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イマドキの子どもも硬筆を習ったほうがいいわけ

オンラインで世界じゅうの子どもたちに硬筆を教えているオンライン硬筆ワールドの田中里美です。

「硬筆は習い事としてどれくらい良いのか」についてご紹介するブログです。

そりゃ汚文字よりも美文字のほうがいいに決まってますよね。

キレイな字を書けることで得することはあっても損することは絶対にない。でも、手書きの習慣がだんだん減っていって、得する部分が減ってるんじゃないのっていう話をたまに聞きます。

いえいえ、そんなことはない。昔と比べても日本語を美しく書くことの重要性は下がっていないのです。

今から約30年前にさかのぼりますが、私が小学生だった頃、習字、ピアノ、そろばん、それに公文が習い事の四天王。習い事をしているお友だちはだいたいこの4つのどれかに収まっていた記憶があります。

さて、時は平成を経て令和の時代へ。

小学生の習い事は、昭和の四天王に加えて、英語、水泳、パソコン、リトミック、ダンス、絵画などなど実に幅広いラインナップとなりました。特に小学校高学年ともなると、中学受験を控える子どもが出てくるため、続けていた習い事をやめて、学習塾に切り替える子どもも多いです。

習字はオワコンなのでしょうか。

いえいえ、まったく違います!

習字はいつの時代になっても、精神的な豊かさの面、実生活面においてじゅうぶん役立つ習い事なのです。

今回は硬筆に焦点を当てて、メリットを書いていきます。

文字を「正しく」書くことは日本語のひとつの要素

ある日本語教師のかたとお話をしていたときのことです。そのかたは日本語教師歴20年以上の大ベテランで、いろんな外国のかたに日本語を教えています。そのかたによると、世界各国さまざまな言語があるなかで、美しく書くこと、運筆を守ることは日本語くらいにしか存在しないそうなんです。

「あ」を書くとき、最初にたて線を、さらには下から上へ書く人はおそらくいないでしょう。試しに書いてみたら、なんだかヘンテコな感じ。バランスが全然とれない。

ひらがなや漢字など、日本の文字にはひとつひとつが美しいと感じられる要素があります。外国人が書を見てアート的な感覚で美しいと感じるのはまさにそれ。

書けさえすれば、読めればそれでいい。そう思う人もいるでしょう。

でも、日本語は正しく書くことがセットなんです。文字でありながら芸術でもあるんです。つまり文字を習いながら芸術を習っているのと同様なんです。なんてお得な文字文化だと思いませんか?街に必ずひとつ以上は書道教室があるなんて本当にステキ。私たちって芸術があふれる国に生まれたんです。

アメリカやヨーロッパでアルファベットをキレイに書けたってだれもほめてくれませんよ。下手くそでもマイナスにはならないけど…。

気軽に海外に行ける時代、日本と世界と簡単につながる時代だからこそ、日本人として身近に学べる美文字は教養として最低限身につけておきたいですね。

あなたは自分の名前の漢字の意味を言えますか?

日本人の女の子によく使われる「子」という漢字。

漢字の成り立ちはよちよち歩きの子どもからきたものですが、子どもの子だけの意味じゃありません。

子を分解すると、一(最初)と了(終了の了、つまり最後まで)に分けられます。つまり、最初から最後まで自分の人生をまっとうできるように、という深い意味が込められているんです。

と、元AKBの篠田麻里子さんがツイートして4万回以上リツイートされました。みんな、こういう漢字の解釈やルーツに興味があるんですね。

「こ」を使うとき、「子」という漢字が一般的ですが、「心」を使う人もいれば、「湖」という字を使う人もいるでしょう。あえてひらがなを使うことにした人もいるでしょう。親が悩みに悩みぬいて考えた名前です。ぜひ知っておきたいですね。

硬筆では頻繁に漢字に触れることによって、漢字の意味を学べます。自分の名前はもちろん、いろんな人の名前、街の名前など漢字を知ることでそこに込められた思いを知ることができます。それは書道を習っているからこその恩恵ですね!

思いがより伝わる手書き文字

言わずもがな、手書き文字は世界にひとつだけです。

大切な人へ向けたお手紙を書くとき、いくら想いを詰め込んでもそれがパソコンの文字だと「…コピペ?」と思われかねません。ちょっとググれば、「イイ言葉」を継ぎ足して、お手紙を書くのはカンタン。感動する言葉、格言なんかはネットの世界にあふれかえってますもんね。

でも、その人のことを思って書いたペンを走らせた手書き文字は心に響くものです。LINEで気軽にメッセージがやり取りできる時代だからこそ、よけいに手書きの大切さ、受け取る側のうれしさはひとしお。

硬筆では「丁寧に書く」こともお教えします。ゆっくり書くこと、心を込めて書くことは、受け取る側に必ず伝わります。また、書いていると文面が変わってくるんですよね。それはより思いがこもるから。

ありがとうの気持ちを伝えたいときなんかは、手書きが断然オススメです、もちろん美文字で書かれたものでね。

集中できる自分時間を持つ

文字は誰かと比べるものではありません。書道の世界には段位認定があるので、そりゃ8級よりも初段のほうがレベル的には上ですが、でも、そこに優劣はありません。

大切なのは自分だけの、集中できる時間を持つことができるということ。誰かの文字を参考にして書くことを臨書(りんしょ)といいます。今やネットを開けば、たくさんの美しい手書き文字を見ることができます。

「私、この人の文字好きだなあ」と憧れるかたを見つけてください。インスタグラムがオススメです。「美文字」で検索すると、実にさまざまな文字が溢れています。そして、それを臨書してみてください。

私はたまに自分の目標をノートに書きます。有名なYou Tuberが言っていたのですが、目標を手書きすると実現化しやすいんですって。美文字のほうが叶えやすそうじゃありませんか?

好きな言葉、格言、お手紙を書く時間を作るって、ステキなことですよ。

カラフルインクで硬筆を趣味に!

硬筆が好きになると、いろんなものにチャレンジしたくなってきます。硬筆は鉛筆で書くだけじゃないんですね。最近人気なのはガラスペン。文具の祭典でも売り切れが多いんだとか。インクの種類も実に豊富ですよ!お気に入りのインクにつけて文字をしたためるって最高にオシャレ。そうなると、ペンの種類やインクのこと、便箋や紙質についてもっと知りたくなる。そう、ここまでくると硬筆は実用的なものから、精神的に満足できる趣味となります。しかも年をとってもずっと続けられる趣味です。誰かへの贈り物にそえたり、お手紙を書いたり、元気の出る言葉を書いて自宅に飾ってもいいですね。

ちびっ子よ、文字を書く習い事ってステキなことなんだよ

小さい頃に書道をして、中学生くらいになると何となくの理由でやめてしまうお子さんは多いです。休眠状態のまま、大人になるかたもいるでしょう。

でも、一度硬筆をまじめに習ったことのある人は、丁寧に書くことを知っています。字がキレイであることにいつまでも憧れを持ち続けます。

硬筆は習うに遅すぎることはありませんが、できれば小さい頃に基礎を身につけておくと、大人になっても再スタートを切りやすいですね。

日本にしかない習い事。日本人だからこそやっておきたい習い事。

硬筆を習い事のひとつに加えるメリットをお伝えいたしました。

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