太平洋戦争とイラク戦争

  ・ブログに2010年11月11日公開した文章を転載

 太平洋戦争に対しては、これをアジアの解放戦争だといって肯定している意見と、侵略戦争だと批判している意見がある。

イラク戦争に対しても、フセインの専制政治から民衆を解放した戦争だと肯定する意見と、侵略戦争だと批判する意見がある。

2つの戦争に対する評価は、4つのタイプがある。

1・太平洋戦争、イラク戦争をともに否定する主張

 戦争の口実・大義名分にかかわらず、先制攻撃した側を批判する考え。

「目的が正しければ先制攻撃も容認される」という考えを否定する考え。

2・太平洋戦争は否定し、イラク戦争は肯定する主張

 2007年頃の「論座」で、読売新聞社の渡邊恒雄がこのような主張をしていた。

渡邊氏の意見で興味深かったのは、太平洋戦争を、(イラク戦争同様)連合国による日本の民衆の解放戦争だととらえていた点である。

 民主主義国家と独裁国家の戦争では、どちらが武力攻撃を仕掛けたのかには関係なく民主主義国家側が正しいという考えで、その主張に賛同するかはともかく、論理的な一貫性だけはある。

太平洋戦争が、日本側から仕掛けた戦争ではなく、連合国側から仕掛けた戦争であったとしても、渡邊氏は連合国側が正しいと思ったのだろうか。

3・太平洋戦争、イラク戦争をともに肯定する主張

 ネット検索をしていて偶然訪問したサイトで、このような主張をみかけた。管理人は右翼的な思想の持ち主らしかったが、日本も正しい、アメリカも正しいという考えで、「親米右翼」的な立場だとこのような考えになるのだろうか?

 大義名分に正当性があれば、他国を武力攻撃してもいいという考えで、太平洋戦争・イラク戦争の大義名分はともに正当性があるという考えらしい。

4・太平洋戦争は肯定し、イラク戦争は否定する主張

 「反米右翼」的な立場の人にこうした主張がみられた。

日本は「アジア開放戦争だ、自衛戦争だ」と勝手な大義名分を掲げて他国を武力攻撃してもいいが、アメリカが同じことをするのは許せないという考えで、かなり自己中心的な意見といえる。

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