たった一言を添えるだけで
私のお仕事は、サービス業だ。
サービス業、接客業を長く経験すればするほど、お客さんとしてお店に行っても、「プロの目線で見ちゃうよねー」と言ってしまう。
常にアンテナをはり、学ぶ姿勢があること自体は素晴らしい。
だがソレと引き換えに、純粋にお客さんとして楽しむ、完全にお客様目線になる、といったことを忘れてしまいそうになる。
お客様が何を求めているか
お客様は何に困っているか
とても大事なことだ。
接客や電話対応において、「この人うまいなー」と思える人には特徴が2つほどある。
まず1つ目、
基本的な言葉遣いは出来ている上で、お客様によって口調を変える。
お客様がビジネスマン等の場合は、これでもかというくらい正しい日本語を使い、沖縄のお婆ちゃんの場合は、沖縄方言やイントネーションを使って優しい言葉を使う。
早口で話す方には簡潔に返答し(急いでいるとすぐにわかる)、急に身の上話を始める方なら聞き役に徹する。
内容が全く同じで、答えることも同じだとしても、お客様によって【求めているもの】が違うからだ。
2つ目、
基本的な言葉に【ひと言添える】だ。
例えば、お客様から「予約した時間に遅れる」という連絡があった場合、もし台風が近づいていたなら、雨風が強くなってきている。
「風が強いのでお気をつけてお越し下さいね」などのたったのひと言を添えるだけ。
そのひと言は、正しい日本語や言葉ではなくても良いと個人的には思っている。
お客様に伝わるかどうか、響くかどうかがいちばん大切だからだ。
極端に例えると、火事があってお客様を避難させなければいけない場合、最優先は人の命、【安全】だ。
バカ丁寧に言葉を発している場合ではない。
多少乱暴な言葉になってしまっても、助けられればそれで良い。
ちょっと極端過ぎたかな。。
つまり、基本が出来ている上で状況やニーズに合わせて言葉を変化出来る人は、プロだなぁと思う。
簡単そうで難しい、【ひと言添えるだけ】。
桜木花道の【左手は添えるだけ】と同じくらい大事ですねーって話でした。
読んで頂いた方、ありがとうございました。
この文章に感謝を添えて。