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徳川十五代記略 和本
。幕末から明治への移行期において在りし日の江戸幕府の栄光を描いた、当時の歴史認識を反映した貴重な明治8年(1875年)の作品。徳川家15代将軍全ての歴史的場面に関する全15図と、裏面でその説明が揃う
絵師は月岡芳年が前半の8代吉宗までを担当し、芳年門人である小林年参(九代家重、十三代家定)、国芳門人の歌川芳藤(後半残り五名)も描いた。担当絵師の順番から思うに、芳年は江戸幕府前半の最盛期を描いたが(六代で画号を変えている)、後半の停滞・衰退期を弟子の年参と、芳藤(より有名な人物を選んだのでは)が引き継いだのかなと感じた。
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表紙には「徳川十五代記 全」とあり、中判錦絵で上段に略歴、下段に錦絵という構成の折本となっている。元は大判・二丁掛(大判の1/2が中判)で、内題が「徳川十五代記略」とあり、これが各作品を指すものと思われる。絵の端にある丁数は八十四から始まり九十八で終わっている。
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東京都立図書館が詞書の色なし版と色付き版の2バージョンを所蔵している(2407-1(7)、2407-C1-2)。本作は詞書の色なし版である。さらに、錦絵にも変わり摺りも存在するようだ。摺りの状態を見ると、同時期の摺りか、色なし版が早刷りだったようにも思われる。