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2021年1月の記事一覧

大西書評堂#6 『左ききの女』

ペーター・ハントケ『左ききの女』(池田香代子訳) ・あらすじ  女がいた。女は子供といた。スカンディナヴィアに赴任している夫が「居住ユニット」と呼ぶその部屋でトウヒの眺めを見つめていた。子供はだだこねて、遊び続けている。女は文句を言うが、それでも子供は遊んでいる。  女は空港にひとりでいき、夫を迎える。帰りしなに、彼はスカンディナヴィアで孤独だったと話す。誰にも言葉が通じなかった、と。  帰って荷物をおろしてから、夫は変な感じだと話す。孤独でないことになれない感じだと。女は夫