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コルビー・ルイスという男

割引あり

1979年、カリフォルニア州で生まれたルイスは
ノース高校からベーカーズフィールド短期大学に
進学するとメキメキと頭角を現し
1999年、MLBドラフト1巡目で
テキサス・レンジャーズから指名を受け入団します。

3年目の2002年にメジャーデビューを
果たすと、翌2003年は先発投手として
開幕から3連勝、シーズン通して10勝9敗の
成績を上げるも、肩の故障により手術を受ける事となりました。

2004年、デトロイト・タイガースへ移籍しますが
ケガの状態は良くならず、翌年も登板機会は
ありませんでしたが
2006年から少しづつ快方に向かうと
3Aトレド・マッドヘンズで24試合に登板し、
8月23日には2年ぶりのメジャー復帰を果たします。

しかし、なかなか思うように結果が出ない
ドラフト1位の有望株は2007年、
ワシントン・ナショナルズや
オークランド・アスレチックスの
マイナーとメジャーを行ったり来たりと
MLBに定着できない生活を送りながら
迎えたシーズンオフ、ついにアスレチックスから
ウエーバーに掛けられました。

ちょうどその頃、ドジャースに移籍したエース黒田に
代わる先発投手を探していた
広島カープは、数年前から調査していた
ルイスの現状を聞き、獲得を希望。

ロイヤルズに協力を依頼して
ルイスを押さえてもらうと
国内球団への移籍禁止条項などを
盛り込んだ提案書を作成し
ロイヤルズの所属となっていたルイスと
契約したのです。

凄い球を投げる助っ人が来ると聞いていた
広島ナインは春季キャンプに現れた
身長193cm、体重104キロに

腕の可動域に影響するからと投手はあまり鍛えない
胸筋バキバキの厚い胸板と丸太のような太い腕、
そしてエネルギッシュな顔立ちの剛腕に
驚きますが、自身は
ロッカールームでコーチと一緒に
シューティングゲームをしたり、
宿泊先の仲間の部屋に
大量の氷水を流し込むなど、いたずら好きの
一面も見せて早くチームに溶け込もうとしました。

広島市内をタクシーで移動中、
運転手がルイスに気づかず隣に乗車していた
通訳に世間話を始めます。

「黒田がアメリカに行ってしまって
今年のカープは心配だね」と。
それを聞いたルイスは
「何を言ってるんだ、私がいるじゃないか
と伝えて欲しい」と言ったそうですが
シーズン開幕した2008年、
まさに有言実行、その言葉通りの力を
見せつけたのです。

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