのは誰にでもわかる。
悲壮感たっぷりで話してもおかしくない内容をさらりと話す。
そこでどう戦って、どう歌い続けたら、こんな笑顔になるのだろう。

このトークを台本に書き起こして俳優に渡したら。
誰一人としてこんな感じで話せる俳優はいないだろう。

もう一度寝ないといけないのにさ。
なんか、すごいものを観た。
明日の寒いだろうから、とりあえず目を瞑るしか出来ない。


映画『演者』
企画 監督 脚本 小野寺隆一
音楽 吉田トオル
題字 豊田利晃

「嘘ばかりの世界」だ
  「ほんとう」はどこにある

【次回上映館】
未定

出演
藤井菜魚子 河原幸子 広田あきほ
中野圭 織田稚成 金子透
安藤聖 樋口真衣
大多和麦 西本早輝 小野寺隆一

撮影 橋本篤志 照明 鈴木馨悟
録音 高島良太 絵画 宮大也
スチール 砂田耕希
制作応援 素材提供 佐久間孝
製作・宣伝・配給 うずめき

【あらすじ】
昭和20年春、終戦直前のとある村。嶋田家に嫁いだ3人の女たち。
血の繋がらない義理の三姉妹は男たちが戦時不在の家を守り続けている。

家長であるはずの長男の嫁、智恵は気を病んでいた。
三男の嫁、恵美は義姉を気遣う日々を送っている。
次男の嫁、陽子は智恵がおかしくなったふりをしているのではと疑っていた。

やがて魔物が再び女たちの前に現れる。
世界は反転して、演技は見抜かれる。

◆終映◆
・2023年11月18日(土)~24日(金)
ユーロスペース(東京・渋谷)

◆終映(特別限定先行上映)◆
・2023年4月15日(土)16日(日)※限定2日間
シアターセブン(大阪・十三)
・2023年4月15日(土)18日(火)21日(金)※限定3日間
名古屋シネマテーク(愛知・名古屋今池)
・2023年3月25日(土)~31日(金) ※限定1週間
K'sシネマ (東京・新宿)

投げ銭は全て「演者」映画化計画に使用させていただきます。