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人のセリフが分からない

 小説を書くにあたり、とりあえず直面している問題がある。会話文だ。普段、店員と最低限の会話しかしないので、人間の会話がまったくもって分からない。まあ、小説の登場人物も、ストーリーを進める上での不自然な会話ばかりしているので、そんな気にしなくていいか。何事も練習だ。

 私は思いつめていた。小説を書こうにも、日常生活でほとんど人と会話をしないので、セリフがどんなものか全くもって分からなかった。そこで、物語によくありがちな、なぜか主人公に目を掛けてくれるめっちゃ強いキャラクター(昔でいうリヴァイ、最近でいう五条、煉獄など)を登場させ、会話させることにした。すべての登場人物は作者の都合から生まれる。もっというと主人公の複雑な家庭環境、突然起こる事件、理不尽な死、幸せもしくはそうでない結末、すべて作者の都合である。であるからして、将来インタビューで「あなたにとって小説とは?」というような幅広い割に良い答えを求められているクソみたいな質問を聞かれたら「都合です。」と答えよう。小説を書く前に小説家になった気でいる。おめでたい。えっと、何の話だっけ。そう、会話文の練習をしたいのだ。何事も練習である。

 私の好きな作家が(とてもすごい賞を獲っているという設定。代表作は「君と見た星の下で」通称「とたので」)小説講座をオンラインで開催するというので意気揚々と申し込んだ。受講にはZOOMを使う。全然関係ないけれど私はZOOMがとても嫌いだ。参加者のウィンドウがたくさん並んでいる様を見ていると宗教じみていてゲンナリしてしまう。それとWEBカメラの位置が下になっているのか、あおりアングルのまま全然気にしてないやつ、気にしろ。それとそれと1人だけドーナツライト使ってるお前、戦争だ。ええと、何の話だっけ。そうそう、会話文の練習だ。会話文の練習をするための文章。それがこれ。この後、私と作家が小説講座の質問タイムで会話する都合になっている。これも全然関係ないけど質問タイムで質問するとき最初の1人目が「本日は素晴らしいお話を拝聴させていただき今後の創作活動の上でとても参考にうんちゃかかんちゃか――」って話し始めると2人目以降も「本日は素晴らしいお話を拝聴させていただき――」でコンボ繋げてくるのすごく不毛なのでこれからは必ず連鎖を断ち切っていくと今ここに固く、硬く、堅く誓う。こっちは金払ってるんだから素晴らしいかは質問タイムであえて告げる必要がないのだ。感想タイムを設けてある場合に言え。2022年の目標は小説家になることと、質問タイムはおべっか使わずスッと質問に入る。以上、2日遅れの元旦の計である。

 えーと、何の話だっけ。そうそう、そういえば会話の練習をしたかった気がする。でもこれまで1000文字くらい書いてだいぶ飽きてきたので会話の練習は明日にする。これも作者の都合なのだ。

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