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"一人で我慢してきた不調" 誰かに相談してもいいと気づけた~大学生向け#OneMoreChoice 研修 in 青山学院大学レポート

#OneMoreChoice プロジェクトを進めるツムラでは、大学生が不調を「隠れ我慢」※1しない環境づくりを目指し、2023年4月からCarellege Action(ケアレッジアクション)※2をスタートしています。
この活動の一環として行う「大学生向け#OneMoreChoice 研修」は、Carellege Actionへの賛同大学に対して行うものです。今回、2023年12月に青山学院大学が新たに賛同されたのを受け、同大学にて研修を実施し学生19名が参加されましたので、その様子をレポートします。


不調への我慢を減らすきっかけに。保健管理センターの思い

 研修のはじめには、同大学保健管理センターの保健師・大場さまから、Carellege Actionへの賛同、本研修実施にいたった思いを学生へ話されました。

大学保健管理センターの思いを学生へ伝える

 「保健管理センターは、大学にある保健室のような存在で、日ごろから
学生や、教職員の健康管理をしています。日々、学生さんの様子をみていると、不調を無理に我慢して体調を崩してしまったり、倒れるまでいかなくても無理に不調を我慢して部活やアルバイトなどを頑張っている様子がみられます。そういう学生が、不調を我慢しないでほしいと思い、研修を実施しました。
学校生活はもちろん、社会に出てからも、いろいろなライフイベントがあります。生じうる不調と、その対処法やサポートについて学生時代に知っておくことは、大きな武器になると思います。この研修を通して、我慢を少しでも減らす、小さな変化へのきっかけになればいいと思っています。」

3つのワークで聞かれた学生からの反応

 これまで他大学で実施してきた際と同様の流れで、ツムラのプロジェクトメンバーが講師として大学生向け#OneMoreChoice 研修を実施。今回も、3つのワークを通して、さまざまな意見や感想が聞かれました。

ワーク#01 「隠れ我慢を知る」

 隠れ我慢チェッカーを使って、自分の隠れ我慢タイプやレベルを知るワークでは、それぞれが隠れ我慢チェッカーの結果を見て気づいたことについて次のような意見、感想がありました。

グループディスカッション ツムラのプロジェクトメンバーがグループに入り一緒に対話

・授業以外にも委員会活動をしており、常に期日に追われていて、隠れ我慢してしまっている。

・周りには弱みを見せたくないから、隠れ我慢レベルが高くても驚きもなく、当たり前だと思っている。

・とてもつらい日が2~3ヶ月に1度程度あるが、それさえ乗り越えれば大丈夫という考えなので、「頑張りやさんタイプ」の自覚はある。

・自分が我慢すれば丸く収まると思って、いろいろなことを我慢する傾向にある。我慢していることを誰にも言えずに抱え込んでしまい、結果いっぱいいっぱいになっている自覚もあるが、誰かに相談するという選択肢は持っていなかった。

・自分と周りの人では我慢への感じ方が違うこともあるんだということに改めて気付けた。

ワーク#02 「ライフステージと起こりうる不調」

 自分の思い描くライフプランに、起こりうる不調症状を重ねて、ライフステージのなかで不調への隠れ我慢が起きやすい時期、影響などを可視化していくワーク。ワークシートにそれぞれ書き込むことで、次のようなことに気づいたという声があがりました。

ワークシートにそれぞれのライフプランを書き込んでいく

・就職後、新しい環境に慣れるまで、仕事中心の生活になると、精神のバランスに影響が出るかもしれないと気付いた。
 
・女性ホルモンの分泌量が変化していく時期は、キャリアやプライベートでも取り組みたいことがたくさんあり、環境の変化が起きた際には、ホルモンのバランスが崩れるなどで体調不良がより一層生じやすいかもしれないと気付いた。
 
・バリバリ働きたいタイプではあるが、働き盛りの時に体力の衰えや、肩などの節々の痛みが出てくる等、大変そうだと思った。
 
・自分だけではなく、周りの家族やパートナー、子どもの健康も人生に影響するとは考えたことがなかった。
 
・これから社会に出た時、自分の不調については周りに言えるタイプだが、周囲の人の不調に気付いてあげるために、どんなコミュニケーションを取ったら良いのか難しいと感じた。

ワーク#03 「わたしの#OneMoreChoice」

 最後に、これからのライフステージのなかで、隠れ我慢しないための自分なりの「わたしの#OneMoreChoice」を、皆さんから発表してくれました。

わたしの#OneMoreChoice と、その言葉への考えを発表

「1回、自分に甘くなる」
落ち込んだ時、自分を責めがちだけど、責めてしまうともっとつらくなるので、一回自分に甘くなってみるのがいいと思った。

「まず自分、次に相手」
自分を労われない人は相手も労われないと思うので、まず自分自身の健康を守って、次に相手のことも気遣っていきたい。

「『自分』についてよく知り、ちゃんと休む」
病気の症状以外でも、余裕を持って自分と向き合うことが大事だと思う。

「自分の我慢に正直になる」
正直に、自分の今の気持ち、我慢に向き合わないと、周囲に伝えることはできないし、自分の中でより我慢してしまうと思う。

大学生向け#OneMoreChoice 研修への感想

 最後に、約2時間にわたる研修を通して、学生の皆さんから次のような感想をいただきました!

色々な感想を語ってくれました

・普段は友人と部活動や授業の話はしても、不調のこと、将来のことについて話したことはなかったが、皆それぞれ、いろいろな悩みを抱えていて大変なんだということに気付けた。

・これからは、不調や、悩みなどを抱え込む前に周りの友人にも話してみようと思った。

・大学に入学後、一人暮らしをし、治療費の高さに驚いた。病院に行くのは少しハードルが高いが、大学の保健管理センターを利用するなど、周囲に相談することで、心身の不調を自分だけで抱え込まないようにしていきたい。

・今まで毎月イライラしてしまうことがあったが、これがホルモンバランスによるものだと改めて気が付いた。まずは、自分の体調を把握することから始めてみたい。

・周りの人の隠れ我慢にも気付いてあげられるようになりたい。

・今までは一人で不調を我慢していたが、誰かに相談してみても良いのだとわかった。今後は、自分から伝えるようにしてみたい。

学生さんたちと

 今回、大学生向け#OneMoreChoice 研修の実施では、大学生の皆さんが、自分自身への隠れ我慢だけでなく周りの友人や家族の体調、大変さについても考えられていた様子がとても印象的でした。この研修を機に、今そして、社会に出てからの不調への対処法について考えるきっかけになれば、嬉しいです。

             (ツムラ #OneMoreChoice プロジェクト担当)

※1 Carellegeは、CareとCollegeを合わせた造語です。
Carellege Action の取り組みについては、こちらからご覧ください。

※2 隠れ我慢とは、心身の不調を無理に我慢して仕事や家事を行うこと。
ツムラで定義。
隠れ我慢に関する実態調査は、こちらからご覧ください。
隠れ我慢チェッカーはこちらからできます。