移りゆく時代
最近よくテレビで、昔のドラマの再放送をやってるよね。
コロナのせいで撮影が滞ってるから、テレビ局からしたら辛い思いだろうけど、見てる方としては、昔を思い出せて少し嬉しい。
昨日も「野ブタ。をプロデュース」の再放送を見て、昔を思い出していた。
あのドラマは2005年に放送されていたドラマだから、もう15年も昔のドラマなのだけど、自分は全然そんな風には感じなかった。
でも、よく考えてみたら、自分はドラマに出演している堀北真希や、戸田恵梨香と同い年だから、当時ドラマを見ていた自分自身も、当然ながら高校生だった。
そう考えると、随分時間が経ったのだなと、改めて納得した。
「十年一昔」という言葉があるけど、ドラマが放送されていた当時のことを、昨日のことのように覚えている自分にとっては、15年前なんて、そんなに今と変わらないよなー。なんて安易に思ってしまうところがあったのだけれど、昨日の放送を見て、自分は衝撃を受けた。
ドラマの中に「VHS」が出てきたのだ。
あの黒くて四角くて、裏面に白い歯車が2つついているビデオテープを、堀北真希が握りしめていたのだ!
別のシーンではビデオカメラも登場していたのだけれど、GoProなんて微塵も想像できないほど大きなカメラを抱えていた。
それを見て、知らぬ間に時代は変わってたんだなと思ってしまった。そして同時に、自分は“傷ついた”と同じような感情を抱いてしまった。
確かに、ドラマをよく見てみれば、誰もスマホを持っていないとか、隅田川沿いを歩いていてもスカイツリーが映らないとか、今と違う風景には気付くことができる。
でも、本当はそんな変化に気付きたくなかったのかもしれない。
思い出ってものは美しく有りたいものだ。なんていうと、ちょっと意味が違うけど、自分がリアルタイムで生きた、あの時代が、遠い過去だということを、本当は認めたくなかったのだ。
自分自身が、あの頃とあまり変わっていないと思っていたから、周りの世界が変わっていたことを認めたくなかった。
でも確かに世界は変わった。
もうVHSを見てる人はいないし、MDを聞きながら自転車に乗る人もいない。
他社のケータイには絵文字が送れないとか、誰よりも早く新曲の着メロを手に入れたいとか、そんなことだって、もう昔の話だ。
ドラマで、ちぎれたVHSのテープをセロテープで必死に修復して、再生するシーンがあった。
当然その映像はビリビリのノイズだらけで、見れたものではなかったが、あの「ビリビリのノイズ」を今の若い人たちは、見たことがあるのだろうか。。
自分は、そのビリビリのノイズを見て、久しぶりに同級生に会ったような懐しい思いがこみ上げてきて、すぐに悲しい気持ちに変わっていった。
まさか、「野ブタ。をプロデュース」を見て、こんなに感情を揺さぶられるとは思わなかった。
でも、改めてこのドラマは、こんなに面白くて、懐かしくて、心揺れるドラマだったのだということに気がついた。
今のドラマの製作者の方たちには本当申し訳ないんだけど、
今から来週が待ち遠しくてならない。
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