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石川さんの『フルライフ』を読んだ感想

前に石川善樹さんが書いた本「問い続ける力」を読んで、考え方がおもしろい人だなと思っていました。

そこで今回は石川さんが書いた「フルライフ」を読んでみた。本書は、充実した人生(フルライフ)を送るには、どんな時間戦略が必要なのかを考察している。

なんとなく、不幸でもないけど、絶頂期ってわけでもないなって思っていたので、読んでみました。

フルライフとは?

冒頭で石川さんは、フルライフとは何か?という話の中で以下のように答えている。

フルライフとは、Well-DoingとWell-Beingの重心を見つけること

Well-Doingとは、仕事やなにかのプロジェクトのように目的をもってその事にあたっている状態のこと。

Well-Beingとは、目的とかはなく、ただただ時間を過ごしている状態。友達との会話とか家族との会話などがそれに当たる。

本書のテーマは、Well-DoingとWell-Beingは、人生の中で5:5みたいにバランスするものではなく、人生のどの時期にいるかによって、3:7とか4:6になって変わっていくものだから、自分のフェーズに合わせたWell-doingとWell-beingの適切な重心を持ちましょうというものである。

Well-Doingは分かりやすいけど、Well-Beingは?

Well-Doingな状態というのは、仕事でなにか目的達成のために、努力している状態なので、イメージしやすい。
しかし、Well-Beingな状態は、普段一日の8時間を目的のある状態で過ごしている自分みたいな人にはイメージしづらい気がした。

そこで本書の後半では、DoingとBeingの軸と一人とみんなの軸で4象限を作り、Beingを説明している。

・Doing×一人は、企画や読書、プレゼン練習や資料作成の時間
・Doing×みんなは、会議やプレゼンの時間
・Being×一人は、風呂やトイレや睡眠
・Being×みんなは、旅行やスポーツ、飲み会

といった感じだ。これを見ると、コロナの影響でリモートワークが普通になった今では、朝起きてから寝るまでDoingばかりで、疲れを感じていが、Beingの時間がなくなってしまっていたからだということに気づいた。

Beingの時間は一見Doingよりも価値が低く、Doingのために削れられてしまうけれど、Beingがあるからこそ、Doingも輝くし、逆もしかりだ。

また、Well-Being(=ただいるだけの時間)は心がなにかに集中しているわけではないマインドレスネス(マインドフルの逆)に近い。集中しない時間があるからこそ、集中する時間がより集中することができている気がするので、Well-Beingの時間は、頭で思っているよりも重要そうだ。

Well-beingとWell-doingの重心はどこにあるのか?

頭では、Well-Beingな時間は大事だとわかっていても、実践できないものである。そこで著者は、1~3ヶ月の短期的には、Doing偏重になっても、半年~などの中長期では、Beingも意識した日常の設計が必要なのだという。

たとえば、本書でも紹介しているが土曜の朝を楽しいランニングや誰かとのモーニング、銭湯などのBeingで埋めることでスイッチを切り替えるとか、平日も早起きをしてBeingの時間を作るなどがよい。

実際に、最近数年は平日も土日も早起きをするようにして、自分と向き合う時間や誰かと雑談する時間に当てているが、その時間があるおかげで毎日の充実感がバク上がりし、仕事の生産性も上がっている気がする。

もう少しBeingをハックをして、毎日の充実感をバク上げしたい。

最高のWell-Beingとは


本書の内容に戻ると、著者は最後に本当のWell-beingとは何かと話しています。

Well-Being=(いい意味での)自分らしさ

つまり、何者かになりたいと自己練磨することではなく、何者になるかということを諦めて、自分を忘れ、世界=自分という感覚に至ること。

Well-Beingとは、自分を忘れること、自分から離れること

そのためには、以下の問いを考え続けることが必要だという。

Q自分がいま大事にしているもの(仕事や家族など)を手放した時、人生は自分になにを望むだろうか?

自分が世界の中心ではないということを前提に、世界の中心ではない自分に人生は何を望むかという問いは、かんたんに答えが出るものではないし、まだ見えていないけど、いつか答えられるようになりたいなと思いました。

また、Well-Beingが自分らしさなのだとしたら、Well-Doingは”自分ではない何者かに自分がなろとしている状態”なのかもなと思いました。

ひたすら自分ではない何者かになろうとするのは疲れるので、時々Well-Beingを挟んでそのままの自分に立ち返ることで、Well-Doing疲れを回復させるのではないかと。



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