見出し画像

LIMBUS COMPANYで今すぐバスに乗りこめ(あごぶろぐ)

PROJECT MOONの最新作であるLIMBUS COMPANYが配信開始となったことは完全に寝耳に水であった。そもそも自分はLIMBUS COMPANYについてどういうプロジェクトなのか小耳に挟んだくらいでありちゃんとは確認しておらず、酒場の暗がりで名前だけ聞いても「またサディスト集団がなんかやってるな」くらいの気持ちだったからそれが基本play無料のゲームでLibrary Of Ruinaの続編に位置しており主人公の顔が時計で、ナビゲーターが明るい美少女じゃなくてツダケンみたいな声のセクシーで暗いオッサンでプレイアブルキャラクターはバス移動……みたいな概要をアンテナがまったくキャッチしていなかった。このゲームが配信された当時はホグワーツ地域の至る所にレベリオを掛けて回るのに忙しくていつの間にか我々の頭上に巨大な都市の影が迫り来ていることに気づいていなかったのだ。

最初に断っておくが自分はPROJECT MOON作品についてそこまで詳しくない。処女作である『Lobotomy Corporation』は同じ酒場の仲間がやっているのをDISUKO-DOで音だけ聴いていたところ、いきなりデカいピガー音が鳴りだして椅子から転げ落ちるくらいビビって以来トラウマなって触ったことはないし、前回きじを書いた『Library Of Ruina』は定期的なコンテンツ追加に合わせて一時は順調にプレイを進めたものの愛の町にボコられたりメガネのやつがいきなり武器人間になって羽ばたいたり掃除屋と一時間死闘を繰り広げたあげくに全滅して啼いたり、そういう苦しみの中で芋虫のようにみじめに丸まって路地裏の側溝に落ちて消えていったからだ。だから前作まで何一つクリアをしていないしおぼろげな記憶しか頭に残っていない。だが重要なのは過去ではなく現在であり、自分は今この胸の内で燃え盛っているLIMBUS COMPANYの話を容赦なくしにやってきたという決断的な歩みだ。

・LIMBUS COMPANYはパット見より入りやすい

LIMBUS COMPANYは『Lobotomy Corporation』『Library Of Ruina』に続くシリーズ三作目であり過去作と同じ世界観を有しているがこの二作をやってないからと言ってもう帰宅するというのは完全に間違いで、この記事ではそういう間違い一つ一つに対してシャンと答えていくことを課題としているということをまず宣言しておく。そういう本気度を感じられないとPROJECT MOONから匂いたつカルト感をきらって、軒先までは来たもののもうヨースターとかに帰る……みたいなことが世界各国で多発し、コミュニティに新たな血が入らなくて悲しいことになるだろう。そこで前作の二作をろくにクリアもしていない自分が店の前でまず真っ先に旗を振り、こっちだよ! ってやらないといけないと思ったから筆を執った次第だ。断言するがLIMBUS COMPANYは中に入ってみると意外と居心地が良くて、うまい酒と飯が安い値段で出てくるタイプの店だった。

LIMBUS COMPANYの舞台となるのは「都市」だ。この場所は「翼」と呼ばれる26つの巨大暗黒メガコーポによって支配されたディストピア世界となっている。この地の治安はとうに終わりきっており夜は化け物がうろつき、突発的な怪奇現象ですぐに人が死ぬろくでもない場所だ。この都市に適応するために人々はじゃまな倫理観を捨て去っており、ちょっと歩けばすぐにサイコ野郎に遭遇する。しかし実のところ過去作の二作品ではこの「都市」をプレイヤー側が練り歩くわけではなく、底知れない邪悪が漏れ出てくるのを箱に閉じ込められて目をかっぴろげさせられたうえで見せられるような状況だった。今回のLIMBUS COMPANYでは一転して主人公たちがバスに乗ってこの「都市」をうろつくというロードムービーとなっていて、コメディチックに彩られた探索行は血なまぐさくも開放的だ。

これまでの二作品とはまったく違う視点から「都市」を眺めることになるこの打って変わったアプローチは基本無料で取っつきやすい形態だからこその試みだろう。これは完全にステルスしていた隠れ家的バーがいきなりホットペーパーグルメに乗りだしたような驚きがあり、むしろこういう明るさがPICKUPされてなかったら自分はまだクリアし終わったSEKIローで弦一郎と毎日稽古をしたり疲れたら一緒にサイゼリアに行ってアロスティチーニを食べながらダべったりする日常から抜け出してまでバスに乗ろうとは考えなかったはずだ。ついにPROJECT MOONが全方位にマーケティングしだしたということに改めて我々は向き合い、警戒する必要がある。

■あらすじ■

物語は主人公である時計頭・ダンテが暗い森で複数人に囲まれてイジメられているところから始まる。コイツは元は一角の人物だったようだが何らかの理由で自らの頭を時計に置き換え、今は記憶を失い戦えない体となってしまった。そんな状態で敵に囲まれているがゆえに今すぐにでも頭を砕かれて死にそうなダンテだったが、バスがド派手にエントリーしてきたことで九死に一生を得る。そこから降りてきたファウストという女(まつ毛が長い)は狼狽しているダンテにあやしい契約を結ばせるのだ。ダンテは契約の成立によってバスに乗っていた12人の囚人を不死身の軍団にする能力を得ることができ、ようやく敵の奴らとの戦いの土俵に上がることができた。その後は12人の囚人は不死身なだけで思ったよりパッとしなかったのでしばらく泥沼の戦いをやっていたが、ナビゲーターでありセクシーな中年・ヴェルギリウスが介入したことでどうにか難を逃れる。そこから12人の囚人とその主であり回復アイテム扱いのダンテの旅が始まるわけだ。

12人の囚人はどいつもこいつも一筋縄ではいかないやつらで緊張感や協調性、倫理観といったものが少しずつ欠けており放っておくと平気で殺し合いとかを始めるからダンテが手綱を握っておかなければならないわけだ。つまりこいつら囚人を雇用しよう! と言い出した上のやつらも漏れなく頭のネジが何本かなくなっているに違いない。とはいえ囚人には不死身のタイム・オーバー・デス軍団以外の使い道があり、上層部のやつらはダンテと囚人を使って各地のL社……前前作である「ロボトミーコーポレーション」の跡地に眠っているなんかすごいマクガフィンを集めさせようとしている。これが集まったらどうなるのか? サノスが指パッチンして人口が半分になる以上にとんでもないことがあるのではないかと自分は今からPROJECT MOONの底知れない嗜虐性をいくばくか想像して震え出している。何がどうなる? とにかくすごいことが起こるのは確かだ。その先兵として囚人たちはバスに詰め込まれ、ろくでもないやつらとドンパチすることになるのだから。

都市はすごいディストピアで設定だけ見ると趣味の悪いものを見せつけられるような胃のムカつきがありそうだが、割りと明るく賑やかに進行し、章ごとに一人ずつの囚人にスポットライトを当てていくので王道の少年漫画の仲間集めパートのような爽やかさがあって良い塩梅に落ち着いている。PROJECT MOONにしかやれないことをやりつつ、ちゃんと門戸が開かれている絶妙なバランス感覚だ。これがもっと左や右にブレていたら単に趣味の悪いタイプのエンタメになり、居心地が悪くなってファンじゃないやつは入れなかっただろう。都市の巨大な影の中でちゃんと人間の善性が輝くことに自分は安堵したし、そういう心の動きを丁寧にやっていくという強い意志を感じる。

ここからは主要の登場人物を紹介していく。覚えても覚えなくてもゲームはインストールできるので気にならないやつはさっさと先に進んでいい。

・主要登場人物は15人くらいでコンパクトなのがいい

■乗務員■

ダンテ→ゲームを起動してタイトル画面になったとき、画面の向こうからこっちを見ている時計のやつが主人公であり我々でもあるダンテだ。慇懃無礼な口調で喋る精神攻撃タイプの敵幹部じみた面妖な出で立ちだが実際は記憶喪失の不憫なやつであり、「都市」で生活した記憶もないからか倫理観は比較的我々寄りと言っていいだろう。こいつは元はけっこうな大物だったようだが今は時計男としてバスに乗車し、囚人たちの管理人をやっている。

ストーリーの描写を見る限りだとこいつはソシャゲ主人公とくゆうの後方で指をシュッシュとやりながら指揮するたぐいの有能軍師タイプではなく便利な回復アイテムとして囚人を支えており、囚人たちはいつも泥臭く戦って死んだり化け物に食われたり融けたりし、最終的にはダンテによって蘇らせられている。回復以外のダンテの仕事は引率だが囚人が12人もいるので現状ちゃんと果たせているとは言い難く、素朴なメンタルケア技術だけが少しずつ上昇していっている。要するに苦労人だ。

ヴェルギリウス→本作のナビゲーターであり、BURU-A-KAIBUならアロナのポジションだ。ヴェルギリウスは「特色」と呼ばれる都市の中でも指折りのエージェントで、今はバスガイドをやっている。囚人を管理しているダンテにはいちおう敬語で喋ってくるが完全に見下している態度を隠そうともせず、常にバスの中から囚人たちの戦いに高みの見物を決め込んでいる。この事からヴェルギリウスが戦ったほうが話が早いと囚人たちにも突っ込まれるが、ヴェルギリウスが戦うのでは楽勝すぎて意味がない……そういって返している。聞く限りだと理不尽だが要するに集会所下位でドス・ランポスと戦っているハンターのところにG級装備のやつが一人混じっているようなものであり、こいつ頼みでキークエを進めていてもG級になっても実戦経験が薄くて役に立たないハンターが量産されるだけだからダメ……みたいなことをヴェルギリウスは言いたいのだ。

日本語翻訳Verが出るなら間違いなくツダケンが演じるしかないであろう気だるげなセクシーボイスで喋るからナビゲーターキャラクターとしての役割はきちんとこなしている。そういえばここでいちおう言っておくがこのゲームは現状韓国語フルボイスであり日本語翻訳はされていても日本語ボイスには対応していない。日本語ボイスじゃないと天に見放されたみたいな感じの気持ちになってメソメソしだすやつもいるかもしれないが翻訳はちゃんとしているから韓国語がわからなくてもキャラクターが何を言いたいか、そういうニュアンスはちゃんとわかるから何も心配しなくていい。

カロン→バスの運転手をやっている謎の多い少女だ。カロンとヴェルギリウスは最初から顔なじみでありヴェルギリウスがこいつを見る目は切ない。実はその辺りに関してはLIMBUS COMPANYの前日譚にあたる『リヴァイアサン』という公式漫画(小説)が存在するがまずはこのゲームをインスートルするのが最優先で、セクシーで怒るとすぐに目が赤く発光するヴェルギリウスがなぜコイツにだけ目を掛けているのか……? その過去が気になるほどに物語にドップリと浸かり体が慣れてきて気が向いたら読んでみるくらいでいい。こういう作品を出してる海外のサ^^クルの他媒体は敷居がチョー高いが、こういうのを全部ちゃんと摂取しなきゃ一人前になれないから最初からやんない! みたいな諦めは一番ダメで歩き始めたばかりの冒険者を一瞬で荒野の敗北者にする。LIMBUS COMPANYを遊ぶうえで前日譚を読んでないことはプレイ感を損ねたりマウンティングの対象になることは断じてない。そういうのは大事なのでちゃんと言っておく。

カロンが運転しているバスは「メフィストフェレス」という名前であり名前からもだいたいわかるように囚人の一人であるファウスト(まつ毛)が作ったバスだ。こいつの燃料は人間からしか摂れない成分なのでメフィストフェレスを運行するために囚人たちは定期的に手ごろなチンピラとかをボコって食べさせている。

■囚人のやつら■

12人いて顔がずらっと並んでいると「おぼえられるかな?」と心配になるかもしれないが初代ポケモンは151匹いたしロード・トゥ・ドラゴンなら最終的なユニット総数は1700体を超えていた。そういう古なりしゲームを参考にせず最近のゲームと比べたとしてもプレイアブル数としてはめちゃめちゃ少ないので一人一人の掘り下げも丁寧なもので、始めてすぐに好きな囚人が見つかることだろう。ゲームの細かいシステム麺に関しては後述するがプレイアブル数がこれだけに限られていると基本無料のアプリでよくある、「俺は……コイツが好きだけどコイツをつかっても勝てない……俺はコイツの顔が見たくて始めたはずなのに……」みたいな現象が少なくなり、必然的に均等に顔が見られるようになって楽しいからイイとおもう。

左上から右に流すようにザッ紹介していく。ちなみにゲームを始めると割りとすぐのほうでちゃんと自己紹介パートがあるから安心しろ。

イサン→隈のある青年だ。詩をそらんじるような変わった口調で喋っているためわかりにくいが囚人の中では割りとしっかりしていて、よくよく台詞を見ると会話にちゃんと混ざってまともなこととかたまにしょうもないギャグとかを言っている。コイツの二次創作をしようと思ったやつは国語の勉強をしなくてはならなくなったり、口調がちゃんとエミュれているか天井を見つめながら毎夜気にしないといけないから大変だと自分は思った。FIGHT。

ファウスト→まつ毛の女だ。こいつはしれっと囚人として参加しているがみんなで乗っているバス「メフィストフェレス」の設計者であり元々企業としてのリンバス・カンパニーに所属していたから深い事情があるものとおもわれる。ファウストという名前がついたキャラにはこれまでいいようにやられた印象しかないから最初から警戒してあたってはいるが、コイツのけっこう自信家だったりダンテをかばってくれたりという絶妙な人間的魅力がジワジワ利いてきてそろそろ心を許しそうだ。あと気づきにくいが澄ました顔ですごく頭の悪そうなデカい剣を持っている。

ドンキホーテ→でかい声でしゃべっている小さい女だ。正義感が強く歪んだことが許せないためすぐに都市では横行してるいちいちに文句をつけて騒動を起こすのでバスの面々を悩ませる。しかしこいつ以外にも問題児がたくさんいるのであまり問題ない。

良秀→いつも煙草をくわえている。万物の短縮は至高の芸術なりという主義を持っていて言葉を省略してうれしそうにしていたり敵の体を短縮してうれしそうにしたりしている。こいつが変な言葉で喋っていてもべつに翻訳ミスじゃないから安心しろ。

ムルソー→悲しい瞳を持つマッチョで、あまりにも喋らないのでストーリー途中こいつがいたことを忘れそうになる。早めにちゃんとした掘り下げがきてムルソーの存在をアッピールする機会に恵まれないとたいへんなことになると思うがロードマップを見る限りではムルソーの口数が増えるというアップデートは明記されていないから自分は心配している。

ホンル→ボリス・ジンネマンのような細面のやさ男でありどこかのお坊ちゃんらしい。庶民と感覚が違うことから自然と金持ちマウンティングみたいな場面を作りやすい全身爆竹のような危険な男だがそれ以外はまともなコミュニケーションが取れる囚人の一人だ。

ヒースクリフ→粗暴な男であることがバットを持った立ち絵一枚でよくわかるテンプレートのようなチンピラ顔をしている。見た目と言動通りのシンプルな攻撃性をしているが他の囚人ほど頭のネジが飛んでいないためツッコミ役に回ることが多く愛されキャラクターになる素質を持っている。おそらく章が進むほどに常識人枠になり、最終的には倒れたダンテを抱きしめて雨空に向かって慟哭とかしてそうな顔をしている。

イシュメール→こういう見た目で学級委員長っぽい言動をするのでハーマイオニーみたいなやつかと思っていたが根っこの部分がシニカルなのであんまりハーマオイニーではない。まともな脳みそのせいでダンテといっしょに苦労していきそうな感が否めないが、スポットライトが当たりだした途端にいきなりはっちゃけてこちらをビビらせてくる可能性もある。

ロージャ→気さくででかい女だ。俗っぽくはあるが要するにそうぶっ飛んでない感性をしており、バランスが取れているので見ていると癒される。グレゴールと漫才しているときが多い。いい奴だ。

シンクレア→スチル次第ではドンキホーテと双子の姉妹みたいになりあまり見分けがつかないがこいつは少年だ。ZENITSUみたいな髪型をしているのでこいつも木の上で雷に当たったから金髪になったり、寝てるときは居合がうまい等の秘密があるかもしれない。たぶん大器晩成型でそれまではうらなり坊やだから成長に期待だ。

ウーティス→厳格な元軍人であり囚人の運用についてはかなりシビアだ。しかし第一印象だけのキャラではなく、なぜか管理人であるダンテに対してはしょうもない太鼓持ちになってギャグでやってるのかというくらいに下手くそなヨイショをしてみたりと面白い態度で当たってくるのでゆかいなやつだ。

グレゴール→昔の会社で片腕を虫に改造された悲しい中年だが無精ひげが目立つだけで実はそんなに中年じゃない可能性もある。プレイしだすとグレゴールのまともさと優れたコミュニケーション能力に救われる場面が多く、すぐにこの悲しい瞳の男が好きになるだろう。ロージャと並んで会話してることが多いがロージャがデカすぎるせいなのかやけに小さく見える。

・都市は完全にヤバい

ここまでの話の流れを聞いて「まあ絵もかわいいしリセマラでもするか」と気軽にインストールしたやつはダンテがこっち見ているトップページに進んだ後、ゲストアカウントを作り、よしやるぞというところで赤黒いTIPS画面を見せられて衝撃に打ち据えられ、画面に強烈に焼き付いた「都市」「翼」「裏路地」「フィクサー」などと書かれている画面にサン値チェックをかけられ、ダイスを振り、ファンブルで失敗し発狂するだろう。衝撃で椅子ごとひっくり返り持っていたIPADは衝撃ではじけ飛んで窓の外の夜の闇に消えてゆき、ドアは蹴破って変な仮面のやつらがどんどん部屋に入ってくる。言わば都市というのはそういう場所であり、これから向かう上で最低限の知識を頭に入れておいて損はない。ここではゲーム内のTIPS画面・公式サイトのWORLDの赤黒い都市図が恐ろしすぎて直視できないやつのために掻い摘んで世界観の説明をしておく。

「都市」→この世界のほとんどの人間が住んでいるのがこの都市で、翼と呼ばれる26の暗黒巨大メガコーポに支配される、いわゆるディストピアだ。基本的には誰もが支配する側に回ろうと闘争を繰り返し、倫理観を捨てていくような仕組みになっている。

「翼」→26つの暗黒巨大メガコーポだ。それぞれが一つずつ固有に特許を取った超技術を持っていて、この企業たちの暗黒パワーで都市は稼働している。しかしたまに翼が倒産するときもあり、その企業周りはめちゃくちゃなことになる。26つもあるから覚えられるか不安になると思うが、覚えるのはL社だけでじゅうぶんだ。

「L社」→いわゆるLobotomy社のことだ。前前作Lobotomy Corporationの舞台であり、ここが物理的に倒産したことが前作と今作に繋がってくる。この
Lobotomy社の跡地にある「黄金の枝」というマクガフィンを手に入れるためにリンバス一行は都市を走り回る。しかしL社跡地にはかつて管理していた化け物がうろつき、他の企業のやつらも枝を狙って参戦してくる。そういうスマッシュブラザーズ的な乱闘がいつでも勃発する争いの目というわけだ。

「巣」→26の翼がそれぞれ固有の巣と呼ばれる区画を持っている。住めるのは翼に関係する一部の人間やその家族だけであり、つまり中流階級以上じゃないと住むことは許されない。ここには我々のよく知る学校などの機関もある。都市の中では比較的安全とされているが突発的に発生したサイコ野郎や不可解な現象に対するカバーはできず、安全も怪しいものとなってきていたというのが現状だ。

裏路地」→都市の中でも巣に入れない者たちが行きつく、文字通り剣呑な場所だ。成りあがりたい者や殺人鬼がひしめきあいどうしようもない。裏路地には裏路地のルールがあり、ここをシメている強大な犯罪組織も存在するがこれ以上用語を詰め込むとわけがわからなくなるのでここでは話さない。

「フィクサー」→都市の厄介ごとを解決するなんでも屋だ。ピンキリであり9級から1級までいる。9級のやつは猫ちゃん探しみたいな仕事をしているが上のほうになると翼関連の重要な仕事をやっていたりもする。ナビゲーターのヴェルギリウスはこのフィクサーの1級で、「特色」と呼ばれるすごいフィクサーなので怒ると目が光りカッコいい。

この他にも色々な用語があり都市の闇の底は見えない。用語を頭に詰め込むごとにヴォルテージが増していき楽しくなるやつはもっと調べてみるといいし、逆にあんまり用語とかを見ていると意識が遠のくやつはさっさとゲーム本編を進めろ。なおこの「都市」について詳しく知りたかったり、LIMBUS COMPANYのプレイ・フィールをさらに高めたいやつには前作にあたる「Library Of Ruina」を勧める。LIMBUS COMPANYとLibrary Of Ruinaはシステム的な共通点が多くて相互になじみが良く、かくいう自分もそういうつながりでバスに乗ったからだ。とはいえこれはうどんに七味をかけるか柚子胡椒をかけるか、それとも何にもかけないで食うかみたいな好みの話であり、「これとあれを履修してなきゃ落第」みたいなのはない。もし誰かがそういうことを言い出しても信用するな。LIMBUS COMPANYに限らず、楽しんで乗っているコースターに勝手に乗り込んできて「これはだめ」「あれはだめ」と操縦桿を握ろうとするやつはそもそもエンタメに不必要なので拳で振り落とせ。

・基本プレイ無料のゲームをナメているならなおさら見てくべき

ここまで書いてようやくゲーム本編に話に差し掛かるが、まず真っ先に基本プレイ無料=あほの遊びみたいな時代錯誤の思い込みを捨てろ。もちろん巷ではスクエにのゲームがどんどん死んだり著名ディレクターの携わった作品だって太鼓判をおして出てきたやつが一ヶ月くらいで死んだり、なんかYoutubeで広告が流れてくるやつが広告をタップする頃には死んでいたり、とにかく基本プレイ無料には死屍累々の印象がある。そしてちゃんと生き残っているやつでもガチャが当たらないと辛かったり、忙しい社会生活の合間を縫ってデイリーとかをコツコツやって「おれ・・・なにしてるかな・・・」みたいな風に惰性と正気の間で揺れたりもする。スマホゲーは解凍ロワイヤルとかが出てきた時からずっと印象が悪く、ゲームユーザーの間では低級戦士専用コンテンツみたいなレッテルが張られてきた。

しかし基本プレイ無料のゲームは常に進化を続け、結果的にそれぞれの時代のシーンでちゃんと燃える瞬間を生み出している。自分はロードラV2.0でガイド台詞が追加されキャラクターが画面の上で喋りだしたときに感動したし、アークナイツではタルラの歩みを見ながらその演出に感心せざるを得なかった。ろくに触ってないやつらが輪を組んで基本プレイ無料のゲームをやり玉に挙げて批判する裏ではちゃんと着実にゲーム文化として進化し、独自のムーヴメントを興している。これは疑いようのない事実だ。もはや指でポチポチするだけのゲームであったのは遠き過去なりし時代であり、今はふつうに手元のスマホでオープンワールドRPGとかが展開されたりする。そういう技術と文化のW進化により市場が拡大した中にPROJECT MOONは最新作をぶち込んできた。つまりそこには新たな戦略性があると考えるのが当然だろう。

ここからは戦闘システムとかの話に入る前に基本プレイ無料のゲームとしてどうなのか? という自分が基本プレイ無料のゲームを遊ぶ際に気にする部分を疑問として提示してそれに一つずつ答えていく。手触りは重要で、これに目を向けずに基本プレイ無料を語ることはできない。インディーズスタジオから唐突に発車してきたLIMBUS COMPANYが怪しいコンテンツなのは確かなのでそこについて詳しく掘り下げるのは紹介者の義務だし、自分はそういう責任から逃げるつもりはない。

Q.そもそもなんで基本プレイ無料のゲームなの?

基本プレイ無料のゲームになった途端に腑抜けになるコンテンツはいくらでもあり、それ故に懐の拳銃に手を伸ばしつつ警戒する姿勢を取るというのは正解だ。そういう嗅覚と警戒心を大事にしろ。かくいう自分も3DSとかで遊んでたやつや、青春時代を過ごしたクライアント式のMMO・RPGが基本プレイ無料の痩せた悲しい姿で現れてガッカリした覚えはたくさんある。こうなると「基本プレイ無料にすれば儲かるからじゃないの」という不信感が芽生えても仕方ない。これは人間として当然の本能だ。PROJECT MOONはこれまでの二作品をインディーズゲームとして出してきたので三作品目がいきなり基本プレイ無料になり困惑とかガッカリした者はたくさんいるだろう。これについて見解として述べるならば、形態として適しているからこの形式を選んだものと推測され、それ以上の邪悪な気配は今のところ感じられない。

“漫画、小説が連載されるような形でストーリーをアップデートする予定です。プレイヤーのフィードバックを迅速に受けつつ改善を施し、完成させる予定です。”

これはLibrary Of Ruinaがアーリーアクセスだった時代にSTEAMページに書いてあった文言であり、自分が当時ゲーム購入に踏み切った理由でもある。PROJECT MOONがやりたいことはこの言葉にだいたい詰まっており、たくさんスピンオフ作品が漫画や小説形式で世に出ていることから明らかだ。要するにコンスタントなアップデートで一つの作品を完結に向かわせるというのが公式のやりたいことであり、この形式ならば確かに基本プレイ無料と強いシナジーがあるのだ。

Library Of Ruinaには難易度が高く複雑なコンテンツであるがゆえに一度離れると戻りにくく、ストーリーを追っていくのに強い関心とモチベーションを持続させる必要があった。アップデートごとにちょっと覗いてみるか、と顔を出してみてもブランクを克服できないまま激しい死闘の中で推進力を失い、虚無の宇宙空間に永遠に漂い、積みゲー……そういう危険性と隣り合わせだった。今回はユーザーに必要な推進力をさらに細々としたアップデートと基本プレイ無料の取っつきやすさで補い、まとめてブーストして押し上げることで宇宙をすっ飛ばしていくというのがLIMBUS COMPANYにおける戦略だろう。これは非常に理にかなっており、複雑なインディーズゲームをアーリーアクセスで運行していくよりも安定した仕組みを構築できると自分は感心した。

Q.スタミナ制?

スタミナ制だが特殊な仕様があるのでこの場で解説しておく。LIMBUS COMPANYにおいてのスタミナは「エンケファリン」というヤバめのエネルギーであり、このエンケファリンは20あれば「エンケファリンモジュール」というアイテムに変換することができる。これはGENSHIN INPAKUTOでいうなら濃縮樹脂にあたるものだ。エンケファリンモジュールはキャラクター育成に必要な資源が入手できるクエストを周回するのに利用でき、いくらでも溜められる。つまりログインして5秒でエンケファリンモジュールを作り終了する、みたいなことができるので会社のトイレにこもってポチポチしたりする必要は皆無だ。これがどのくらいデカいかはやってみればわかる。

Q.キャラクター(人格)育成はたいへん?

基本プレイ無料において戦闘ユニットの育成バランスは非常に重要だ。一体育成するのに必要なリソースが多すぎるとバックヤードから出れない奴らがたくさん溜まっていき肥やしになるし、何より長期間プレイしているのに思うように育成が進まないと単純にダレる。火曜日はこの素材が取れて……水曜日は取れなくて……金曜は取れて……みたいなのを繰り返していると頭がぼんやりしてきて手がしびれ、いつしかスマホを取り落として画面はバキバキになる。もちろんこういう仕組みには理由があり支配するのが趣味の魔王みたいなやつがユーザーを腑抜けにさせたいから支配しているわけではなく、長期的なゲーム運営上リソース管理が大事だからそうしているだけというれっきとした理由はある。しかしそんなことはユーザー目線では関係が無いので育成要素なんてなるべく簡易的な方がいい。ユニットはすぐに強くなったほうが楽しいし、色んなやつを使えるからだ。その点において現状のLIMBUS COMPANYはかなり優れている。

LIMBUS COMPANYにおける戦闘ユニットは「人格」と呼ばれるものだ。今のところこの人格の育成は二種類しかなく、いわゆるステータスが上がる「レベル上げ」と能力解放のための「同期化進行」、この二つだ。レベル上げに必要なアイテムはいつでも周回で手に入り、同期化進行に必要なアイテムは毎日3回までクリアできるクエストで手に入る。そしてマネーの概念がなく、それぞれの機能を使うのに必要なのはアイテムだけだ。正気か? 自分は最初に人格画面を見たとき、そこに「スキル上げ」とか「EX攻撃上げ」みたいな欄がないからちょっと探した。しかしどれだけ探しても影も形もなかった。つまり育成要素はこの二つだけだ。今後アップッデートで増えて複雑化するかもしれないがいま記事を書いている時点では何も存在しない。

これは相当にすごいことだ。つまり今のところLIMBUS COMPANYは長期運営する中で育成リソースを絞りユーザー全体の進行度合いとかをゆったりめに調整するみたいな考えをしておらず、常に人格が簡単に育成できるようにしている。これはこの手の基本プレイ無料ゲームとしては定型から外れすぎており、あまりにも革新的で唸らざるをえない。自分はいまの時点でプレイを開始して10日くらいで、ついさっき現在実装されている最後のメインストーリー(三章)をクリアしたが、ただ単にゆっくりめのスパンでやっただけで時間さえあれば一日目とか二日目くらいでも全然やれそうだった。これはメインストーリーがヌルいわけではなく(むしろ最後の敵は相当ガッツがあり、胸くそ悪く、ヤバいヤツだった)、単純に人格を強化するのが簡単なのだ。

Q.ガチャは?

ガチャの確率はこんな感じだ。E.G.Oというのが超必殺技で、それ以外は戦闘ユニットである人格だ。0がレアリティの数を表しているので000が一番レア度が高い。これはたぶんセフィロトの木から取ってアイン/アインソフ/アインソフオウルを表現しているものと思われるが一々アインソフオウルとか呼んでいられないのでこの記事では☆表記で呼ぶ。確率としては☆3排出率2.9%で大抵のゲームと同じくらいだ。

天井というものは存在しないがキャラクターの人格が当たる度、あるいはゲーム中の報酬で各キャラクターごとの「欠片」を入手でき、それを一定まで溜めれば自販機で好きな人格/E.G.Oと交換できるのでこれが実質天井だ。シーズンをまたぐと前シーズンの欠片は半分だけ持ち越されるシステムのようであり、要するに最終的にゲームを続けていれば交換できるということだ。

Q.リセマラは必要?

自分は昔から「リセマラが必要?」「ウウンぜんぜん必要じゃないよやらなくてもいいヨ」みたいなやり取りが嫌いだった。基本的にリセマラはNO-RISUKUだからやりたいやつがやればよく、やらなくていいから優良ゲームみたいな主張はしょせん欺瞞でしかないからだ。どんなゲームもゲームである以上は性能が分かれ、どんな戦闘ユニットでも存在するだけで……一等賞! みたいな精神的慰めはゲーム進行上では何の役にも立たない。不動遊星はどんなカードでも存在する限り価値があり、それが絆だと言ってなんでも使いこなしたが大前提としてやつには類まれなソリティア能力とシンクロ召喚という勝ち筋があったからそういうやり方がまかり通っただけであり、遊星がロードランナーに気合と可能性でレッド・デーモンズ・ドラゴンと戦って勝て! みたいな無茶振りをさせているだけの熱血トレーナーみたいなやつだったらサテライトを抜け出せず話がそこで終わっていただろう。どんなユニットにも価値はあるかもしれないが、強弱が分かれているという事実からただ目を背けるのはただのウソでしかない。

とりあえず一言いわしてもらうなら自分だったら「ここによく砥がれた鋼鉄のツヴァイ・ヘンダーが何振りかあって、どれ持っていってもいいけど、別にひのきの棒でも戦えるよ」みたいな間抜けな回答はしない。特に始めたてでは戦闘システムの複雑さに頭がついていかず、よくわからないまま負けてしまうとやる気が減ってしまうのでそんなしょうもない別れをするくらいなら一人くらい強い人格を持っていた方がゲームそのものを楽しめる。LIMBUS COMPANYのリセマラ所要時間はストップウォッチで計ったところ1分30秒。ガチャから出る好きな囚人の☆2、☆3をひとりくらいは確保してから始めるくらいがちょうどいいだろう。絵柄が好きとか、強そうとか、筋肉が強いとか好きな判断基準で決めろ。ガチャから出るE.G.Oは現時点ではオーバースペック気味なので忘れていい。他の詳しいリセマラのTiarとかに自分は興味が無いからそういうのはゆっくりマリサとかずんだもんとかに聞け。リセマラが嫌いなやつは、するな。普通に始めろ。以上だ。

Q.シーズンパスは?

最近のゲームよろしく無償パスと有償パス(リンバスパス)があってミッションをこなすと進行していく。報酬的には無償、優勝ともにE.G.Oが中心で後は育成素材や狂気(通貨)などだ。E.G.Oに関しては初期のもので十分であり育成に関しても全員育成するとかやらない限りシーズンパスは不要というのが自分の考えだ。総合的に見てファン向けのものでありプレイするのに必須ではないが無償のほうでもらえるものをもらうくらいには意識するといいだろう。

Q.結論は?

結論から言うとこのゲームはこれまでの基本プレイ無料のゲームとはそもそもの考え方が違う。LIMBUS COMPANYはインディーズゲームでやっていた恒常的なアップデートをわかりやすい形で続けるために基本プレイ無料の形をとっているだけであり、ユーザーの育成進行度などの管理に頓着していないというのが今のところの自分の見立てだ。だから初めて一日とかでも人格をけっこう育てられて暴れだすし、スタミナをアイテムに換えて貯蓄しておくこともできる。この斬新さはこれまで基本プレイ無料をやってきたやつほど困惑し、形容しがたい気持ちにさせられるだろう。ふらっと寄ったパン屋に寿司が置いてあって、それがウマかったような……そういう感じだ。とにかくテンプレから外れていてそれが功を奏している。

アップデートなどの調整もかなり細かくやっているのが見て取れてシステムとか仕様は生き物のようにグネグネと形を変えている。かなり臨機応変にやっている様はやはりテンプレートに沿ったゲームとは似ても似つかない。逆に言えばこのやり方で調整していった挙げ句にとんでもないヤバい敵が出てきてバランス調整が座礁したり、いきなり特定の人格がぶっ壊れてむちゃくちゃになったり、運営に振り回されたユーザーが暴動を起こすような流れも起きかねないが、配信から一ヶ月が経った今の時点ではこれまでにない新鮮なおもしろさを生み出すことに成功していると言えるだろう。

あと他に重点するべきことがあるとすればPROJECT MOONに実績があることだ。PROJECT MOONは前前作、前作と二連続でインディーズゲームをアップデートさせてストーリーをちゃんと完結させている。つまりそこに信頼が集まっており、基本プレイ無料とくゆうの「どうせどっかで打ち切りでしょ?」という部分に対して自信を持ってNOと言えるのだ。これはストーリーを重視のゲームを遊ぶうえではめちゃめちゃにでかく、ほとんどのゲームに期待できていなかったことだ。あのロード・トゥ・ドラゴンでさえも結局完結はしなかった。基本プレイ無料のゲームでありながら長期運営を視野に入れないバランスでそのままメインストーリーをゴールインさせられたらLIMBUS COMPANYは新たな神話の一つとして歴史の一ページを刻むことになるだろう。だから自分は期待しているという寸法だ。

・めちゃめちゃな乱戦が始まってわけがわからなくなり、実家に帰りたいとわめきだす

自分がここまで話した内容から大抵のやつはLIMBUS COMPANYをパッション重視のストーリーげーであり、なんとなく大味なゲームデザインで放置していても味方が敵と戦ってくれるピコピコのやつだと勘違いしてしまった。だが実際はチュートリアルが始まって暗い森に放り込まれるとゲームの解説から雲行きが怪しくなってきて、「あれ、これはおかしいぞ……」そんなふうに気づくときにはもう遅い。キャラクターたちが同時にめちゃめちゃに走り出し、謎のコイントスが始まり、斬り合い、ハングルが出てきて、数字が出て、なんか喋り、なんか殴られたり殴ったりで血まみれになり、敵が肉塊になったり、謎のデバフがついたり、わけがわからない。情報量の多さに田舎に帰りたくなりすぐに実家に電話を掛けるだろう。

はっきり言ってLIMBUS COMPANYの戦闘システムはかなりムズい。インディーズゲームであるLibrary Of RuinaのシステムをブラッシュUPしてさらに魔改造したものだからだ。そのシステムの複雑性はこれまでのどの基本プレイ無料のデータを頭の奥から呼び起こしても参考にできるものでなく、完全に寄る辺のない状態で相対することになるだろう。実際自分もシステムをよく理解しておらず、たまに何が起こったかわからなくて叫んでいる。なんだと! どういうことだ! いつ発動した! そんな風にだ。これは完全に原作遊戯王でカードゲームのはずなのにTRPGみたいな進行をして月を破壊したら潮の満ち引きが変化したとか、闇くらましの城が落下して下のやつが全員ぺしゃんこになって死んだとか、そういうわけのわからなさを思い出させる。しかし10日間プレイする中でさすがに感覚が掴めてきたので今回はその気づきを共有しておく。

■コインを見ろ■

まず真っ先にわけがわからなくて多くのやつが雰囲気でやっているか、もしくはわけがわからなくて裸足で逃げ出すか二択しかない「コイン威力」について自分が知っていることを書く。

この画面ではイサンがチンピラとマッチングし、これから殴り合いが発生する。普通に始めたてだとこのマッチングがどういう計算をされていて、なぜ「非常に有利」なのかゴチャゴチャした画面を見てもわからない。この時点で頭にモヤがかかるだろう。
ここで大事なのは「弾く」の左上の数字だ。「7+3」と書いてある。これはコインが表面を出したときの威力が「7」で弾くの基礎威力が「3」であることを示している。つまりコインで表が出たら7+3で威力10。裏が出たら基礎威力の3……そういうことだ。この表記はひじょうにわかりにくく、混乱するのも無理はない。

だが、実はそれだけではない。シミュレート上の威力は「非常に有利」の下に書いてありイサンが4|11、チンピラが1|4となっている。イサンの威力は3|10ではないのか? なぜだ? ゲームシステムまで狂っているのか? 実はギリギリでそうではない。これはイサンのスキル攻撃力とチンピラのスキル攻撃力の差だ。スキル攻撃力というのは7+3と書かれた真下にある、剣のついた数字だ。この場合は17とある。敵の場合は9だ。この差がデカければデカいほどスキル威力に+1ずつの差がつく。

このスキル威力の差で最終的な威力が+1され、イサンは4|11が最低値|最大値になった。チンピラは1|4。イサンの最低値とチンピラの最高値が同じということはイサンは負けようがなく、その差を指して「非常に有利」と言っているのだ。

コイン判定がなされ、イサンは表を出したのでスキル威力11。チンピラも表を出したがスキル威力が4しかないのでイサンの勝ち。これが一つのマッチングになっている。しかしこういうのを理屈で理解する前に全員走り出して乱戦になるから、ちゃんと細かく学ぶ機会がないままストーリー見たさにとりあえずズルズルと進んでしまうという寸法だ。マッチングについて細かく見たい場合は環境設定から「オートマッチング」をOFFにするといい。そうしないと強敵などと戦うとき、どういうスキル威力の計算がなされているかわからず、よくわからない間に負けていることが多々ある。コイン枚数が増えるとさらに複雑になるが今日は気圧がおかしいのでここでは説明しない。

■耐性は素直に見ておけ■

「耐性」はへそ曲がりが作ったLIMBUS COMPANYにおいて最も素直な仕様と言っていいだろう。囚人や敵には「斬撃」「貫通」「打撃」という三種類の耐性があり、これはいわゆる弱点を表している。例えばこのイシュメールでは「斬撃」に×2(脆弱)と書いてあり、つまり斬撃攻撃を受けると2倍ダメージを受けるということだ。逆に打撃に対しては0.5倍しか受けず強気に出られる。敵の攻撃属性・耐性を鑑みて出陣させる囚人を選ぶことは重要で、これができるかできないかで勝敗が分かれると言ってもいい。そんなのあほでもできると誰でも思うかもしれないが、人間はいつでもあほになる瞬間があるので油断するな。自分はSlay The Spireで何回も一桁の足し算・引き算を間違えて死に、固い床を叩いて悔し涙したり酒におぼれたこともある。

戦闘中のキャラクターのHPゲージが謎の線で区切られているのを見たか? これを超えると「混乱」状態になり、囚人はそのターンと次のターンわけがわからなくなり行動できない。この間は全部の属性ダメージを2倍受けるので無防備なままサンドバッグにされる率が高く、これは相当かなりヤバいというデータが出ている。味方が混乱するとダメージレースで一気に不利になり人数差が出てきて、しかし待ったを掛けたりできないので敵は総攻撃をしてきてWIPEOUTされ、そうこうしている間にガチヤグラが進み、逆転負けし涙することになる。そういうことにならないためにちゃんと耐性を見て大ダメージを受けそうか、あるいは鋼鉄の耐性でほぼ無傷で済ませられるか? それを判断してちゃんと囚人ごとに目を掛けてやれ。

■負けるタイミングを意識しろ■

マッチングを何度も繰り返してバトルを行っていると、どこかで全然勝てないフェイズが出てきて困るだろう。これは通常の敵でも幻想体においても同じことが言える。なぜかどいつもこいつもマッチングで勝てなくなり、負ける……基礎はわかっているはずなのに! 囚人たちにナーバスな時期がやってきているのか? そういうわけではない。これには理由がある。

人格画面を見てみろ。スキルの詳細を見ているとスキル名の隣に「×数字」という記載がある。これはスキルの数だ。基本的にスキル1なら3枚、スキル2なら2枚、スキル3なら1枚と書いてある。つまり弱いスキルほど数が多く、強いスキルほど数が少ない。この合計6枚を1デッキとして、戦闘はローテーションしている。つまりどのスキルがどの時点で使えるかというのは運で全て決まっているわけではないということだ。そうなるとどうなるか? 強いスキルから使っていれば序盤はマッチに勝てるが、デッキの中には弱いスキルが溜まっていき、相手の強いスキルに合わせられるとマッチが勝てなくなる。つまり弱いスキルをどこかで使わないと必要なときに強いスキルが使えないというわけだ。

では弱いスキルをどこで使えばいいか? これは簡単だ。負けてもいいタイミングで捨て札にするように切るか、あるいは一方攻撃できるタイミングで敵に投げつける。そういう風にしてデッキという心臓から巡る血液を循環させなければ、どこかで血管がドロドロに詰まって負ける。難易度が高くなれば必然的に敵が強くなり、テーブルの上で順番にカードを切っているだけのあほでは勝てなくなる。テーブルの下で銃を構え、二重三重の罠を張り巡らせろ。大局で勝つための必要な負けというのを意識できるようになれば一人前だ。

■E.G.Oで駆け引きを破壊する■

この画像の状況がわかるか? 端的に言えばムルソーがマズい。貫通が弱点のムルソーが幻想体から狙われていて仲間がカバーできず、ムルソーの必死のワン、ツーで対抗するのは不利だとレフェリーも首を横に振っている。。心なしかムルソーの瞳に湛えられた凪いだ海のような悲しさも色味を増している具合だ。しかし、E.G.Oさえ発動できればここからでも寡黙なこの男を危機から脱せられる。E.G.Oというのはいわゆる超必殺技で、その威力はすさまじくチャチな駆け引きを破壊する。幼稚園とか小学生の頃にじゃんけんしていて、友達に「パーを倒すグー!」とか「チョキに勝てるパー!」とか言って強制的に負けたことにされなかったか? E.G.Oはそういう理不尽な力であり、囚人なら誰でも持っている。

これはムルソーが反撃のE.G.Oをポッケから取り出したところだ。E.G.O「ぶたれたい? しこたま?」を発動するとマッチ威力は18|22となり、完全に勝敗が決している。どうマッチしても勝てなかった状況をE.G.Oひとつでひっくり返したという瞬間だ。物語が進めば進むほどに地力の高い相手が出てきて、どううまくマッチングさせても誰かが不利になる状況が生まれるだろう。そういう時に切り札として伏せておくことで役立つのがE.G.Oだ。これが使えるのと使えないのでは天と地ほどの差がある。

E.G.Oは初期E.G.Oというのが標準装備されているのでガチャ産のE.G.Oとかを無理に当てる必要はない。むしろE.G.Oを発動するためのリソースのこともあるので初期のE.G.Oのほうが安価で使いやすいと言えるだろう。E.G.Oは画面の右端に出ているE.G.O資源という欄で確認できる資源を使って発動することができる。ムルソーの初期E.G.O「他人の鎖」は怠惰×1、憂鬱×1、嫉妬×2で発動可能だ。戦闘中に各属性に対応したスキルを使えばE.G.O資源が溜まっていく。

PT編成画面で各E.G.O資源にカーソルを合わせると誰が何の属性スキルをいくつ持ってるか? ということを表示できる。これを参考にどの囚人のE.G.Oを使うか? またそのE.G.Oに必要な資源を溜められるPTを作るのにはどういう囚人を採用すべきなのか? そういう風に順序だてて考えてやっていくといいだろう。ストーリーが進めば進むほど敵は自分ルールを勝手に作って押し付けてくる。それをE.G.Oで破壊し、そういうサイコパスのルールはこの社会に持ち込ませないぞと強く否定してやれ。

■タンパク質を摂れ■

これについてもはや細かく説明する必要性を自分は感じない。囚人たちは己の腕力で敵を打倒し、敗れてもダンテによって不死身に復活する。その土台はやはり筋肉でありレベルを上げて物理で殴るのが基本だ。特にこのLIMBUS COMPANYでは体力を上げることで混乱するまでの猶予を伸ばし、スキル攻撃力を上げることで戦闘マッチングを有利にする。育成システムが単純であればあるほどシンプルな力がモノを言うので、とにかくレベルを上げろ。レベルを上げる方法とか紐の話はあとでする。

■スペックが足りなければSTEAMでやれ■

自分は最初IPADでやっていたがE.G.Oを発動すると1/3くらいの確率でipadが悲鳴を上げてゲームが終了するのでやっていられなくなり、STEAMとアカウント連動させてPCとかでやることにした。現状では戦闘の途中で落ちると戦闘自体が無効になるみたいな無慈悲な状態なのでスペックに自信がなければSTEAMに入れてやることをオススメする。それとは別にエンケファリンモジュールを作るだけならスマホとかでできるので自分はスマホにも入れている。

他にも細かいテキニックを挙げだしたらキリがないが重要なことは今挙げた6つのTIPSに集約されており、自分もこの6つを意識して三章をクリアした。それ以上の高難易度コンテンツとかに差し掛かればもうちょっと考えるべきことが出てくるかもしれないがとりあえず気にするな。そもそもこういうアティチュードというのは戦いの中でゆっくりと学んでいくものであり、ちゃんと覚えてないからダメ……アンインストールする……みたいな後ろ向きの態度では何事もうまくゆかないからまずはウダウダ言わずにやってみろ。大事なのはゲームシステムを理解することではなく、まずゲームを楽しむことだ。ゲームというのは娯楽なのだから細かい理屈がわからなくても面白ければそれでいい。自分もバスに乗った直後はどこで何が起こってるのかよくわかってなかったがアニメのNARUTOみたいにみんな走り出してぶつかるのが楽しかったからとりあえずそのままやっていた。

・人格という無限の宇宙が待つ

このゲームで自分が一番面白いと思ったのは「人格」というシステムだ。LIMBUS COMPANYでは囚人ごとに無数にある次元のどこかから別の可能性を引き出すことができる。その結果として囚人は別の能力を持つ人格を扱えるという寸法だ。とはいえこれだけなら他のゲームでも多々ある設定だ。闇堕ちしたとか、出世したとか、元いたギルドとは馬が合わなくなったからあっちの連合についたとか、なんか羽が生えているとか、夏になったから開放的な気持ちになって水着を着てみたとか、クリスマスとか、ホストになったとか、どこのゲームにもキャラクターの別な姿というのはいくらでもあってそれ自体は何ら珍しくもなんともない。

LIMBUS COMPANYの場合なにが特異かと言うと引き出す人格先の見境のなさだ。これは本当にキャラクターのセールスになるのか? と困惑するような団体にまでフォーカスしてきてまったく油断ならない。例えばストーリー中に出てきた敵のヤクザ団体の人格だったり、特にストーリーと関係ないヤクザ団体だったり、暗黒巨大メガコーポの社員だったり、暗殺組織だったり、暗殺組織2だったり、頭のイカれたサイコカルトの一員の人格を引き出してみたりとろくな可能性が出てこない。しかしめちゃめちゃにネガティブで後ろ暗い感じかというとそういうわけでもなく、あくまで12人の囚人の一側面だったり全然違う姿だったりを引き出して見せてくれる。多角的な掘り下げという点では公式が二次創作みたいなことをしだすような手広さで、ここにLIMBUS COMPANYのうま味が詰まっている。

思えばLibrary Of Ruinaでも似たような都市に生きる様々なやつらを引き出してきてそいつの生き様をバトルを通して見ることができたが、これはあくまで敵の人生であり「都市にはこういうやつらがいるんだよ」という以上の話はあまり見られなかった。ローランも色んなやつがいるけど、それはそれ。と言って終わらせており大変なやつを説得して仲間に引き入れたりとか、そういう状況ではなかった。もちろんLibrary Of Ruinaに関しては図書館がフォーカスされるべき場所なのでこれは正しいことだったが、都市の人々の人生というものをもう少し間近に見ることができる日をファンはずっと待っていたと言えるだろう。今回、そういう都市の様々な人間を人格というレンズを通して12人の囚人に映し出すことで描写できる範囲が広がった。これは囚人自身の掘り下げも兼ねていて実に合理的で巧みな手法なのだ。

本来の人格では改造された虫の腕を憎んでいるグレゴールも古巣であるG社の課長代理になっていたIFの人格ではやる気バリバリでヒゲも剃られていて爽やかだ。キャラクターにとっては残酷なことだがこういう180℃真逆のもしもが見られるとさらに深みが増し、それぞれのエピソードについて考えさせられる。もしかしたら生粋のサディストであるPROJECT MOONは本来深くは考えておらず一方向からだけでなく全方向からキャラクターをイジめるためだけにこの人格というものを考えつき、その結果として基本プレイ無料のゲームとしてLIMBUS COMPANYが誕生したのかもしれないがそういうケオスの渦から生まれたとしてもぜんぜん不思議じゃないし、それはそれで面白いと自分は思った。

人格という無限に広がる可能性の宇宙では囚人同士の関係性が少しずつ違い、元の人格に近い場合もあれば環境の過酷さで静かな殺し屋みたいになる場合もある。まさに環境が人を作るというやつだ。上司になったり後輩になったりとそれぞれの囚人同士の関係も少しずつ異なったものになり、そのグラデーションに面白みを抱くことができればさらに楽しめるだろう。「アイツがああいう立場だったらどうなるかなあ」みたいなユーザーの妄想が気軽に公式から形として出力される可能性があってコミュニティも盛り上がるし夢が広がる設定だ。

・初心者向けTipS

ここからは自分が都市の暗がりで過ごした10日間で学び取ったTipsだ。普段ならこういう内容はやらないがすでにシーズン1が始まって一ヶ月が経過し、進級した後の学級みたいな入りにくさを感じるかもしれないので後発のために知識を残しておくというわけだ。扉のところでもじもじしてないでとりあえずさっさと入ってこい。自分もリリースのことをまったく知らずにこないだまでSEKIROUで猿と追いかけっこしていたが、今は車窓から見える都市の景色に少し馴染み始めている。ちょっと出遅れたからといって物怖じしたりするのは完全にもったいないので自分が遊んでいる今が常に最新で最前線だということを忘れるな。

■経験値・紐採光■

経験値採光がいわゆる経験値ダンジョンで、紐採光が進化素材ダンジョンのことだ。一度クリアするとその難易度は戦闘スキップができるようになった。採光は二種類あるがどちらも共通してエンケファリンモジュールを消費することで入場できる。入場には2個だ。戦闘スキップするとモジュールを2倍消費する代わりに1.5倍の報酬を受け取れ、戦闘をしなくて済む。はっきり言って今の強化バランスであればぜんぶ手動でやってまで最高効率を求める必要はなく、経験値においても紐においても戦闘スキップをして、浮いた時間でヨガみたいな自己研鑽とかをしていたほうが有意義だろう。
→経験値採光
メインストーリー2-12をクリアすると入れるようになりたくさんチケットを集めることで囚人にプロテインを飲ましてどんどん強くなるのだから入らない理由がない。
→紐採鉱
メインストーリー2章をクリアすると入れるようになりたくさん紐を集めることで囚人とE.G.Oの同期化進行(いわゆる凸のようなもの)が進むのでやらない理由がない。現状のLIMBUS COMPANYにはいわゆる紐以外の進化素材的な要素がないので、風のドンキホーテを進化させるのに風のオーブが……風のオーブは金曜日で……みたいなのがない。曜日ごとに違うボスが登場するが、それにも特に初回狂気がもらえる以上の意味はないから気にするな。

■鏡ダンジョン■

ウィークリー報酬が3回までもらえ、狂気がもらえるのでウマいコンテンツだがけっこう時間がかかる厄介なやつでもある。一日一回までエンケファリンモジュールを消費せずに遊べるので時間があるときにやるのがいい。ルールとしては最初に三人の囚人を選び、SlayTheSpireみたいなローグライクを一層~三層までプレイする。

SlayTheSpireを通っていないやつはいないので詳しくは説明しないがこういうよく見たマップが広がっており、戦闘マスとか?マスを通りながら層の終わりを目指し、ボスを倒すと次の層に移動する。囚人のHPは引き継がれるので気を付けて戦い、ヤバそうになったら回復マスを踏んでどうにかする。囚人の追加とかもイベント次第で起こるが基本的に囚人のレベルUPイベントを主力囚人に集中させるほうが安定するのでたくさんの囚人を代わる代わる盾みたいに使うのはあまりオススメしない。

覚えておきたいのは鏡ダンジョンで使える囚人の同期化進行は自分が持っている人格に依存しているということだ。つまり自分が進行を進めている、普段主力にしているやつらを軸にしてバンドを結成するのが一番強い。あとはとにかくレベルを上げろ。小手先のアーティファクトに頼ってスタッツを上げないでいるとじり貧になってラガヴーリンは倒せないことを覚えておけ。

イベントマスがおもしろい

鏡ダンジョンの踏破報酬はシーズンパス経験値と狂気250だ。週に3回までこれがもらえるのでシーズンパス報酬ともらった狂気を合わせるとけっこうデカいことが証明されており一週間で狂気750なので二週間分やれば10連できるようになる。これは基本プレイ無料のゲームの中では破格の報酬だと言えるだろう。しかしいかんせん3層踏破までに15~30分はかかり、完全にめんどくさいことは事実だ。PROJECT MOONが内閣官房長官を連れて自分の家のチャイムを鳴らし説得しようとしてきてもはっきしいってめんどくさいと言うだろう。このめんどくさいという問題は今のところ解決されておらず、完全に気合でどうにかするしかないからやるかやらないかは自分次第だ。とはいえLIMBUS COMPANY自体がガチャを引かないとやっていけないゲームではないためめんどくさければ別にやらなくていいで話は終わっている。

ちなみに鏡屈折鉄道というエンドコンテンツも実装されているが自分は一日前にようやく入れるようになったのでやっていない。とりあえず気にするな。

■オススメの人格■

言っておくが自分は持っていてそれなりに育てたやつ以外はぜんぜん知らないし、リセマララランキングとかに関連しない世界で戦っているので現環境でこれがマスト……みたいなのは知らないしどうでもいい。わからないことはYOUTUBEで調べろ。誰も信用するな。YOUTUBEもグーグルピクセルもCHATGPTも信用するな。聞くならSIRIに聞け。
→☆3握る者 ファウスト

自分は勿体ぶらないから一番強いやつから勧める。こいつは速度が速く全体的なスキル威力が安定しており、火力と敵へのデバフを撒きながら味方のサポートまでこなすからもう手が付けられない。N社の味方がどうとか書いてあるが放っておいても一人で自己完結するので気にするな。
→☆3課長代理 グレゴール

冷静に考えると自分が使っている主要人格はシーズン1オリエンテーションのものが多くてシーズン2になったら入手できない可能性はあるがシーズン2になったらそれはそれでまた強力なやつが出てくると思うので一々気にする必要はない。このポジティブそうなグレゴールはマッチングに強くHP回復も持っているのでしぶとい。あまりに強いから同期化がMAXになっていると思っていたが今見たら同期化が2で止まっていて驚愕した。そのくらいに強い。
→☆2 N社小槌 ヒースクリフ

苦労していそうなヒースクリフだ。この記事を書いている現在は三章が最終地点であり三章とかそれ準拠の経験値採光で出てくる敵が打撃弱点だから問答無用で打撃スキルメインの人格は使いやすい。アップデートごとにそういう環境はぐるぐる回っていくだろうから今顔を見てない人格の心配をする必要はない。
→☆2 セブン協会 6課 イサン

黒スーツでフェンシングをしているだけでもカッコいいので100点をやれるが全体的にパッシブが強かったりデバフを撒いてマッチを通しやすくする渋い働きがウリだ。ゲームを始めると☆3の剣契イサンがもらえるが個人的にはアイツより使いやすい。
→☆2 LCCB係長 イシュメール

銃弾という特殊仕様を持っており銃弾が尽きると銃撃できなくなる悲しみを背負っているが、それなりに硬くタンクをやりながらデバフを撒いてサポートしたりこういうやつのおかげで世界が回っているということを証明する強さだ。ちなみに設定上、都市では銃が規制されていたり弾丸があほみたいに高かったりするので銃弾に限りがあるという背景がある。これはアークナイツの場合は銃を扱うのが極端に難しいとかそういう事情とも似通っており、この手のSF作品ではせっかくのフィクションなのに全員銃で戦っているとつまらないので銃を使えない理由を作る必要があるのだろう。アークナイツと言えばBSWのリスカムと似たような盾とハンドガンスタイルであり、リスカムが好きなやつは使うと楽しくなるだろう。
→☆1  LCBの囚人 ムルソー

いわゆる初期人格だ。レアリティゆえにどうしてもマッチで勝てない場合が出てくるがムルソーの場合は最初からタンクっぽい運用がメインであり、壁になりながらE.G.O資源を溜めるために起用している。こういう初期人格でも場合によってはパーティーの穴にちょうどよくパズルのピースのようにハマる瞬間があるのでレアリティだけで人格を見るのは大いに間違いだと言えるだろう。

自分が紹介した人格はあくまで自分が使っていて強いと感じた人格であり、後述するようにE.G.O資源を考えて起用したやつもたくさんいるので色んな人格を使ってみるのがいい。

■オススメのE.G.O■

今のところ自分はガチャ産E.G.Oを使っていないのでその辺の使用感は知らない。めちゃめちゃな高難易度コンテンツとかになればガチャ産のゴージャスなやつがビシバシ効いてくるのかもしれないがそういうのは未知数だ。

→他人の鎖(ムルソー初期E.G.O)

なんかのYoutubeミュージックのサムネイルのように正面を見据えて鎖でがんじがらめになっていてビジュアルがキマっているムルソーだ。コストが安くて使いやすく初期人格ムルソーのスキルでかなりのE.G.O資源を賄える。確実にこれでマッチに勝ち、相手の強力な一撃をくじきながら次のターンに束縛を掛けることで味方を守りやすくなる。幻想体戦などで使い戦況をコントロールしろ。
→表象放出機(ファウスト初期E.G.O)

広域のE.G.Oだ。広域というのはいわゆるマップ兵器……ZZのハイメガキャノンであり敵が複数出てくる場面で活躍する。攻略においても周回においても強い。コストがやや重く資源をたくさん食うのでそれを考えて編成を組む必要がある。
→まやかし(グレゴール シーズンパス1無償)

こちらも広域だ。課長代理グレゴールを持っていると自分のスキルだけでE.G.O資源を溜められるのでめちゃめちゃ使いやすい。

・Note編集ページが変な挙動になってきたからもう終わりだ

ついでに言えばあまりにもテキストが長すぎて誤字脱字がないかの校正チェックがたいへんになってきたのでここまでにするが、そもそもどうして自分が油断せずにここまで語ってきたかというとあと一ヶ月くらいでシーズン1が終わるからだ。シーズン1が終わるとどうなるかというとシーズン2が来る。それはたいへん結構だが、シーズンとかいう区切りがあると反射的に「途中からじゃな…」みたいに尻ゴミして入らないまま一生を終えるやつが出てきてどうしようもないと思ったからこうしてシーズン1がまだまだ残っているうちに筆を執ったという寸法だ。ここで自分が「好評ならまた続きを書くからよろしくネ」みたいに細切れに記事を書いているようでは遅きに失してしまい都市ゆきのバス発車を大勢が諦めてしまいかねないと思ったので完全なオール・イン・ワン・セットとしてやろうと覚悟した。だから文字数と画像の処理でスマホからこの記事を見ようとしても端末の根性が足りなくて見れないとかそういう事態のことも何も考えていない。

何度でも言うがLIMBUS COMPANYは基本プレイ無料の新しいモデルになりうるから自分は期待しており、この記事はその表れだ。有名インディーズスタジオからこういうのが出たというのがまず面白いし、一般的なやつとかなり違う運営をしていきそうなのでどうなっていくのかが気になって仕方がない。自分は神撃のバハムートで手に入れたキュアウォーターを今は亡きモバゲー版シンデレラガールズのスタドリに交換したり、そういう古の時代から基本プレイ無料の乗車必衰を見つめ続けてきた。いくつものゲームが志半ばで死んでいったし、ロードラが完結しないことを魂レベルで理解したときには心が砕けそうになった。しかし最終的には砕けかけた心もガムテープとかで補強してここまでやってきた。そういうボロボロのマントを巻いて長い旅をしてきた自分からすると、新しいモデルは大げさではなく荒野から一つだけ顔を出した希望の芽なのだ。

LIMBUS COMPANYがうまくいったら、こういう破天荒なタイプの基本プレイ無料が増えてさらに賑やかになり、そこには多様性が生まれるだろう。パン屋の寿司だけでなくカレー屋の寿司、ピザ屋の寿司……色々な寿司が出てくる時代が到来することを願っている。もちろん自分は間抜けではないので願っている反面で新しいモデルに問題が発見される懸念も持っているし、そういうのを隠して紹介することはない。LIMBUS COMPANYはすでにかなり調整されて色んな仕様が変わってるし、色んな仕様が変わることがユーザーにとってマイナスに働いたり右往左往させられてストレスんなったりすることもあるだろう。新しいモデルというのは先にレールが敷かれておらず、ガタガタの道を素手で舗装しながら進む必要もあるからだ。最終的には運営を安定させるためにわかりきったレールに乗るしかなくなり、結局いつものやつじゃんと落胆する未来もありえるかもしれない。全ては未知だ。

自分はやっていたゲームが志半ばで死ぬたびに基本プレイ無料のゲームを見限るという選択肢をこれまで何度も提示され、ホグワーツレガシーとかSEKIRO-とかをじっくりとやりながら、重い荷物……埃まみれのツヴァイヘンダーとかいつの間にかMAXになるスタミナとかを背中から下ろして戦友が眠る丘が見える場所に小さな家を作って、そこでスイッチとPS5とSTEAMだけ遊んで酒とか紅茶を飲みながら老後を過ごしてゆこう……みたいに心がゆっくりと基本プレイ無料を諦めようとしてきた。しかし結局は心の中のロードラがネバーゲブアップ! ドンウォーリー! と鼓舞してくる声を無視することはできず、足を引きずりながらここまで歩いてきた。そこに走り込んできたバスがLIMBUS COMPANYゆき……見上げると砂嵐が晴れた先には都市の巨大な影が落ちている。この片道切符がどこに繋がっているかは知らないが行くしかないと思ったから行く、そういうことだ。基本プレイは無料だから今すぐ乗り込め。まだ、足を止めるべきではない……。

ドーモ! ドネートは常時受け付けています。 ドネートはときにおやつやお茶代に使われます。