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こんなぼくが行政書士に合格するまで

とにかく塾が嫌だった

塾時代のことを書くとどうもいけないので、
少し変わったことを書くことにしよう。

あとで書くが、ぼくは塾の教壇に立てなくなったのと、
家庭の事情で九州に戻ることになった。
そして、一冊の本を買った。なんとなく。

「資格図鑑」

もともと社会の講師だったので、法律は嫌いではなかった。
クイズもやっていたので、知識には自信があったが、
法律の知識は当然、憲法の統治や生活保護系くらいしか知識はなかった。

法律の資格を見る。弁護士、司法書士、…行政書士
「カバチタレ」で聞いたことがあるくらいだ。
確か、何か市役所とかに申請に行く代理人…?だったかな?
くらいの感覚だ。

ただ、本当に塾が嫌になってしまったぼくは、
家庭の事情を言い訳にして塾を退職した。
そして親を説得し、資格予備校に入った。2020年3月のことだ。

最初の授業で爆睡、そしてコロナ

最初の授業。民法だった。担当はO先生。
現在、福岡西支部の支部長をやっている。
ぼくは民法の授業・抵当権の内容で爆睡した。意味がわからなかったのだ。
3時間の授業、ほぼ覚えていない。

次の授業はしっかり起きよう…と思った矢先、出てしまった。

「緊急事態宣言」

福岡・天神地下街は、真っ暗になった。
当然、資格予備校はVODとなり、
家で動画で学習するスタンスに切り替わった。

しかし、これが奏功した。
僕には自分のペースでコツコツやるのが合っていたらしい。

東京の神田先生の授業を聞き、ミニテストをやり、解説を聞き、解き直す。
ぼくが生徒に教えていたことを、繰り返した。

物権はそこそこ得意になり、債権では苦労したが、まあ平均くらいはいけるようになった。

『肢別問題集』

今でもよく取り立てされる「肢別問題集」「ウォーク問」問題。
最初に断っておくが、ぼくは自分の受かった方法しか教えられない。
※それは理解していただきたいと思います。

北九州の車関係の行政書士に佐藤浩一先生という方がいらっしゃる。
朴訥で優しい口調の先生だ。
ぼくはそのYouTubeを見てファンになった。
もともと佐藤先生の九州人の語り口が合っていたのかもしれない。

その先生が、『肢別問題集』をすすめていた。
じゃあ、買うしかないだろう。
ぼくはすぐに、某密林と同じ名前のインターネットサービスで、
あの鈍器のような本を購入した。

最初の憲法はまあいいとして、民法・行政法となると、バツばっかりだ。
一周するのに相当時間を要した。VODを見て、ミニテスト解いて、
肢別問題をやって、の繰り返し。

資格予備校が休校の間は、そうやって勉強をしていた。

15週を超えたころから、データ化も始めた。

ぼくはデータが大好きだ。

データ系の問題を社会の講師のころから作っていたし、
データで問題を予想していた。
ここは正誤判定の問題が多い、ここは地図が出る、
ここは公民はほぼ出ない…
データが全てではないが、データは多くを語ってくれる

肢別問題集の間違えた問題を「LearningBox」というアプリに
手打ちで打ち込み、バイトの行き帰りにやりまくった。夏くらいだろうか。
同時期にウォーク問と、資格予備校の授業も再開したので、資格予備校から配布された問題もやり始めた。

このデータが頼みの綱

ぼくは本番に弱いので、模試を何回も受けた。
市販模試本、予備校が主催している模試も受けた。
しかし、ただ漠然と復習をしているだけだった。

これでは意味がないと気付き、ある方法をとった。

この試験は、「行政書士」の試験だ。

「行政法が苦手です」で行政書士試験に受かった人間はいない。
行政法を得意にしなくては、民法が苦手なぼくには勝ち目がない。

幸い、国語を教えていたのとクイズの知識で一般知識は得意であった。
こうして、民法苦手、行政法と一般知識と心中する
変な受験生ができあがった。

模試を受け、解答解説を読むと、こんなページに出逢う。
行政書士受験生ならば絶対に見たことがあると思う。

こんなの、見たことありますよね?

それを全部データ化した。

行政法に命をかけた男の結果

ぼくは市販模試を含め25回の模試を受け、
行政法と民法の苦手分野を徹底的に洗い出した。
すると、地方自治法と、意外にも「行政事件訴訟法」
分かっていないことがわかったのだ。

地方自治法は条文数が多く難解で、しかも3問なのでコスパが悪い。
ただ、訴訟法は意外だった。でもデータはそう言っている。
やるしかない。

あれ?不服審査法が苦手だと思ってたのに・・・

ここから行政不服審査法と行政事件訴訟法を徹底的にやり直した。
エア授業もした。
自分が詰まるところは自分がわかっていないところだ。

だんだん、自分に自信がつき、
伊藤塾でも記述込みで180を超えるようになってきた。

「ファイナル模試」で…

9月。
万難を排して望んだ「ファイナル模試」(自宅受験)で・・・

ぼくは128点(記述込み)を取った

眼の前が真っ暗になった。

あと一ヶ月半しかないのだ。
もう一年やるのか?
また親にお金を出してもらうのか?そんな馬鹿な。
アルバイトから?塾のオンライン指導のアルバイトをしていたが、
そんなお金はもう出せない。

なんでお前が質問に答えるんだ??

ぼくは、佐藤先生のSlackでよく質問に答えていた。
悩む時間があれば調べる。
知らない問題も調べる。

Slackの中では
「なんで受験生の森とか言うやつが答えるんだよ!合格した先生とか佐藤先生とかに教えてもらいたいんだよ!やめさせろ!」
という意見もあったようだが、ぼくは質問に応えるのをやめなかった。
当然、認識違いが合った場合は丁寧に謝罪した。

それは、「質問に答えることで自分が学ぶことができることを知っていた」ことと、
「ぼくが質問を放っておくことができない職業を20年やってきたから」
に他ならなかった。
相手がどう思おうと、止まらなかった。

宮路雅行

「ファイナル模試」の結果を受けて、
ぼくは、そのSlackで知り合った、ある方にヘルプを送った。
その人の名は、宮路雅行

ぼくは無神論者なので神はいないと思っているが、
この2020年9月において、宮路雅行は、まぎれもなく神だった。


ユーリ・ガガーリンは「地球は青かった。しかし神はいなかった」と言ったが、
当時のぼくには神がいた

職業:会社員・ラッパー、キックボクサー。特技は法律全般。
この宮路雅行という男が、
行政書士受験に悩むぼくを救ってくれたのは間違いない。

次回「宮路雅行という男」に続く

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