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ベルフェイスで#マーケティングトレース

今回のマーケティングトレースは、オンライン商談ツール「ベルフェイス」です。

今年の2月に52億円の資金調達を実施し、事業拡大のために更にアクセルをかけている「ベルフェイス」。52億円の半分の26億円の使い道は、採用(と人件費)にかけるそうです。

そんな人材への投資の姿勢にも触れながらベルフェイスの強みやこれまでの事業成長要因を分析していきます。

※情報はネット上から取得したものであり、分析内容は個人の見解です。
あくまで、自分自身のトレーニングのためにやっているものなので、正確性は保証できませんのでご了承くださいm(_ _)m


会社概要

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*ベルフェイスWEBサイトより

社名:ベルフェイス株式会社/bellFace Inc.
創業:2015年4月27日
資本金:5,059百万円(資本準備金含む)
従業員数:232人
事業内容:
国内No.1の電話を使ったオンライン商談システム「bellFace」の開発・販売
インサイドセールス コンサルティング
ビックデータ解析及びコンサルティング

ビジョン

ビジョン
世界数十ヵ国で新たなビジネスを生み出す
セールスプラットフォームをつくる
ミッション
勘と根性の営業をテクノロジーで解放し
企業に新たなビジネス機会をもたらす

ベルフェイスは、これまでのビジネスフローの中で営業マンがお客さんに対して当たり前のように訪問していたビジネスフローを変えるために、オンライン商談システムというツールを提供することで、企業の売上アップを支援している企業です。

外部環境分析

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コロナウィルスの影響により、外出自粛要請が行われ、企業はリモートワークの環境整備を進める必要がありました。また、自社がリモートワークをしていなくても、顧客がリモートワークを実施しているケースも増えたため、これまで行っていた対面営業をオンラインで行う必要がありました。

そこで、ZOOMを始めとするオンライン商談に使えるツールの導入が進みました。ファストマーケティングが20代~50代の男女240名に行った『営業のオンライン商談に関する実態調査』によると、約8割が新型コロナウィルスをきっかけにオンライン商談を導入しています。

また、国を始めとする地方自治体が企業のリモートワークを推進するために、補助金を用意するなど、日本全体でオンライン商談ツールに追い風が吹いています。

競合の定義

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同じオンライン商談ツール業界という意味での競合は、ZOOMやSkype for Businessなどが競合に当たるでしょう。

しかし、ベルフェイスはミッションに「勘と根性の営業をテクノロジーで解放し企業に新たなビジネス機会をもたらす」と謳っている通り、単純にオフラインの商談をオンラインに変えるといった価値だけではなく、オフライン商談以上の成果を企業にもたらすような価値提供を目指しているのではないかと思いました。

たとえば、自己紹介の際に見せるプロフィールシートという機能では、事前に自分のプロフィールを相手に送ることが出来たり、趣味などの人間ぽい部分も伝えることが出来ます。

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*ベルフェイス機能一覧より

また、商談の動画が録画できるため、営業メンバー同士で動画を2倍速で確認することができ、ナレッジシェアや新人メンバーの育成などにも使うことが出来ます。

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*ベルフェイス機能一覧より

これらの機能を通して、オフラインの営業以上の価値をベルフェイスを介したオンライン営業に提供しているのではないでしょうか。

ターゲティング

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ベルフェイスの利用企業数は2020年6月時点で2000社以上とのことです。(ベルフェイスLPサイトより)。導入事例をみていても、大手~ベンチャー企業。また、IT系から旅行系、人材系、メディア、不動産など幅広い業界に渡って、利用していることが見て取れます。

オンライン商談がコロナの影響で身近になった今では、更にターゲット業界は広がりそうです。


ポジショニング

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図のような軸で業界を切り分けてみました。企業担当者が使う用途かつ、大規模な会議ではなく、あくまで商談などの1to1のコミュニケーションに特化しているように見えます。


マーケティング・ミックス(4P)

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プロダクトの魅力としては、使いやすいUIとオンライン商談ツールとしての大前提である”繋がる”ということではないでしょうか。また、電話しているその場で顧客につなぎ方を説明できる簡単さなどにもあると思いました。

また、売り方に関しては、インサイドセールスというまだ市場に浸透していない概念の啓蒙活動から、リードの獲得までをプロモーション施策によって行っています。

①ヒラメ筋CMによるサービスの印象づけ・ターゲットに刺さるメッセージの追求

ベルフェイスという企業名は知らなくても、以下のCMを見たことがある人は多いのではないでしょうか?見た人の印象に残るようなCMを流すことによって、新規リード獲得や市場へのインサイドセールス(オンライン商談)の啓蒙活動を行い、企業獲得に成功しています。

②コロナ対策応援によるサービス無償開放
 また、最近行っていたキャンペーンでは、新型コロナ対策として、ベルフェイスを期間限定で無償提供するキャンペーンを行っていました。

これからのプロモーションが、ベルフェイスの認知と体験につながり、顧客数を増やしています。

③その他、大型のイベントの企画や出展

その他には、市場にインサイドセールスを啓蒙していくために、600名が参加可能な大型のイベントを企画・実行するなどの取り組みも定期的にしています。

その他

■組織・人への投資

 その他のベルフェイスの特徴としては、組織づくり・人材への徹底的なこだわりです。

例えば、人事評価に「市場」の評価をいれる取り組みをしています。これは、”優秀な人材にベルフェイスで長く働いてもらう為に、人事制度に ”市場評価" を反映させ、業界最高水準の報酬を支払う”という思いから取り入れられています。


一般的な評価制度には、市場評価軸は入らず、あくまで所属企業の給料テーブルで金額が設定されるのが通常でしょう。ベルフェイスでは、外部のキャリアコンサルタントの視点を現状の評価に入れ、どのようにすれば、市場価値が上がるかなどのアドバイスまでをさせています。

プロダクトへの投資だけではなく、組織を構成する人への投資もするからこそ、組織戦略の達成率が高まるのでないでしょうか。

マーケティング仮説

最後に、ベルフェイスの今後のマーケティング仮説を考えてみます。

①新しいターゲット層の獲得
現在、料金プラン的に複数アカウントを購入する必要があります。しかし、オンラインで商談を行うのは、複数アカウントを購入する必要がある企業だけではなくフリーランスの人なども当てはまるのではないでしょうか。

そこで、フリーランスや立ち上げたばかりの1~2人スタートアップ向けのシングル・パックプランを提供する。

まとめ

今回はベルフェイスをマーケティングトレースしてきました。トレースしていく中で感じたのは、

・プロダクト(オンライン商談ツールとして)の価値("つながる"・”契約が取れる”)の研磨に徹底的にコミット=顧客の悩みを解消
・「顧客のどんな課題を解決するのか・プロダクトの価値」を伝えるメッセージやクリエイティブに徹底的に拘る

というマーケティングの基本を徹底的に実行する姿勢が成長につながっているのではないかと思いました。





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