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【風舞】CHAGE&ASKAアルバム全曲インプレッションvol.1

1980年4月25日に発売されたチャゲ&飛鳥のファーストアルバム「風舞」の全曲紹介。

詳細な情報はネットにあるので各自ご参照ください。長年のCHAGE&ASKAファンであり、オーディオマニアである私の主観だけですべてのアルバムについて時系列で書いていきます。

あと、CHAGE&ASKAは本稿執筆時点でサブスクになってません。CD買おう。レコードで聴こう。オーディオ揃えて良い音で楽しもう!!

1.追想
一曲目はインストです。クレジットを確認すると瀬尾一三さんの作曲。
ASKAさんじゃないんだ。2曲目「私の愛した人」にそのままつながっているので、ASKAさんの作曲だと思ってました。
CHAGE&ASKAには特徴的な前奏の曲が多数ありますが、編曲者が前奏をつけている場合もけっこうあると聞いたことがあります。
複雑で奥行きのある楽曲になる要因なのかもしれません。

ファーストアルバムの一曲目がいきなりストリングス。後のCHAGEはASKAのコンサートを思わせる構成です。

2.私の愛した人(作詞・作曲:飛鳥涼 編曲:Maki・瀬尾一三)

歌詞が女性目線、女性の言葉で書かれています。デビューから数年、女性スタンスの歌詞がわりとあります。
聴きどころはサビの入り。CHAGEさんのハモリがガツンと入ってきます。
間奏のエレキギターがこの時代を表すような「泣きのギター」から、唐突にアップテンポで変拍子になり、それがまた泣きのギターに戻って静かに2コーラス。
一筋縄ではいかない楽曲は、1stアルバム序盤から健在である。

3.夢から夢へ(作詞・作曲:飛鳥涼 編曲:瀬尾一三)
スローナンバー。サビの歌詞「田舎町の この空じゃ」。ASKAさんは歌の中で空を様々な描写で取り入れているが、初期の空はおそらく故郷福岡の空だったのだろう。大学在学中のASKAさんにとって「いまの私には 淋しすぎて」だったのではないかと想像しながら聴いてしまう。

4.ひとり咲き(作詞・作曲:飛鳥涼 編曲:瀬尾一三)
CHAGE&ASKAのデビューシングル。ここでの一人称は「あたい」
Aメロはいわゆる「カノン進行」。Gから下がってくる、ギター弾く人には手癖になってるんじゃないかと思う、王道の進行。それなのに、この曲を聴くと「飛鳥涼」の色が全開である。ロックやPOPS色が強くなる中期(1990年前後を勝手にそう定義します)に見られるようなテンションコードを多用したりメロディラインにとりいれたりという曲ではないのに、のちに通じる要素を強く感じる。
聴きどころはサビ中ほどの「二人で心あわせたけれど」の「けれど」部のハモリ。めちゃ気持ちいい。

5.風舞(作詞・作曲:飛鳥涼 編曲:笛吹利明・瀬尾一三Strings)
曲の最初に風のSEが入っている。4曲連続でASKAさんの作曲した楽曲。間奏に小鼓の「ポンポンポン」という音が効果的に使われてて、オリエンタル。後に「万里の河」がヒットした際に世間で言われた「大陸的」な楽曲の世界観が垣間見える気がする。
アウトロの「ランララ~」が切ない感じ。

6.御意見無用
(作詞:阿里そのみ 作曲:チャゲ 編曲:瀬尾一三)
ついに5曲目でやっとCHAGEさんの作曲した楽曲が登場。
「御意見無用」はのちにコンサートツアーのタイトルにもなる。
女性の作詞家さんがCHAGE&ASKAのアルバムで最初に「俺」という言葉を登場させている。
ASKAさんの一人称は「僕」。CHAGEさんは「俺」。当時はどうだったのだろう。
陽気で明るいイントロと、サビ「俺は俺 今日は今日」の二人のハーモニー。若さがあふれてまくってる。あと、「もう二度とは」と「嘆くこと~」の間のギターフレーズが気持ちいい!!

7.夏は過ぎて(作詞:田北憲次 作曲:チャゲ 編曲:瀬尾一三)
CHAGEさんがポプコンでグランプリを受賞した曲。
なのに1コーラスはASKAさんがメインボーカル。田北さんはCHAGEさんの高校の同級生。終章(エピローグ)も作詞されてます。

後に「夏の終わり」というCHAGEさんの名曲がありますが、ストーリーとして関連してるのかな。
聴きどころは、独特な古語っぽい表現の歌詞。

8.冬の夜(作詞・作曲:飛鳥涼 編曲:笛吹利明)
男性視点で書かれて、女性を「お前」と呼んでいる、初期ASKA作詞の世界観が色濃い作品。歌詞表記が次曲の流恋情歌では「おまえ」と「お前」が混在。このあたりのこだわりについても今後解明していきたい。
「ひっそり閑」の部分、絶妙な言語とメロディ。

9・
流恋情歌(作詞・作曲:飛鳥涼 編曲:瀬尾一三)
セカンドシングル曲。1曲目ひとり咲きがオリコン24位でこの曲は56位。
ASKAさんが初めて挫折感を味わった曲だといわれてる。
この曲はサビのCHAGEさんパートが、ほんとにCHAGEさんな感じでとても気持ち良いハーモニー。

10.終章(エピローグ)〜追想の主題(作詞:チャゲ・田北憲次 作曲:チャゲ 編曲:瀬尾一三)
ピアノイントロ。カノン進行。もう、この構成で切ない曲書かれたら心を撃ち抜かれるよね。CHAGEさんメインボーカル曲。ファーストアルバムの最後にもってくるというにくい演出です。
ラスサビがハモリ方変わるのが聴きどころ。
そして、インストにつながる。

レコードではここまで。以下2曲はCD化された際のボーナストラック。

11.あとまわし(作詞・作曲:飛鳥涼 編曲:瀬尾一三)
コンドル感のある前奏。笛のメロディ渋い。
歌詞の世界観が場末のスナック感にあふれている。歌謡曲っぽいアレンジも相まって、THE 70年代な楽曲。

12.冬に置きざり(作詞・作曲:チャゲ 編曲:瀬尾一三)
CD版のみであるが、本アルバム唯一のCHAGEさん作詞。ちょっと悲しそうなタイトルだが、曲調が明るく、サビが「都へとのぼる」なので、旅立ちと巣立ちの歌。ポップなメロディとアレンジ。この曲で終わるCD版「風舞」とエピローグからのインストで終わるレコード盤でアルバムとしての印象がだいぶ変わる。

ちなみに、レコードの帯に「10年後このアルバムは伝説になる」と書いてあって、本当に10年後にガッツリ売れっ子になってる。

さあ、みんなももう一度CHAGE&ASKAのアルバムをじっくり聴こう!!

皆さまの支えがあってのわたくしでございます。ぜひとも積極果敢なサポートをよろしくお願いします。