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2020年Discordまとめ

2020年も終わりに近づいてきたので、今年のDiscordを振り返り、来年はどんなDiscordが待っているか考えてみようと思います。

1. Your Place to Talk and Hang Out


なんといっても今年一番の変化はゲーマー向けから全カテゴリ向けへと方針転換したことでしょう。


Skype、TeamSpeakの時代は終わりを告げた…!」という尖りまくった宣伝文句を掲げ、ゲーム関連のイースターエッグがこれでもかと詰まったトップページはなりを潜め、

代わりに「話せる、あなたの居場所」という温かいキャッチフレーズと共ににこやかに話をするキャラクターたちが登場しました。

さらに、

・SoundCloudでユーザーから募集した曲を集めたミックスリスト作成
・Youtubeで公式でLofiの作業BGMを配信
・Instagramでファンアートの募集
・ブログでサーバー紹介
・Youtubeでハロウィン限定着信音をたっぷり6時間分配信

とゲームだけにとどまらない活動を積極的に行っています。

公式依頼(?)Discord_chanは尊い


推測ですが、方針転換に踏み切ったのは去年のゲームストアの終了とも関連があるのかもしれません。

Nitroサブスクライブを使った定額配信や90%の収益分配率によるSteamとの差別化など目玉もありましたが、一年という短い期間でのサービス終了を考えるとそれなり以上の失敗があってもおかしくはないと思います。


サーバー掲載サイトのDISBOARDを見ると、ゲームタグがついたサーバーは日本で約6割、英語圏になると4割未満です。

名実ともにDiscordはゲーマーだけのものではなくなったということでしょう。悲しいことに。そして嬉しいことに。



2. コロナウイルスとDiscord


2020年といえば新型コロナウイルスといっても過言ではない年になってしまいましたが、Discordにとってはプラスに働いたようです。

人と人との接触を避けるためのリモートワークやオンライン会議が普及した結果、

登録ユーザー数は3億人以上(昨年から5000万人以上増)
月間アクティブユーザー数は1億人以上(1年のうちに50%以上増。Twitterの約3分の1)
ユーザーが毎日40億分利用(テキストチャット、ボイスチャット、画面共有合計)

まで成長しました。

また、これに合わせてDiscordの評価額も上昇し、2年前20億5000万ドルだったものが6月に35億ドルになり、11月の末には70億ドル(約7300億円)に達したとのニュースも出ました。


しかし、ユーザーが増えるのはいいことばかりではありません。

Discordへの通報数は1月に約2万7000件だったものが6月には約5万件と倍増しました。2019年後半と2020年前半を比べると半年間の通報数も倍増しています。

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これに対しDiscordはセーフティーセンターの設置、Trust&Safetyチームの増員、その他様々な施策に取り組んでいるようです。


ただ、あくまで主観ではありますが、通報後のやりとりの遅さや自動返信の回数は増えたように感じます。一日あたり何千件という報告を全て人力で処理するのは企業といえども不可能だと思いますが、少し残念な気はします。

我々ユーザーにできるのは今までと変わらず、ガイドライン利用規約を守り、通報するときはメッセージIDなどをしっかりとって適切な部署に報告することでしょう。



3. 大型Botが認証必須に


Botを100サーバー以上に導入するにはDiscordからの認証が必要になりました。

認証されると画像のように認証済みマークがつきます。

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Botを招待する画面では名前とアイコンが同じであれば中身を見分けることは不可能なため、偽のBot招待URLから偽のBotを導入させ、メンバーをBANしたりチャンネルを削除したりする事例がありました。

Bot認証はその対策の一つだと思います。


Botを安全に利用できるようになった一方で、認証に身分証が必要なために未成年のBot開発者が活動しにくくもなっています。

社会的に未成年は責任能力や判断能力に欠けているとされてはいますが、私が会ったBot開発者は明らかに10代後半~20代前半ばかりです。社会人より時間がある学生は新しい機能を提案したらすぐに作ってくれるという優れた点もあります。

アメリカ企業であるDiscordが様々な国に配慮した認証制度を作るのは難しいかもしれませんが、もっと個人や一つ一つのBotに焦点を当てた制度を作ってくれることを願うばかりです。



4. 差別根絶へ


利用規約やガイドラインにもいくつかの変更がありました。

利用規約から商用利用を禁止する文が削除されたり、Discordを名乗った偽情報の報告に関する文が追加されたりしましたが、一番印象的なのはガイドラインにヘイトスピーチを禁止する文章が追加されたことでした。

追加されたのは白人警察官による黒人男性の死亡事件が起きた直後。以前から人種差別を禁止する文面はありましたが、「ヘイトスピーチ」と直接書いてはいませんでした。

TwitterとFacebookでも声明を発表し、差別への強い抗議とBlack Lives Matter運動などへの寄付を行いました。

(前略)

変化を起こすために声をあげているコミュニティメンバーの皆さん、私たちはあなたたちを知っていますし、支持しています。
自分たちの利益のために平和的抗議活動を悪用しようとする方々、Discordにあなたたちの居場所はありません。

(後略)


過去、Discordは白人至上主義、ネオナチ、オルタナ右翼といった差別主義者がメインで利用するサービスでした。もちろんそれはDiscordユーザーが過激思想なのではなく、便利なサービスは誰にとっても便利ということだったのでしょう。

そのときも声明を発表し、サーバーをシャットダウンし、極右ウェブサイトの創設者がDiscordの使用をやめるように記事を書くまでに至りました。


「〇〇が嫌い」という言葉からはじまるつながりがある以上、差別はなくならないのかもしれません。しかし、差別をなくすために声を上げ、行動し続けることは何物にも代えがたい素晴らしいことだと思います。



5. これからのDiscord


ほぼ来るとみて間違いないのがStickerです。
これはLINEのスタンプのようなもので、現在カナダでテスト中です。

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Bot認証と共に発表された新APIインタラクションもそのうちくるかもしれません。

簡単に言えばBotの機能拡張なのですが、ボタンで操作できるポケモンチックなゲーム他のメンバーには見えない翻訳わかりやすいUIをもつ投票など一例を見ているだけでもこれが実装されたらどんなBotが作られるのかとてもわくわくします。

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全体的な傾向をいえば、コロナウイルスの後押しやクローズド型SNSの流行で登録者がこれからも増え続けるのは間違いないでしょう。

また、登録者が増えて大きな会社になるにつれ社会的な負担も大きくなり、全体的に丸くなっていかざるを得ないと思います。他のSNSと同じように。

しかし、Discordがユーザーに耳を傾け続ける限り、私たちが帰る「家」はより大きく素晴らしいものになっていくのは想像に難くありません。なぜなら様々なサーバーが日々生まれ、成長し、Discordを上へ上へと押し上げている最中であることを肌で感じるからです。


来年もまたDiscordでお会いしましょう。
よきDiscordライフを!




この記事はManagementSupportServerに提供しています。


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