あんスタMusicをやる①
「あんさんぶるスターズ!」がリズムゲームになるという話は風のうわさで自分の耳に届いていた。しかし自分はふだんリズムゲームをやらないので、背を向けて去ろうとした。だが、YOUTUBE関連動画に現れたMVがそれをゆるしはしなかった……これだ。圧倒的なグラフィック。自分は胸騒ぎを覚えて、制作会社を調べるために情報屋を放った。情報屋がグーグルで調べた限りでは、あんスタMusicの制作にはフライトユニットが関わっているということだった。フライトユニット……。
フライトユニットはあのオトカドールのCGを担当したところだ。自分はオトカドールが好きだ。圧倒的に美しいからだ。フライトユニット……自分はオトカドールのMVとあんさんぶるスターズ!! のMVを交互にザッピング視聴し、これはすごいものができる……と思った。背筋に電撃めいたものが走った。そして月日が経ち、たしか3月15日にあんさんぶるスターズ!! MusicとBasicが配信開始した。土壇場で延期されてやきもきしたが、なんとかなった。
実際に見たMVはどうだったか? 当然のようにすごかった。めちゃめちゃに動くし、衣装もすごい。顔もいい。一応リズムゲームがメインシステムなので上からノーツがどんどん降ってくるが、自分は背景で動くMVのほうを見ていたのでリズムゲームはボロボロになった。そのぐらいすごかったということだ。
自分はいちばん印象深いMVのユニット、「ALKALOID」がお気に入りだ。ALKALOIDはこの超大型アッポデートと同時に実装された新ユニットであり、あんさんぶるスターズ!! のメインストーリーの主人公的立ち位置なのもわかった。このALKALOIDに焦点を当ててストーリーが進んでいくので、こいつらを見ていれば大体の事のあらましもわかるのでは? という考えもあった。だが、自分の見立ては甘かった。
あんさんぶるスターズ!! Musicはアイドル実験都市みたいな壮大な場所が舞台であり、プレイヤーはそこで全てのアイドルユニットを自由にプロデュースできる超特権的存在だということが知らされた。そして、登場するすごいアイドルたちが口々にプレイヤーの名前を出す。学園時代、プレイヤーが為した大業などが伝えられてくる……しかし、とうぜん自分にはリメイクされる前であるあんさんぶるスターズ! の記憶がないので、色々な過去の話が出てきてもよくわからなくて狼狽えるばかりだ。
あんさんぶるスターズ!! はこの春で5年目を迎えるコンテンツであり、時の重みと言うべき窓帷が自分の前に広がっている。これは例えるならばv5.0.0から参入したロードラプレイヤーみたいな気持ちではなかろうか。そうした気づきがあった。そして、次第にキャラの背景とか過去が気になりだした。自分の本能が訴えかけてきていた。記憶喪失のままで、いいのか? いいわけがない。自分は唸り、過去を取り戻すためにDIVEを決意した。
もうひとつのアプリであるあんさんぶるスターズ!! BasicはMusicとは違い、従来のあんスタのシステムを引き継いだ内容だ。そして、こちらでは過去のストーリーが読める。メインストーリーだけでも第三部まであり、自分はキアイを入れるためにエナジードリンクを飲んでから望んだ。そしてだいたい二日くらいで読み終え、次は要所要所のポイントを抑えるために調べ物をはじめた。
Basicでは過去イベントを読むのにダイヤが必要ということだった。しかし、ストーリーを読むごとにダイヤが回収できるのでBasic側でガチャを引いたりしない限りは過去イベントの開放に使いたい放題というすんぽうだ。4gamerの記事を参考にし、重要そうな過去イベントを読み漁った。全ての過去イベントを読むのはよほど時間がなければ難しいが、一部ならばなんとかなる。自分の心は殺伐たるロードラの地平へと戻り、やる気でiPadが一際つよく輝いた。
あんさんぶるスターズ! のストーリーをざっくりと読み終えて自分が感じたのは「これは少年漫画である」ということだ。アイドル学園ものなのになぜか「戦争」「虐殺」「捕虜」「奸計」「政治」などの言葉が当たり前のように出てきて、区切りごとに倒すべきボスが登場する。自分はあまり女性向けコンテンツに明るくないので言い切れはしないが、あまりない切り口ではないだろうか。友情・努力・勝利があるのは前提として、しっかりと各キャラクターの欠点、後ろ暗い過去などに踏み込んで描写している。また、メインキャラクターである若い世代の内で完結しがちな題材であるにも関わらず、ちゃんと縦軸の話(アイドルの神話)を絡めており、シナリオに奥行きを感じられた。かなり読み応えがあり、熱かった。シナリオに期待していなかったわけではないが、これは望外の楽しさだった。
それを踏まえて見るとあんさんぶるスターズ!! Musicのメインストーリーはアンチ少年漫画的な描き方をされており、明らかに過去のストーリーとの対比を新たな舞台でやろうとしているように見える。焼き直しではなく、ちゃんと過去があって活きる完成度の高いストーリーだということがわかった。これはBasicで過去のストーリー・イベントを履修していなければわからなかっただろう事柄だ。Musicのメインストーリーは更新されているところまで読み終えたが、都度追加されていくようなのでこれからに期待している。ちなみに最新章のタイトルは「大戦争」編だ。これで本当に「大戦争」をやるから面白い。
リズムゲーム部分についてはようやく多少慣れてきたところだ。最初は自分の指がどこにあるか、どこを押しているのかサッパリわかっていなかった。難点と言えるのは左右フリックの色が橙・赤であり、両方似た色で困惑するところだ。
ゲームシステムとしては可もなく不可もなし、といったところだろう。育成はやや渋く、アイテムのドロッポもかなり偏っていると思った。
また、イベントはかなり厳しめといった印象だ。自分は自然回復(+期限制アイテム)でイベント期間中をプレイしたが、イベントpt報酬でもらえる最高レアリティである☆5を一枚取れるラインの3分の1程度に達したところでイベントは終了してしまった。つまり、☆5が欲しければダイヤを消費して能動的にスタミナを回復してプレイすることが必要となる。自分は旧作のあんさんぶるスターズ! のイベントなどのバランスを知らないからこれはあくまで自分から見た感想でしかなく、間違っているかもしれないが。
何よりもやはり想定以上のCGクオリティが目を惹く。リリース時から一ヶ月が経過したがコンスタントに曲が追加されており、今後にも期待できそうだ。とにかくMVを見るのが楽しいため、☆2の衣装を集めてMVを見るだけでもかなり満足できる。
ちなみに自分は礼瀬マヨイがいちばんのお気に入りだ。次のイベントに出てくるようなので今から戦々恐々としている。では、以上。
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