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いかれたBabyとワンルームエンジェル

最近ずっと頭の中で流れている。
完全に中毒だ。
聴いていたら2000年代初期を思い出す。脳が一気にタイムスリップしてしまうのだ。
テレタビーズとかピングーとかトップガムのCMとか、TVに並々ならぬ憧れを抱いて夢を見させてもらっていた“あの感じ”を思い出し、ノスタルジックな気分になれる。そういえばこれいつの曲なんだよ、と思ってググったら1993年だった。思ったより古かった。

Fishmansの「いかれたBaby」は、ドラマ「モテキ」で知った曲だ。
私はドラマでのキスシーンが基本的に苦手で、作品や気分によるのだが大体は「きっしょ」と拒否反応が出て目を背ける。「モテキ」も目を背けはしなかったが、「あはは、きしょいな〜ww」と思いながら見てた。
AV見る時もキスシーンはなぜか見れない。普通に飛ばす。交尾しながらキスするのもよくあるが、ふざけんなよ勘弁してくれ、となる。交尾は見れてもキスは見れないって意味不明よな。

この曲は、何かの曲に似ていると初めて聴いた時からずっと思っていた。
そうだ、アニメ「サイボーグクロちゃん」のエンディング主題歌だ。

あの頃の自分は最狂だったな〜〜 テレタビーズのぬいぐるみに異常に執着して、欲しいベイブレードがあって、遊戯王の音楽に興奮して、まともな大人になれるかどうかなんて何も考えてないで生きていた。こんな世界なら生まれてきたくなかったとか勝手に生みやがってという気持ちすら持ってなかった。お父さんはすぐ怒るし大嫌いだったけど、お母さんだけは守ってくれると盲目的に信じていた頃だ。その後、ゆるやかに何もかも崩れ去るんだけど。

シスタ・K「ポジティブヴァイブレーション」

こうして聴き比べるとあまり似てないな…

1ミリも似てないわけでもないが、似てるかというと…。
一体何の部分が似てると思ったんだろう。


最近ドラマを観た。
「ワンルームエンジェル」という、男と天使が出てくるドラマ。
何かの巡り合わせで、ひょんなことから天使と同居することになった、とある男の話。人生に絶望していて、将来に何の希望も見出せない男の前に突如現れた天使。

天使というと、J-POPではよく「君は天使だ」とかよく言ってるけど、あれって大体天使は女のこと指してるよな。なんでなんだろう。そういえば「Baby」もよく出てくるし、大体が女のこと歌ってね?みんな天使とBaby言いすぎなんだよ。女はそんな柔らかいものでも小さいものでもないだろ。

このドラマに出てくる天使は男の子だった。

「そばにいたいって言ったじゃないですか。」

「ワンルームエンジェル」第6話(最終話)より

きっとこの男は、天使の笑顔を一生忘れないんだろうな。死んでも忘れないんだろう。彼らが過ごした時間は短くても、時間のせいで記憶が色褪せていっても、深い愛というものは心に刻み込まれ、消えることはないのだろう。

このドラマはジャンルでいうとBLらしいが、キスシーンは一切なかった。そういうシーンが出てくる気配すらなかった。なんでJ-POPってすぐキスさせたがるんだろうな。

「いかれたBaby」は、夜のスキマにKissを投げるよう願う。届かないけど、届くようにと。いかれた君は、夜に見えない魔法を投げつける。それはきっと他人には見えないし感じない。僕だけが感じ取れる。
「信じたいものを信じればいい。」
男の母親が言った。大好きなヒトの姿が見えなくなってむせびなく男に。

魔法使いになりたいな。朝をぶっ壊して、夜をかけ混ぜて、夜明けの時間を永遠に延長させて自分のものにしたい。

大事なものはいつだって見えない。

誰かが夜のスキマへ投げかけるキスは、いつかこの眼で見てみたいな。

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