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創作 出しそびれた手紙

 あなたに直接伝えれば良かったのだけれど、恥ずかしかったのと、140文字では収まらないと思ったので文章にします。
 会ったこともないあなたのことをなんと呼べばいいのか正直悩みました。君、というのもしっくりこないので、あなたにします。
 あなたの手紙を読み、手紙の内容についてずっと考えていました。無駄のない美しい筆致に引き込まれ、感嘆し、時に嫉妬を覚えました。
 この私の心の揺れについて、対価と呼べるほどの内容ではありませんが、遙か遠い星に向けて一方通行のメッセージを送るべく、筆を取りました。


 あなたに伝えたいことは、分かるでも、頑張ってでも、幸せになってほしい、のような空回りの言葉ではありません。まだ若いんだから、とか、きっと良いことあるよ、のような的外れでもありません。
 私はあなたの事を救えません。何かをしてあげることもできません。ただ一つ、肯定することはできます。居てくれてありがとう、あなたは素晴らしいと伝えたいです。
 いつかまたどこかで出逢えるのを、――それが共闘か、対峙かに依らず――楽しみにしています。

https://m.youtube.com/watch?v=aLnPeHD0ilw


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