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「隠れ我慢を相手に伝えられるようになれたら、みんながちょっと楽に生きられるのかな…」【大学生向け#OneMoreChoice 研修レポート】

芝浦工業大学、上智大学、東洋大学、東京経済大学と取り組んだ「大学生向け #OneMoreChoice 研修」

 ツムラは、心身の不調を無理に我慢することなく、誰もがいつでも心地よく生きられる社会を目指し、「#OneMoreChoice プロジェクト」に取り組んでいます。プロジェクトの中でも、若い世代にフォーカスし、「隠れ我慢」※1に代わる選択肢を選べる環境づくりをサポートするために、大学と連携して推進しているのが「Carellege Action」(ケアレッジアクション)※2です。
 「Carellege Action」では、我慢に代わる選択肢を学ぶオリジナル研修「大学生向け#OneMoreChoice 研修」や、大学生対象の健康相談窓口「ヘルスサポート」を通じ、大学生が心身の不調を隠れ我慢しない環境づくりを目指しています。
 今回は、「Carellege Action」に賛同いただいた芝浦工業大学、上智大学、東洋大学、東京経済大学の4大学で行われた「大学生向け#OneMoreChoice 研修」の様子をリポートします。

■各大学での実施レポート

<芝浦工業大学>男子学生が多い大学だからこそ、女子学生が集まる研修の貴重さ、意義を実感

【研修に賛同した背景】
 2023年度の学生数が、男性6,258人、女性1,548人と、男子学生の比率が高い芝浦工業大学では、女子学生を対象に「大学生向け#OneMoreChoice 研修」を実施しました。男子学生が多い環境下で、女子学生に対するケアはどのように行うべきか…それは、大学側が抱える課題でもありました。
 同研修の実施に賛同くださった背景として磐田朋子副学長は、「社会人として長く勤めていくためには、健康であることの大切さ、ライフステージによる体調の変化があることを学生にも知ってほしい」と、自身の経験を踏まえながら、語ってくださいました。
 
【参加学生からの声】
 参加者は研修を通じて、理想的なライフプランを立てるためには、自身の体と向き合うことが思っていた以上に必要であることに気付き、不調へのさまざまな対処方法にも触れることができました。学生に感想を聞いてみると、「我慢しているのも不安なのも、自分だけではないと知ることができてよかった」といった声が多く寄せられました。男性が多い環境だからこそ、知らず知らずのうちに抱えていた隠れ我慢や不安をシェアし合うことで、前向きな気持ちになれた様子が感じ取れました。

芝浦大学での受講風景

<上智大学> 気軽に学内保健室を利用するきっかけに。ダイバーシティの観点から学内にも広がりが生まれる

【研修に賛同した背景】
 上智大学では、医師や看護師による健康相談や応急処置、病院の紹介等を行う学生局ウエルネスセンターから学生たちへ声を掛ける形で、研修が実施されました。ウエルネスセンターでは、かねて「不調を感じている学生は多いはずなのに、学内の保健室を活用する人は少ない」といった課題を抱えていました。研修を通じ、学生たちが自身の不調や不安と向き合い、不調を感じた際に利用するきっかけをつくりたいと考えたそうです。
 
【参加学生からの声】
 「我慢するのが当たり前だと思っていたけれど、周囲が自分の不調について知ってくれただけでも安心感があった。また、周囲の人が抱える不調も理解できた」といった意見が参加者から上がり、自他の体調と向き合うことで、保健室を気軽に利用することの大切さも実感できたようです。
 また、“ライフステージと起こり得る不調”のパートでは、「これまで、将来の不調について考えさせられるような授業はなかった。キャリアに対する考え方も変わった」といった意見も上がりました。参加者にはグローバルに活躍したい学生も多く、日本のみならず海外のヘルスケアに関する制度についても知りたいという意欲が湧くなど、広い視野でキャリア形成を考えるきっかけにもなったとのことです。
 研修には、学内でダイバーシティの取り組みに関心の高い学生も参加。今回研修を通して学んだ女性が抱える不調とライフプランの関係について、「男子学生含む今回参加できなかった学生にも身に付けた知識を広めていきたい」といった声も上がりました。

上智大学での受講風景

<東洋大学>「隠れ我慢に対して社会全体で取り組む」という方向性が示される

【研修に賛同した背景】
 東洋大学では、月経を取り巻く諸課題について研究”する「MeW Project」の学生メンバーたちが研修に参加しました。大学内で生理用品の無償配布を実施しながら、月経・PMSをはじめとする女性特有の健康課題に対する学生の意識調査を実施しているメンバーです。性別や学部を問わず、興味を持った学生が参加しています。今回の研修内容は彼らの関心ととても親和性が高く、興味を持って参加しました。
 「MeW Project」では、月経を取り巻く諸問題に対し、社会のデザインを見直すことで問題を明らかにし、その解決を通してより良い未来の創造を目指しています。今回の研修では、これまでの知見も生かしながら「隠れ我慢をなくすために、社会全体がどう変容していくべきか」というテーマを設定。参加メンバーは“個人や小さなコミュニティーの中での解決のみならず、いかに広く社会全体で認知を広げ、問題に取り組み、解決を目指していくか”という視点を持ちながら、熱心に議論を交わしました。

【参加学生からの声】
 「隠れ我慢という社会課題を解決するためには、女性だけでなく男性に対しても学ぶ機会を提供し、社会全体が隠れ我慢と向き合う必要がある」「不調や隠れ我慢を抱えたことがある人がどんな対処法を選んだのか、情報を交換できるプラットフォームがあれば、実際の経験談を共有できる」といった意見が上がり、隠れ我慢に対する認知 が社会全体に広がっていくきっかけや仕組みづくりについても話し合われました。

東洋大学での受講風景

<東京経済大学>男女の相互理解から、垣根を越えて隠れ我慢をなくすプロジェクトへ

【研修に賛同した背景】
 東京経済大学では、「キャリアデザインプログラム」を教える小山健太准教授、北山聡准教授が中心となって研修を実施しました。「これから社会で活躍する学生たちが、女性の健康課題について理解を深め、対策について考えることは非常に重要。ジェンダー平等に即した社会づくりに向けて学生の参加意欲を高めたい」と考えたのが実施背景となったそうです。
 
【参加学生からの声】
 男女別で2回に分けて研修を行う中で、男子学生からは「女性の身体についてよく知らなかったことが分かり、女性が抱える不調についてももっと学んでいきたい」という声が上がっていました。一方、女子学生からは、「男性も、男性特有のストレスや不調について学ぶべきだと思うし、自身も男性の不調について知識が欲しい」といった男性の抱える不調への理解を深めたいという意見も上がりました。それぞれが抱える現状の認識が明らかになり、お互いに知りたいことを明確に確認することができたようです。また、共通の意見として、「キャリアの前段階の学生時代から、適切なヘルスケア教育を受ける機会があれば、長い人生を見据えてより良いキャリアを築きやすい」といった気付きを得られた学生が多かったようです。
 
 今後、男子学生も生理・PMSとその不調について考えるきっかけとなる「#OneMoreChoice 研修」を開発していくとともに、男女の垣根を越えて隠れ我慢をなくすためにできることを考えるプロジェクトも進めていくとのことです。

東京経済大学での男子学生受講風景
東京経済大学での女子学生受講風景

■「大学生向け#OneMoreChoice 研修」から見えてきた大学生の隠れ我慢と、我慢に代わる選択肢

上智大学にて、参加学生との記念撮影

 「Carellege Action」の取り組みは、2023年の4月からスタートしました。大学生向け#OneMoreChoice 研修に参加した学生たちからは「生理・PMSをはじめ、自身の不調について、これほどしっかりと学び、考える機会はなく、自分の悩みを言語化できた」という声が男女に共通して、多く寄せられました。
 「隠れ我慢」というキーワードに触れたことで、日々の学生生活において意識的、無意識的に無理をしているということに改めて気付き、自分自身や周りとの関係性を見つめ直すことが大きな学びとなったといった声も多く聞かれました。とりわけ、隠れ我慢にもさまざまなタイプがあり、それに合わせた対処法があると知ったことは、自身の体調と向き合いながら自分に合ったスタイルを見つけるきっかけにもなったようです。
  また、自分自身の体調やキャパシティと向き合うのはもちろんのこと、周りの人たちとのコミュニケーションを通じ気持ちをシェアしていくことの大切さも確認されました。
 ツムラの調査(※3)では、「生理やPMSの不調について、相談したいと思っていても『相談しにくい』と感じてしまう人が多く、生理やPMSの不調があっても3人に1人は誰にも『相談できない』まま」といった結果が出ています。研修における学生の生の声で、その結果を実感することができました。

ツムラの「Carellege Action」の今後の展望

 各大学での研修を通して、大学生の隠れ我慢のリアルな実態が明らかになるとともに、自身や周囲の人々が抱える気持ちと向き合い、それに対処していく方法を学び、隠れ我慢に代わる選択肢を考えるきっかけづくりにもなりました。
  これからも、ツムラの「#OneMoreChoice プロジェクト」が目指す“誰もが、もっと心地よく生きられる健やかな社会づくり”に向け、取り組みの輪を広げ、大学生が隠れ我慢しない環境づくりを目指して「Carellege Action」を継続していきます。
 
※1 隠れ我慢:心身の不調を我慢していつも通りに仕事や家事を行うこと。ツムラが定義。
※2 Carellegeは、CareとCollegeを合わせた造語です。
※3「生理やPMSに関する大学生の不調実態調査」調査概要
■実施時期:2022年12月23日(金)~12月24日(土)
■調査手法:インターネット調査
■調査対象:調査①全国の15歳〜35歳の男女1万人(人口構成比に合わせて回収) 調査②「生理」「PMS」いずれかの不調を自覚する大学生の女性1,000人 
■調査委託先:マクロミル   
◎本調査は「生理」「PMS」いずれかの不調を自覚し「女性」と自認する大学生を対象としておりますが、ツムラは性自認を問わず誰もが心地よく生きられる健やかな社会を目指しています。