お客さまと広く、深く、早く付き合えた証し
岡村 衡一郎
地域一番企業は、お客さまと広く、深く、早くつきあえる。プロ野球の打率、打点、ホームラン本数の三冠王のような存在に等しい。お客さまをセグメントして狭く捉えず、お客さまを価格訴求で引き込まず、専門店にありがちな高単価品だけの品ぞろえもしない。
主観だけにたよって商売の出来不出来を見ていないから、お客さまと広く、深く、早く、関係ができていく。客観的な広さの証しとしてのシェア。
深さのモノサシとしての粗利率。早さの客観的基準としての回転率。自社中心のもののみかたではなく、相対的な基準をもって自分たちの商売の量と質の成果を振り返る。
マーケットシェアはお客さまの支持率、看板シェアの 3%から独占シェアの 70%までの幅がある。支持を得られたか否かを測りながら 10 人中 7 人を目指す。
お客さまの数を増やそうと思えば、価格に訴えるのが手っ取り早い。
安きに流れず商売の質としてみるのが粗利率だ。自社の昨年との比較、業界平均との比較をしながら、自分たちの知恵が商売にどう生きたのかをみている。業界や地域でのトップの企業は平均値を大きく越えてくる。2 倍近い企業もまれではないお客さまもうれしいし自分たちの努力も報われる。
お客さまと広く、深くの最終的な質差を見るが回転率だ。お客さまと広くつきあおうとすれば、それ相応の品ぞろえがいる。だが増やし過ぎたら回転率は悪くなる。粗利率偏重の高単価品を揃えていっても回転は悪くなる。
一人一人異なるお客さまの欲求を最小の品ぞろえで受けられた証として、シェア、粗利率の次に回転率を通信簿のようにモノサシをあてていくのだ。
シェアはある程度とれているが、粗利率の低さを回転率で補っている Aパターン。
粗利率の高さで商売を維持しているが、購入する客層が狭い Bパターン。
商品の数と幅で他店を圧倒し、多くの人客層を受け入れているが、商品の数の多さが回転率の足を引っ張っている Cパターン。
商売の三冠王のDパターン。
自社は次のどの分類に当てはまるだろうか。
パターン A は、ディスカウントによっている。価格に訴えお客さま呼ぶことに注力して、お客さまの使用価値の違い、質差を受け入れる取り組みが不足ぎみ。パターンが B は自称専門店にありがちである。自分たちの嗜好性により、商品の品添えが高グレードによってしまっている。パターン C は資金力に支えられた商売の形だが、お客さまみれば今一つ面白みがない。
目指すはパターン D の三冠王だ。
より広いお客さまとつきあえるようになれた証がシェアにでる。
自分たちが商品に深くなれば、お客さまとの関係は深まり粗利率があがる。
一人ひとりのお客さまの違いを集約して受けられる技能が身につけば回転率の値が変わってくる。
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