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日常の小さな選択の中で得られる幸せ・読書感想文

幸福の考え方には、2つの考え方があるように思えます。

1つ目は、自分にとっての幸福を追い求めていき、達成することによって幸福を得る 考え方

2つ目は、幸福を求めるのではなく、不幸を避けることにより、幸福を得る 考え方

前者は、自分にとっての幸福の羅針盤や終着点がしっかり定まっていないと、終わりのない旅に出てしまいそうだ。その結果、ランニングマシーンのように終わりのない幸福を求めて、走り続ける人生になってしまいそうです。

一方で、後者は、「何をしないかを選ぶ」ことによって、最高に幸福な状態ではないけど、そこそこに幸福な状態は得られそうだ。しかし、やらないことを選ぶという行為は、何かを始めるよりも難しい。

では、幸福を得るためには何がいいのか?

そんな思いから、前野隆司先生の「幸せのメカニズム 実践・幸福学入門」を手にとってみました。

本書では、著者の前野さんが幸福の心理的要因を因子分析し、4つの因子に分けて幸せの要素を解説している。

*本書の内容に関してはTEDでも紹介されていました!

「幸せはコントロールできる!」といった帯にも反応し、そのメカニズムを知りたいと思い読んでみました。

長続きする幸せの4つの因子とは?

結論から、長期的な幸せを構成する4つの因子とは

①やってみよう因子
 人生の意義や目的に対して挑戦していること。なにか目標をもっていて、その目標に向けて行動している状態。
②ありがとう因子
 他者と接する中で、他者に感謝し、人間関係が充実していること。
③なんとかなる因子
 楽観的な気持ちで、困難が起きても気持ちを切り替えることができること
④ありのまま因子
 本来の自分を認め、人と比較せずに生きていること

の4つである。これらは、どれか一つに固執してもダメで、バランスよく摂取して生きましょう、というのが前野さんの考えだ。

最初に説明した、幸福の2つのアプローチを踏まえると、これらの4つの因子を実現することが幸福を求めるアプローチになる一方で、4つの因子を裏返した裏4因子を避けることで不幸を避けるアプローチができそうです。

4つの因子を裏返すとこんなかんじでしょうか。

【不幸になる4因子】
①現状維持因子
挑戦せずに、いまのままがいい。学習しない。変化は嫌い。私は●●してもできないからやらない。

②孤独因子
自分は、自分のちからで生きている。感謝する相手はいない。自分のためにやる。他人に任せるよりも自分でやる。

③どうにもならない因子
物事に対して悲観的で、悲観して終わって行動しない。

④今の自分は自分じゃない因子
あの人の方がいい。成功していない自分はだめだ。自分が嫌い。失敗しても、自分のせいではない。

上げてみたものの中には、ストレスが溜まっていたり、疲れているとついついやってしまいそうな思考もあります。また思考が癖になってしまっている場合もあります。

自分を不幸にしている考え方に気付くだけでも幸せの4つの因子を目指すきっかけになりそうですね。

幸せの因子は、今この瞬間に、誰でも持てる

昔の幸福の考え方って、いい会社に入って、いい地位につき、いい家庭をもって老後を過ごすという考え方が流布していました。しかし、

前野さんが書いている幸せ4つの因子はどれも、お金や地位などの物理的な物がなくても、自分の心持ち次第で満たせそうなものばかりです。つまり、今からの一瞬一瞬でどういう選択をするかによって、満たせるか満たせないかが変わりそうです。

人の生き方を一番よく表すのは、言葉ではありません。
それは、その人の選択なのです。
わたしたちの選択とは、つまるところ、わたしたちの責任なのです。
(-エレノア・ルーズベルト)

たとえば、①やってみよう因子は、自分が今やっている仕事やプライベートの趣味でいつもどおりにやるのではなく、一歩工夫してみるとか。少し早起きをして、いつもと違う朝を過ごしてみるのも良いかもしれません。

②ありがとう因子を満たすために、出会う人それぞれに感謝の気持ちをもってみるとか(コンビニの店員さんとかタクシーの運転手さんにしてもらったことに対して、小さな感謝をもつとか)。

そういった、日常で実践できる小さい選択を繰り返すことで、幸せの4つの因子は満たせそうです。

お金や地位といった物理的な資産がいらずに、自分の選択次第でどうにでもなるという点では、だれもが幸福な気持ちをもって生きる時代は実現可能かもしれませんね。

6/24(水)朝渋のイベントで著者の前野さん登壇

紹介した本の著者・前野さんが6/24(水)の朝渋イベント登壇します。幸福の4因子がきになった方は覗いてみてはいかがでしょうか。


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