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赤と緑、どっちがうどん?

きょうのできごと。
同僚からカップめんの『赤いきつね』を買ってくるよう頼まれた。
「コンビニ行くけど、何か買ってきます?」のアレである。
その同僚はいつもはお昼を用意しているのに、きょうだけたまたま用意できず、たまたま昼休みに外に出ようとしていたわたしにおつかいを頼んだ。
別にパワハラとかではない。ちゃんと立て替えたお金は返してくれたし、お礼も言ってくれた。その同僚とは年齢も近く、畏まった間柄ではない。

職場を離れてコンビニに向かったわたしは、自分の買い物のついでに同僚からのおつかいを済ませる。わたしが手に取ったのは、カップめんコーナーに並んでいた、丸くて赤いカップめんだ。

勘のイイ人なら、この時点で今回の記事がどういうお話なのかわかったことでしょう。もちろんその話。

昼休みを終え、わたしは職場に戻る。
わたしと交代で休憩に入る同僚。詰所でわたしの帰りを待っていたようなので、買ってきた丸くて赤いカップめんを渡す。
「やあやあ、買ってきてもらって悪かったね」
軽い会話を交わしながら、お金のやりとりをする。立て替えた分を返してもらった。なんならちょっと色をつけて返してもらった。
「おつかれー」とわたしは詰所を出る。このとき、わたしは重大な事実に気づいていなかったのだ。

その重大な事実を知らされたのは、時が流れて退勤間近のころ。
予定していた業務が早く終わってしまい、やることはないかとフラフラしているところで、同僚と行き会った。
「おにのすけさん、昼間のカップ麺さ、あれそばだったぞ
その言葉を聞いたとき、わたしは隠すことなく頭と顔に疑問符を浮かべていた。
蕎麦? 
わたしは同僚から『赤いきつね』を頼まれた。赤いきつねはうどんのカップ麺で、わたしが買ったのも赤いきつねだったはず。
いや、待てよ? わたしが買ったのはほんとうに赤いきつねだったか?
丸くて赤いカップ麺
じゃなかったか?
手に取ったのが、ほんとうに赤いきつねだったのかちゃんと確認したか?
記憶をさかのぼっているわたしに、同僚は衝撃の事実を言い放つ。

赤いどん兵衛って、そばなんだな

えー!?




『赤いきつね(うどん)』だと思って買ったものが、実は『赤いどん兵衛(そば)』だったっていうハナシ。
間違って買っていったけど、同僚はおおらかな人間だったし、きょううどんを食べないと死んでしまうわけではなかったので、笑って許してくれた。

それにしても、これって罠じゃない?

赤いきつね → うどん
のたぬき → そば
どん兵衛 → そば
どん兵衛 → うどん

どうして同じ色を使って、中身が正反対なのか。
というか、そもそもマルちゃんと日清で製造元が違うことすらいまになって知った。
関係者のみなさまに陳謝。

なんとなく調べてみると、赤いきつね緑のたぬきが先に発売されて、どん兵衛のほうが後発だったとのこと。
なんでも赤いきつねの前身である『マルちゃんのかっぷうどんきつね』が、1975年に世界初のカップうどんとして発売され、爆発的な大ヒット。その後、同じようにカップうどんの類似商品が多数発売されたそうな。そのうちのひとつが『どん兵衛』だったとのこと(複数サイト参照)。
ちなみに『どん兵衛』は1976年に発売開始。

どっちかは違う色を使ってもよかったんじゃない?
なんでよりによって同じ色なんだろう。
似たようなパッケージにして、『赤いきつね』だと思っていたのに『どん兵衛』だったみたいな不注意での購入も少しは狙っていたのだろうか。
それこそ、きょうのわたしみたいに。
まあ、よくあるよね。めちゃくちゃ悪く言うとパチモンみたいな。カップうどんはどっちもおいしいからパチモンとかそういうのはないんだけど。
経緯や目的はどうであれ、売れてしまえば数字になるからいいのかな。




そんなこんなで、初めての日記っぽい投稿でした。
かっこいいからエッセイって言っていい?

実は、買い間違いは今回に限った話じゃなくて。
シャンプーとトリートメント間違えることもあるし。
買い物中に買い物以外のことを考えているから悪い。わたしのケアレスミス。いや、むしろ別のことをケアしすぎて本来の目的に散漫になっているのか。

退屈な日常だけど、こういうちょっとしたおもしろな出来事は嬉しい。
次からはちゃんと確認して買おうね。