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運命の歯車

-プロローグ

運命が変わる瞬間

それはほんの一瞬の出来事かもしれない。
あるいは、長い時間かけてようやく出てくるものかもしれない。

俺は未だ悩んでいた。高校でバレーをするのか、勉強に集中するのか。

その答えが出た瞬間が、俺の運命を全て変えてしまったのだ。

-中学校三年生(秋冬)

10月、俺の誕生日を迎えた。

去年のこともあってちょっと怖かったけど、みんなお祝いしてくれた。「誕生日おめでとう」の声を聞いた時、俺は涙が出そうになった。去年は最悪だった誕生日。今年は最高なものになってよかったと感じていた。

そんな中、バレーをしようか悩んでいる時に親がこんな一言を言った

「お、佐渡高校いい枠入ってるじゃん」

春高のトーナメントが発表されていた。当時の俺はどこが強いのか全く分かっていなかった。けど、全国に行って欲しいなと思いながら日々を過ごしていた。

嵐の曲を聞きながら受験勉強をしていた11月2日。俺は気になってTwitterで「佐渡高校」を検索してみた。するとこんな文字が目に入った

佐渡高校、決勝進出

その文字を見た瞬間、「え、マジか」と思った。公式サイトの発表が出て、決勝進出がわかった瞬間、俺は親にこんなことを言った。

「決勝を見たい、先輩方を応援したい」

11月3日には新人戦のお手伝いをしてくれ、と先生から言われていたが、そんなこと関係ないと思った。いや、むしろ行かないと絶対に後悔すると思った。

その後、親が素早くレンタカーを予約してくれ、新潟に行くことになった。船の中ではワクワクしていたこともあって、全く寝れなかった。

そして、ついに到着した。決戦の舞台、東総合スポーツセンター。試合開始まで時間があったが俺はすぐ体育館へ入った。

中を見たらコートで練習をしている先輩方の姿が。練習が終わってギャラリー近くまで来た時に、俺は声をかけた。すると「え、七海やん」とか「えー、来なくてよかったのにー(笑)」みたいな事を言っていた。

その後コートが立て替えられ、センターコートに。公式練習を見てた時、こんな豪華なとこで試合できるんだと思っていた。

そして試合開始。第1セットは最初の流れは良かったものの、終盤に逆転され取られてしまった。しかし、第2セット、終盤に入ったリリーフサーバー(俺の先輩)が得点を取ったことで一気に流れは佐渡に。そのままセットを取ってみせた。第3セットは終始流れを掴んだ佐渡が取り、全国へ王手をかけた。

試合通してを見てて、魂が揺さぶられた。

とても応援したい、そんなことを思うチームになってて、試合が経つにつれて俺の応援する声、熱も上がっていった。

第4セット。迎えたマッチポイント。
相手のサーブを取り、ボールはもちろんキャプテンへ。ブロックを躱して打った。

「決めました!佐渡高校、42年ぶり2度目の優勝!」

その瞬間を俺はこの目で見届けた。
とても心が熱くなる試合。誰かに勇気を与えてくれる試合だった。

終わってから整列。俺は真っ先に声を上げた。

「おめでとう!!!」

その声に続いて多くの人が祝福の言葉をかけた。キャプテンの整列、あいさつ。その声を聞いた瞬間再び歓声が湧いた。

試合が終わって、俺は迷いが無くなった。
この高校でバレーがしたい。先輩方と一緒にプレーがしたい。だから絶対合格してやる。そんな思いに変わっていった。

この決断が、俺の運命を変えた。
バレーを続けるという決断。これが自分の未来も将来やりたいことも全部変えるキッカケになったのである。

これが決まってからは全力で勉強をした。土日は常に図書館へ。朝も早く起きてしっかり勉強して絶対に受かるようにした。

その中でも友達との友情の紐もさらに紡いでいった。凄い楽しい学校生活になっていった。この時間が過ぎるのが惜しいと思っていた。

そんな中、もう1つ俺の運命を変える出来事が…

新型コロナウイルスが日本で確認されました。

そう、新型コロナがついに日本に来てしまったのだ。その影響で学校が一旦休校になってしまった。卒業式はどうなるのか、受験はどうなるのか、不安な日々を過ごしていた。

だが、何とか開催してくれることになった。受験は自分がやってきたことをしっかり発揮することが出来た。卒業式は3年生と保護者だけの卒業式だったが、凄い楽しく、「この3年間充実した、いや、充実しすぎたな」って思った。

色んなことを考えた3年間が幕を閉じた。

その翌日、佐渡高校に合格することが出来た。すぐに部活に参加しよう、と思っていたが、コロナ対策のため部活ができていなかった。

そのため俺は走りまくっていた。体力だけは付けとかないとやばいと思っていたからだ。

そしてようやく4月に。
俺は佐渡高校での3年間の幕が上がるのである。

-エピローグ

運命が変わる瞬間

俺は佐渡高校が全国に行ったこと、新型コロナウイルスが来たことで、運命の歯車が回り始めたと思う。

運命が変わった後、これがどんな道になって行くのか。それはまだ知らない明日に答えがあるのだった…

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