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【ワンパブ・オープン社内報 vol.3】 理想は“読者からの問い合わせゼロ”! 累計1100万部超を誇る『500円でわかるシリーズ』編集長の工夫と挑戦とは

第1メディアプロデュース部 PC編集部 金野 拓哉

ワン・パブリッシングで働く人を通して、会社が、雑誌が、いまどのような新しいことにチャレンジしているかをお伝えしていく【ワンパブ・オープン社内報】。今回は、第1メディアプロデュース部でPC関連のムック・書籍を中心に担当している金野拓哉さんを取材してきました。(所属や肩書は取材当時のものです)

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【社員プロフィール】
金野拓哉
2004年4月:新卒で学習研究社に入社、『GetNavi』編集部に配属 
2006年   :パズル・能力開発編集室に異動
アニメ絵本、ドリル、知育ムックなど児童向けムックを制作。
2010年頃  :PC編集部に異動
スマートフォン関連、確定申告や年金などを扱ったマネー関連ムックを制作。なめこ、LINE、ポケモンなどのキャラ関連ムックも。当時は、500円でわかるシリーズ以外の新規商品を担当。
2016年   :DIY専門誌『ドゥーパ!』編集部に異動
2018年   :現在の『PC編集部』に異動
現在に続く、500円シリーズなどのPCムック担当になる。
2019年夏  :小中学生向けのポータルサイト『学研キッズネット』を兼務


児童書からキャラもの、DIYにPCまで! 多ジャンルのムック書籍を手掛けるマルチプレイヤー

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―プロフィールを見て、多岐にわたる編集経歴に驚きました。モノ誌から始まり、児童書、キャラクターもの、マネー関連にDIYまで! どのジャンルが一番楽しかったですか?

どれもすごく楽しかったですが、なかでもキャラものは自分に合っていたなと感じています。それこそ、ディズニーからポケモン、ガンダムに北斗の拳と、大人から子どもまで幅広い層に向けたキャラクター関連のムックを作ってきました。

ーそして2018年から現在のPC編集部で、累計1100万部を超える大ヒットシリーズ『500円でわかるシリーズ』を担当されています。

一度DIYを扱っている『ドゥーパ!』編集部に異動になったのですが、再びPC編集部に戻ってきたタイミングで『500円でわかるシリーズ』の担当になりました。歴史の長い貴重なシリーズを引き継がせてもらえて、うれしかったです。

―ちなみに、現在はPC編集部と、小中学生向けのポータルサイト『学研キッズネット』を兼務されています。まったく違うジャンルに見えますが、両立は大変なのでは……!?

たしかに、PC関連書籍のメインターゲットはアクティブシニア層、かたやキッズネットは小中学生、子ども向けなので対象年齢が両極端です。ただ、今年(2020年)から小学校でプログラミング教育が必修化になったこともあり、これまでPC編集部で培ってきた経験が子ども向けに展開していけると思うんです。

また、どちらの対象読者もそうですが、“学びたい”という欲求に対して、わかりやすい解説でサポートできるという点でも、よいマッチングかなと思っています。

累計1100万部『500円でわかるシリーズ』の魅力とは

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―いまメインで担当されている『500円でわかるシリーズ』は、最初に発行されたのは2001年と、じつに20年もの長い歴史があるシリーズです。ヒットの秘密はどこにあると感じていますか?

『500円でわかるシリーズ』の主なターゲットはパソコン初心者の方で、ウィンドウズOSとWordやExcelなどの各種オフィス、最近ではスマートフォンやLINEなどのアプリサービスなどもラインナップのひとつです。

ほかにも、必要な情報だけを手早く知りたい読者に向けたテクニック集本『ぜんぶまるわかり基本&便利技』シリーズ、より大きな文字と画面解説で読みやすさを追求したA4大判の『世界一わかりやすい』シリーズ、あとはビジネスパーソン向けに持ち運びやすく職場の机に置いても邪魔にならないA5版シリーズなどがあります。

長きに渡って愛され続けている理由としては、

(1)ワンコイン500円というお手軽感
(2)多くの読者に支えられ、シリーズ累計1100万部を突破できた実績と安心感
(3)今年でいえば、特にウィンドウズ7サポート終了の買い替え需要が後押し
(4)他誌に比べて、密度の濃い情報量、かつ手順が見やすくわかりやすい
(5)本書と連動した練習ファイルをウェブ連動で無料提供している
(6)PCスクールや企業研修で使われているケースがある

といったあたりでしょうか。

―わかりやすい分析ですね! たしかに、ワンコインで本格的な実用書が手に入るのはうれしいですし、本書に載っている練習ファイルを無料でダウンロードできる点も、実践にとても役立ちます。初心者向けだからこそ難しい点や、工夫されている点はどんなところですか?

いかに手順を省かずに、誌面で掲載するパソコンの画面上にわかりやすく操作手順をそえるかを特に注意していて、少しずつバージョンアップを試みています。

たとえば、パソコンの画面内に「1.クリック」「2.ドラッグ」というような操作の手順を載せているのですが、キャプション(説明の文章)にも同画面に対応した数字を加えたほうがいいのか、まさにいま、迷っています。わかりやすくなる反面、操作以上の情報が盛り込めなくなるので、それだと本末転倒かなと思ったり……。

あとは、初心者向けではあるのですが、中級者にも満足してもらえるようなネタを入れ込むよう意識しています。使用しているうちに、「もう一歩踏み込んだテクニックを知りたい」というユーザーの方もたくさんいらっしゃるので。

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―ちなみに、もともとパソコン関連は得意だったのですか?

いえ、必要に応じて使っている程度で、全然詳しくはなかったです。

ただそれが功を奏したというか、『500円でわかるシリーズ』は、長い歴史の中でPC編集部自体が専門家のようになって、本の内容や取り扱うテーマのレベルも徐々にあがってきていた部分がありました。そこに、僕のような読者目線に近い者が入ったことで、その部分をリセットして初心にかえり「初心者向けの本作り」を始めることができました。

あとは……僕は校了するたびに、チェックした情報をすべて忘れてしまうので(笑)、毎回まっさらな状態で本作りをスタートしています。加えて、心配性のため「電源を入れる」といった初歩の初歩の動作まで、毎回すべて検証しています。このあたりが、はじめてウィンドウズ10に触れる人でも、安心してパソコン操作を学べるような丁寧な内容につながっているのかもしれません。   

―素晴らしいですね! ベースやターゲットは基本変わらないけれど、改訂を重ねるごとにバージョンアップしている、そして丁寧な確認作業がヒットの秘密ですね。

目指せ初刷10万部! 狙うはキャラクタームック!?

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―お話を聞いていると、とてもやりがいを持って仕事に取り組んでいることが伝わってきます。特に楽しい・うれしい瞬間はどんなときですか?

やはり、多くの読者の手に届いたという証でもある、増刷が決まったときですね。あとは読者問い合わせで、読者の疑問が解消されてお礼の一言を頂いたとき、非常にわかりやすいので次も買いますと言われたとき。校了直前にパソコンやアプリのアップデートで記事の差し替えが必要になり、校了までの時間が迫るなか、代替記事の良いネタが浮かんだとき。こんな感じでしょうか。

―読者からの問い合わせに、金野さんが直接対応しているのですか?

以前は、電話で問い合わせ対応をしていました。今は専用フォームに問い合わせ内容を送ってもらって、僕がメールで回答しています。

―読者とリアルにコミュニケーションがとれる貴重な機会ですね。その分、大変なことも多そう……。

じつはそのとおりで。実際に読者の方のパソコンの画面を見ることができないですし、読者が初心者であれば難しい言葉も使いづらいですね。

たとえば、ファイルを開いてみてくださいと伝えたとき、そのファイルがどこにあるのかわからないから教えてほしいと言われたりするのですが、相手のパソコン画面が見えないので、的確に伝えることが難しいです。その分、問題解決したときは読者と一緒に喜びます(笑)。

あと一番困るのが、本書に書かれている内容以上の質問が来たときですね。動画編集をしたいので○○のフリーソフトを使ってみたいけど、使い勝手はどうか?など、ちょっと踏み込んだ質問が来ると、回答に困ります。奥付に、「本書の解説の範囲を超える質問に関しては、一切お答えすることができません」と書いてはあるんですが、本を買ってくれたお客様からの質問なので無下にはできないので……。

とはいえ、問い合わせは月に数件程度です。理想は、“読者からの問い合わせゼロ”ですね。質問が来ないということはわかりやすい手引書だという証拠なので!

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―今後の夢や目標、こんな本を作ってみたいという希望はありますか?

まずは、単品初刷10万部超のムック、書籍作りです。これまでの最高は9万部で、いま一歩10万部に届かなかったので。ただ、PC関連本で達成するには、市場的に初刷では少し難しいかなと思っていて、狙っているのはキャラクターもののムックです。

先程もお話したように、自分に合っているなと思うのがPC以外ではキャラものの本なんですよ。最高9万部を達成したのも、スマホアプリ「なめこ栽培キットシリーズ」のなめこを取り上げたムックでした。このキャラクターは版権OKもらえるかな、どのあたりの層を狙えるかな、などと企画を考えるのがすごく楽しいです。

あとは、プログラミング教育のスタートに加えて、コロナによる急速なIT化といった背景もあるので、子どもたちへのパソコン教育に関する本を作りたいですね。『500円でわかるkidsシリーズ』とか。学研キッズネットも兼務しているので、その強みをいかして、すべての世代にパソコンの学びを提供できればいいなと思います。

現在開催している【パソコン×自由研究コンテスト2020 (応募締め切り:12月31日)】もその一環で、力を入れているイベントです。今後より一層、子どもとPCというテーマは加速するはずなので、ぜひ早急に取り組みたいです!

2つの編集部を兼務という多忙な毎日の中で、ストレス発散などどうしているのか聞いてみたところ、「仲間と週末の荒川沿いサイクリングにハマっています!」とのこと。目標は荒川の起点まで自転車でいくとのことだそうです!

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(本人提供写真)

多ジャンルを手掛ける金野さん、もしかしたら今後サイクリング本のムックなども出てくるかもしれませんね。金野さん、ありがとうございました!

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(取材:水谷映美/撮影:我妻慶一)