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今日の安全意識を高める:ヒヤリハットとカナダでの事故から学ぶ

カナダでの事例
2021年、カナダのグリフィス島でヘリコプターが墜落し、3名が死亡する事故が発生しました。

事故の原因は、パイロットが悪天候で視界を失った「視覚参照の喪失」にありました。

この事故後、カナダの運輸安全委員会(TSB)は、技術と訓練の不足が主な要因であると指摘し、パイロットが緊急事態に適切に対応できるようにするための訓練やテクノロジーの導入を強化するための提言を行いました​(The Safety Mag)​(The Safety Mag)。

ヒヤリハットとの関係
この事故では、ヒヤリハットに相当する小さな異変(視界が徐々に悪くなっていくことなど)に対処することができていれば、重大な事故を防げたかもしれません。

これが「ハインリッヒの法則」とも一致します。

ヒアリハットや小さな異変に注意を払い、その場で対策を講じることが重要です。

具体的対策
ヒヤリハットに対処するための具体的な行動としては、日常的な危険を報告し、未然に事故を防ぐためのプロセスを強化することが重要です。

例えば、カナダでの事例では、より高度なテクノロジー(レーダー高度計や合成視界システム 等)の導入が推奨されてされています。

同様に、日々の作業でも、小さなヒヤリハットを放置せず、すぐに対応策を講じることが、大きな事故を防ぐ鍵となります

リスクアセスメントを行って確実に再発防止に取り組みましょう。

今日のヒントとして、**「小さな異変に気づく力」**を意識し、日々の作業の中でヒヤリハットを見逃さずに報告することが、現場の安全を確保する重要なステップです。


「ヒヤリハット」は英語で near missclose call と表現されます。

これは、実際には事故が起こらなかったものの、発生し得た危険な状況を指します。

また、業界によっては near-incident という表現も使われ、危険を伴う出来事が事故に発展する前に回避されたケースを表しています。

この概念は安全管理や労働環境において非常に重要視されており、ヒヤリハットの報告や分析を行うことで、重大な事故を未然に防ぐプロセスが整えられることが期待されています。


「視覚参照の喪失」は英語で loss of visual reference と表現されます。

これは、パイロットや操縦士が悪天候や霧などの影響で外部の視覚的な目標(地平線や地上の物体など)を見失い、飛行や操作が難しくなる状態を指します。

航空機の操縦中、視覚参照が失われると、パイロットは方向感覚や高度感覚を失いやすくなり、特に計器飛行(IMC:Instrument Meteorological Conditions)の訓練が不十分な場合、事故につながるリスクが高まります。

このため、視覚参照が喪失するリスクに対処するために、レーダー高度計や合成視界システムなどの技術が重要とされています。

                                                       2024.10.3

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