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【レベルアップ】竹弓の注文術

弓右衛門、若い頃はカッコいい竹弓が欲しかったのです。見た目が普通と違う、珍しい弓ーーーー憧れでした。

今となってはどうでしょうか?
"The.竹弓 ver.スタンダード"を並べて眺めたい!!
そんな想いに駆られております。

これが歳のせいなのか、カッコいい弓を手に入れて満足したせいなのか、素材のことを知ったせいなのか、結論はでません。

そう、弓右衛門の竹弓の選び方は変わりました。それを紹介していきます。

注文できる内容は弓師によって異なるので、相談のうえで決めてみてください。今回は合成接着剤の竹弓を選ぶ前提にしておきます。

3キロ強い弓を選ぶ

新弓は求めてる強さの1〰2キロを選んだほうがいい、というのが一般的な考え方です。
竹弓は引いてるうちに弓力が落ちていきます。落ち幅は個体差がありますが、だいたい1割と言われています。

3キロだと落ちきらないのでは?と思うかもしれません。
引いていくうちに弓力が落ちていきます。では引く以外のことをしたら?
そう、村取りをするのです。

村取りをすると1キロ程度弱くなるとされています。内竹と側木の影響です。
上下もしなりやすくなりますので、同じ弓力でも引きやすくなります。
よって、狙った弓力よりも3キロ程度強く注文します。

手幅を最優先に

外竹の幅になります。今の自分の弓と一緒にするのか、変えるのか。
内竹の幅は調整できるので気にしなくていいです。
ただし、あまり細身の注文はオススメしません。
竹弓はある程度の幅があったほうが安定します。幅が狭くなるほど弓力も堕ちやすくなります。
村取りやり方と握りの作り方で多少広くてもなんとかなります。
というよりも、合成弓からの移行を考えるならば、多少広い手幅に慣れましょう。

厚みは気にしない

昔は厚みを指定しましたが、今は強さを気にする人が多いので、強さ注文でいいでしょう。
厚み指定して、狙った強さにするのは困難です。(幅も同様です。)
カーボン弓のように手幅を狭くして、厚さも同じくらいで、強さは落ちないように、って無理な話です。
裏反りが高くなって、張れなくなれますよ。その覚悟がありますか?
厚みは握りで調整してください。

長さは余裕を持って

規定以上の矢束なら余裕を持ちましょう。
並寸で88cmも引けば性能以上の矢飛びですが、破損リスクは高くなります。
硬い弦でもカバーできます。
カーボン矢でもカバーできます。
竹矢なら細くするか麦粒でカバーできます。
短いほうが取り回し楽ですし、飛びもいいです。(最後の数センチは引きが硬いです)
少しのメリットと多くのデメリット、どっちを選ぶかはあなた次第です

参考までに合成接着剤の竹弓での値です。(ニベ弓はまた違います。)
許容できても1.0cmまでです。

〰86cm 並寸
〰88cm 1寸伸
〰91cm 2寸伸
〰93cm 3寸伸
〰96cm 4寸伸


側木はハゼ一択

理屈抜きで、、ハゼしか推しません。
弓が軽くなります。
黄色がキレイです。
反発力があります。
メリットしかありません。

カッコいい唐木ですが、弓が重いです。弓返り速度遅いです。弦音悪いです。(射手が下手なのもありますが)
デメリットも多いです。

※外野の言葉気にしない!カッコいい弓が欲しい!っていう人は黒檀とかいいですよ。

芯材の構成

芯材は側木とヒゴでできています。
側木とヒゴを入れ替えて、四方を竹で囲む構成は横においてお、側木がある前提でヒゴの構成も検討します。
ヒゴは竹だけで作る場合と、竹+木で作る場合があります。
例えば、3本の場合は竹-竹-竹 or 竹-木-竹になります。
全てを竹にすると反発力が強く、キンキンに攻めた弓になります。(射手を試すような弓です。)
1本だけ木にすると、安定した弓になります。(射手に寄り添う弓です。)
どちらを選ぶかは射手次第になります。

関板と弦の間隔

一般的よりは広めに指定です。
胴が抜けてきたときに15cmを保とうとして、狭くしますよね?そのときに弦が関板に触れるようではダメです。壊れます。
あとは弦子を求めるならば、離れでも弦は触れてはいけません。
胴が抜けてきて、弦が触れるようになったら関板を削って低くすればいいんです。

関板の材質

この記事を確認ください。


成りのバランス

下が強い弓が好きな人がおりますね。
弓右衛門も好きです。
しかし、将来的な破損リスクをとるならば、攻めた形にしないほうがいいですよ。
下が強かった場合は弱くすることができます。下を弱くすると、弦と関板がつくようになります。
せっかく広くした間隔、意味が無くなります。
逆を言うと、広くしておけば、下が強くても挽回がききます。
あとは射技に関しては、下が強いと弓が倒れます。倒れた弓に対して直角に手の内を作ると上成に負担がかかって、さらに下が強くなります。壊れます。
上押しが強い人は無難な成りいいのです。

下が強いから上押しをかけないと矢が上に行く?
そうですか、番える位置を工夫して矢を重くしてください。

胴の具合

もう好みの領域です。
強くしたいのか、ぎりぎりまで攻めたいのか。
弓右衛門はギリギリ抜けそうな境目を狙いたいです。
いきなり攻めると引いてくうちに船底になるので、最初はちょっとだけ胴は入った状態がいいですね。

村取りの方法

荒村をとった後に最終的に射手村まですることを目標にすることを前提にします。
村取りをすることで弓力は落ちますから、落ち幅を見越して注文することをオススメしています。
加えて、村取りの方法も検討しておきましょう。
ひと言で”村取り”といっても、いろいろあります。弓右衛門も知ってる数は少ないですが、いくつか例をあげます。
現代の四角形のような形(内竹が少し狭い程度)、古い弓にあるような内竹がかなり狭い形、側木をまっすぐにした形、側木を丸くした形、、etc
弓師と要相談ですが、やり方によって握り易さが変わってきます。


どうでしたか?
まさか!?そんなところに!?っていう観点があったかと思います。
自分が欲しい弓を追い求めてください。






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本マガジンは入門に加えて、さらなる竹弓の世界に没入したい人に向けて編纂しました。 ■扱い方、矯正方法 ■知識のアップデート ■明日役に立た…

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