見出し画像

一区切りと考えていた2020年を経て

世界中が未曾有の事態に見舞われた2020年。個人的にも、仕事もプライベートもだいぶ制限がかかって、気持ちの揺さぶりが大きかった1年だった。

「何もできない自分」を痛感した2020年

1〜3月は通常通り、4月〜7月くらいまでは新型コロナウイルスの関係で仕事は激減。何をしたらいいのか、このままフリーランスでいいのかをずっと考えていた4ヶ月間だった。

4月から5月中旬まで新潟でも緊急事態宣言が出されて、取材すらできない状況になって。毎月企画を担当していたフリーペーパーも休刊に。でも、7月から少しずつ仕事が戻ってきて、気づけば8月〜12月は常にばたついていたような気がする。

2019年とガラッと変わった仕事も多かった。先輩の仕事はひとりで行ってきてと言われることが多くなったし、東京のチームと一緒にやっていた仕事は誰もこれないからひとりで書くことが多くなった。こうして、ひとりでやってみて初めて「何もできない自分」を痛感した。どれだけ隠蓑に身を潜めて生きてきたんだと思い知らされた。2021年は「自分が納得できる状態とは何か」と向き合っていくんだろうなと漠然と考えている。

編集する立場になって、気付いたこと

もうひとつ、2020年は他の人に原稿を書いてもらう機会が増えた。この立場になって改めて、いつも赤入れをしてくださるみなさんの有り難さと、自分に時間を割いてくださる尊さを感じた。と同時に、赤入れを他の人にどうやって伝えるかの難しさに悩まされた年でもあった。

私自身、ひとつの原稿に大量の赤をもらってきているから、ライターさんからいただいた原稿に何も考えず、少し多めの編集をしてお返しした。そしたら、「たくさん編集してもらって、すみません」と返ってきて。「あ、やらかした......」と思った。今までたくさんの赤で心が折れてきたからこそ、自分はそうならないようにしようと気をつけていたのに。

以降、sentenceの相互原稿チェックYMOに積極的に参加し、人に赤入れをするときの伝え方、相手がどう受け取るのか、伝わりにくいところは赤入れの背景まで伝えることを学んでいった。とはいえ、まだまだできていないことばかり。でも、例え辛辣に見える赤を入れたとしても、関係性ができていれば、その赤を見て怯えることもない。コメントの入れ方という表面的な技法に終始せず、関係性の構築にもちゃんと力を入れていく必要があるんだと当たり前のことを思い知らされた。

インスタ、ZINE、物語調と伝える方法を模索

2020年になって始めたことのひとつにインスタマガジンがある。何年か前から、友人が運営するInstagramのアカウントをみるたびに自分でもやってみたいなと思いながら、忙しさを理由に手を付けられなかった。でも、春先に仕事が落ち着いて、自分でやってみようとデザイナーの友人に相談して、にいがたレポでやってみた。

結果として、かわいくて読みやすいマガジンができたとは思う。でも、やっぱりInstagramだからSEOにひっかかることはなくて、インスタのなかでしか拡がらないことに寂しさを感じて、今はほとんと動かずな状態になっている。あとは単純に仕事が忙しくなると、続かない。良いものはできたと思うので、それを最大限活用するには、継続するにはどうしたらいいんだろうなと常にぼんやり考えている。

あとは、2019年にやっていたZINEもデザイナーさんにお願いして、見やすくした。やっぱりデザインがしっかりしていたほうが目に止まりやすいし、見たときもワクワクする。ただ、これは仕事の延長でやっていたことなので、続けるかどうかは迷いどころかなぁ。

最後に、個人アカウントで始めた物語調のお店紹介について。きっかけは、「読ませるチカラ」について話していたときに先輩に「小説とか書けば?」と言われたことだった。小説は無理だなぁと思っていたけど、『IDENTITY 名古屋』さんの企画「あの娘とナゴヤ。」を思い出して、見様見真似でやってみた。そしたら、友人からコメントをもらったこともあって、気が向いたときに同じテイストで書くようにしている。

文章と向き合うきっかけをくれた、sentence

2019年の秋頃、オンラインで書くを学び合うコミュニティ「sentence」に入った。2020年はsentenceに入ったおかげで、文章と向き合う機会が増えた。

当たり前だけど、人に何かを伝えるときは暴力性も伴う。その怖さと強さを認識し、いつ何のためにこの言葉を使うのか。言葉一つひとつに向き合う必要性を学んだ。あとはここからどうやって仕事に生かしていくか。やり方をもう少し考えていきたい。

一区切りに考えていた2020年を終えて

会社を辞めてライターを始めたころ、2020年のオリンピックを終えたら転職活動をするか、このままライターとしてしばらく続けるか決めようと思っていた。石の上にも三年とはよくいったもので、大体3年経てば向き不向きは分かる。

この3年間、「向いてないな」と何度も思った。文章と関係ない仕事に就いたほうが自分にとって生きやすいんじゃないかと何度も転職サイトを開いた。

でも、この3年間に自分で納得いっていなくて、まだ諦めきれなくて。ちゃんと戦力として認めてもらって、受けた恩を返せるようになるまでは、続けなきゃなと思う。ライターは営業と違って明確な数字目標がないから、何を目標にしたらいいか未だに分からないけど、自分で自分に納得がいくまでもがいて生きてみたい。そのために、2021年はもっと表面的なことだけじゃなくて、人として成長できる一年に。まだまだ足掻いて生きていきたい。そう強く思った年始だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?