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若い環境活動家に対する大人達の心ない言動(2020/2の「英語ニュースを読む」講座)

月にいちど日曜日の午前中に、カフェで開催している「英語ニュースを読む」講座。
今月のテーマは、youth climate activists(気候変動に取り組む若い活動家)に対する政治家やメディアの心ない言動。これまでもたびたび起きてきたが、若い環境活動家に対する大人達の批判や攻撃は目に余るものがある。

(1) Mnuchin says Greta Thunberg can tell us what to do ‘after she goes and studies economics in college’ (CNBC)

アメリカのスティーブン・ムニューシン財務長官が、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんに対し「大学で経済を勉強してから」ものを言えと発言した。「彼女はチーフエコノミストか何かなのか?」とも。

(2) Vanessa Nakate: Climate activist hits out at 'racist' photo crop (BBC)

ダボスでの世界経済フォーラムに参加した環境活動家5人の集合写真をAP通信が撮影し、唯一の非白人だったウガンダのヴァネッサ・ナカテさんだけを切り取って配信した。

ヴァネッサさんは、人生で初めてracism(人種差別)という言葉の意味を理解したと、動画で涙ながらに訴えた。


(3) Cropped-out climate activist Vanessa Nakate urges media to hear Africans (the Guardian)

この件関して「Fridays for Future(未来のための金曜日)」のメンバーが開いた記者会見で、ビデオ通話で参加したヴァネッサさんは、多くのアフリカの活動家が同様の経験をしているが、批判の声を上げられないと感じていると告発した。

“It’s really sad that the incident happened,” she said. “But when I look at it in a more positive way, it has actually made the world set their eyes on the activists in Africa and try as much as possible to listen to their stories. So I’m actually very optimistic about this and I believe that it is going to change the stories of different climate activists in Africa.”(上記のGuardianの記事より)

「ポジティブに考えれば、今回の出来事によって、世界はアフリカの活動家達に目を向け、彼らのストーリーにできる限り耳を傾けるようになった」とヴァネッサさん。この件をきっかけに、メディアがアフリカの状況にもっと注目するようになってほしいと訴えた。

冒頭にも書いたが、気候変動に関してより真剣に早急に取り組むよう声を上げる若い環境活動家達の足を引っ張るような大人達のふるまいが後を絶たない。

今の世界を象徴している現象のひとつだと思う。


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