真の課題・ペインを押さえる
初めまして、スタートアップスタジオで事業検証をしている板垣です。
週に1回のペースで私の実体験を元に、事業検証や起業において重要なポイントをお伝えして行きます。
今回はPROCALの検証の中で学んだ「顧客の課題やペインを押さえる」というテーマで事業検証における重要なポイントをお伝えします。
目次
・一瞬で消えた事業アイディア
・ヒアリングを通して見えて来た真の課題と顧客の痛み
・今のPROCAL
・「真の課題とペインを押さえる」重要性
一瞬で消えた事業アイディア
私が最初にスタートアップ起業ワークショップに持ち込んだ事業アイディアはこちらです。
私は地元島根県を盛り上げたいと、地域を活性化できるサービスを作ろうと考えていました。そこでワークショップに持っていったアイディアは、
「誰でも自由に旅行プランを作って投稿できるプラットフォーム」でした。
最初の課題の仮説
・旅行客は旅行パックがマンネリ化していて楽しくない(実体験)
・その県の良さが伝わってない(伝え方が下手くそ)
・最初から最後まで決められている旅行パックの方が使いやすい
・県だけで地域の魅力を発信を伝えるのには限界がある
事業内容は、、
・自分しか知らない場所や自分のオススメの場所を集めた旅行パックを自分で作成して、プラットフォームに投稿します。
・そして、旅行客はその沢山の旅行プランから選んで旅をします。そして、旅行パックに対して評価をつけ、評価が良いとプランの考案者にお金が入る仕組みです。
そうすることで、地元に住む方々が自ら積極的に地元の魅力を発信することになりインバウンド含め、地域活性化に繋がると考えていました。
自信満々だった、このアイディアは顧客へのヒアリングやインタビューを通して
一瞬で消えました。。。
理由は、
・仮説として上げていた課題が的外れ
・他に強い課題を発見した
以上です。解決しようとしている課題が的外れだと使ってくれる人はいません。
ただ、これは失敗ではありません。
なぜなら、検証せずにこの事業を実行していたら私は誰も欲しくないサービスを世に出し、多くのリソース(時間、金、人など)を無駄にすることになっていたからです。このように、実際にヒアリングしたり調査してみると事業失敗のリスクを減らせます。
ヒアリングを通して見えて来た真の課題と顧客の痛み
ここから更にヒアリングやインタビューを進めました。
幾度となく目にしていた、スマホを見て顔を歪めている訪日外国人に対して何に困っているのかを実際にインタビューしました。
すると、、、
・どのお店に行くか迷っている
・日本人に話しかけにくい、助けを呼びづらい
・Google マップでも道が分かりづらい
・行きたいお店が閉まってた
このように具体的に訪日外国人が抱えている課題が見えてきました。
次に、日本に留学していた友達とミートアップで知り合った海外の方、友達の友達など、顧客となる海外の方に長い時間をかけてヒアリングをしました。
すると、
・困った時にすぐに助けてくれたり、相談する存在がいない
(駅や観光地にしか助けてくれる人がいない)
・何度か日本に来ているのでマニアックで通な場所を知りたい
・旅行中にスマホで調べるのがストレスになる
(妥協して、どこでもよくなる)
・旅行する時は行く地域や主要な観光地だけ決めて、あとは着いてから決める
より具体的な課題や旅行事業が出てきました。
この時点で分かったことは
・自分の想像、仮説はあくまで妄想(現実とは違う)
・実際にヒアリングをすると具体的な課題が出てくる
・1人に対して時間をかけてヒアリングした方がよりリアルで深い課題が出てくる
と言うことです。
より多くのデータを取る事も必要ですが、事業検証においては1人に対して時間をかけて課題を聞き出す方が有効だと感じました。
広島にあるゲストハウスに泊まり、そこに宿泊する訪日外国人と仲良くなり長い時間ヒアリングをしたり、今までの課題を元に考えたソリューションについてフィードバックをもらったりもしました。
以上のヒアリングを通して、ターゲットとしている顧客が具体的にどんな場面で、どんな課題に直面しているのか。そこに対する、課題感を知る事ができてました。
(全然まだまだなので、課題やソリューションの検証をして行きます!!!!)
今のPROCAL
今までのヒアリングやインタビューや実際に使ってもらうことで、具体的にどの課題に対してアプローチすべきかが明確になって来ました。
そして、最初のビジネスモデル図解から以下の形に変わりました。
「真の課題とペインを押さえる」重要性
ここまで、私の実体験を通して顧客の課題やペインを押さえる流れまで話して来ました。
では改めて、なぜこの工程が必要なのか、「真の課題とペインを押さえる」ことの重要性について自分なりの意見を述べます。
これには3つの大きな理由があると考えています。
①事業を成り立たせるため
②課題の質を上げるため
③差別化するため
①事業を成り立たせるため
まず、製品やサービスが市場で生きていくには『それを必要としている顧客』が必須となります。
どんな製品・サービスにおいても、それに対してお金を払う顧客がいることで成り立ちます。では、顧客はどんな製品やサービスにお金を払うでしょうか。
それはターゲットとする顧客が、お金を払ってでも解決したい課題・ソリューションかどうかです。
つまり、顧客の痛みを正確に捉える事がその後のサービスやプロダクトに影響し、市場で支持されるかが決まります。
的外れな課題の仮説のまま進むと誰も求めていないサービスが出来ちゃいます、、
当たり前ですが重要なポイントです。
③課題の質を上げるため
課題の質 =「顧客の痛みの度合い」と言い換える事ができます。
(引用:起業の科学)
顧客の痛みの度合いが大きいものを解決できる製品・サービスほど市場で支持されます。
例えば、「癌を治してくれる薬」と「ささくれを治す薬」皆さんはどちらが欲しいですか?どちらに対して多くお金を払いたいですか?
今の自分の状態にもよりますが、恐らく「癌を治す薬」を選ぶと思います!
それは、製品が解決してくれる課題感や痛みが影響していると思います。
このように、顧客の痛み(ペイン)を押さえる事が事業の成功の確率を上げると言うことです。
③差別化するため
ここでの差別化とはソリューションの質では無く、課題の質での差別化です。
①でも述べたように、課題の質は事業を成功させる上で重要です。
より深くまでヒアリングをして、アンケートや簡単なヒアリングだけでは知る事ができない課題を押さえると他のサービスと課題の質で差別化できます。
例えば、私の最初の事業アイディアでは旅行客の主な課題は「マンネリ化した旅行パック」でした。しかし、その後インタビューを通して分かったニーズや課題は、「ネットで調べることのストレス」や「局地的なサポート環境」、「現地の人から直接貰える情報」でした。
このように顧客の課題を正確に押さえ、課題の質を上げることでより顧客が求めているものや困っている事柄に対してアプローチする事ができます。
そうすると市場においても他のサービスと差別化し、顧客により支持されるサービスや製品を提供する事ができます。
皆さんの貴重なお時間を使って読んで頂きありがとうございました!!
少しでも学びや発見があったら嬉しいです!
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いつでも質問、相談受け付けます!
では、また来週。コロナに負けずお元気で。