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【いわむロックの運営陣にインタビュー】楽しいことは自分たちで作る。ここではじまった音楽を、さらに未来へ

2012年からスタートした「いわむロック 」。形を変えながら、今年7年目を迎えます。そして音楽ジャンルにとらわれず、岩室の景色と調和するアーティストが多く参加しています。

そのいわむロックに初年度から中心となって関わる新潟市岩室観光施設「いわむろや」館長の小倉壮平さんは東京都出身。大学時代に授業の一環で岩室を訪れたことをきっかけに8年前より移住し、いわむろや館長を務める。

企画部長の笛木憲弘さんは写真館「フエキスタジオ」を営み、地元である岩室の様々なイベントに企画・運営で携わる。

そして3年目よりいわむロックプロデューサーとなった平田英治さん。新潟で学生生活を過ごしたのち、東京で音楽活動を10年経験。その後新潟で音楽エージェント「MUSIC DROP」を8年前に立ち上げた。

今回は、いわむロックの企画・運営に中心となって携わる3人にお話を伺いました。

いわむロックのはじまり

―そもそもどのような経緯でイベン トが始まったのでしょう? 

小倉 「2012年、岩室に住む有志で計画しました。2013年は岩室温泉開湯300年。それに合わせて何かイベントを打とうと考えてい ました。その時に声が上がったのが、 音楽イベント『いわむロック』でした」 

―岩室温泉を盛り上げるためのひと つのイベントとして、いわむロック が始まったと? 

小倉 「そうですね。発案者が若い人が楽しめるコトが少ないから、自分たちが楽しめるイベントをやろうと計画したのが始まりです。音楽仲間を集めて、それぞれが得意なことを持ち寄ってやりたいという話で、 『じゃあ、それをやろう!』と声を掛けてバックアップしながら音楽フェスとして始まりました」 

―「いわむロック」という名前はどこから着想したのでしょう? 

小倉 「前から武蔵野美術大学の 学生が行う、音楽を絡めたワーク ショップを『いわむロック』と呼んでいました。一番しっくりくる言葉 ということで使い始めましたね」

―その後、平田さんが関わるようになったのですよね? 

小倉 「2年目が終わると、中心人 物が岩室から離れてしまって、どうしようかと困っていたときに平田さんがいわむろやで開催していたイベ ントにひょっこり現れたんです」 

平田 「新潟大学の学生が企画したイベントに岩船ひろきと岡村翼が出演して、私はエージェントとして付いて行っていました。そのときに小倉さんに挨拶したら、いわむロック について相談されて『やります!』 と即答しました。 岩室の景色と、幼少期から高校時代を過ごした故郷、山梨県身延町の 景色が似ていたことも即答した理由の一つでした。音楽を通して地域を 盛り上げるイベントができたら、故郷に胸を張って報告が出来ると思ったんです」 

笛木 「いわむロックは平田さんと一緒にやるようになって、一気に大きくなったよね」

平田 「それでも最初の2年がハードルでした。みんながやってきた中に途中で入った状況。あくまで 途中から入らせてもらった気持ちを忘れずに進めるようにしていま す」

岩室でつくる音楽イベント

―全国に数多くフェスがある中、 岩室でやる意味とは? 

平田 「岩室の景色と雰囲気がこれからの時代には重要だと考えています。地域ならではの景観を大切にしたいので、ステージも作り過ぎないようにしています。 今年(2018年)は『おらって市民エネル ギー』とも協力してワークショッ プを行います。まずは岩室の子供達に再生可能エネルギーの発電を体験してもらって、環境教育面など多角的に関わっていきたいと思います」

笛木 「平田さんは見つけてくるのが上手ですよね。色々な観点から話を持ってくる。毎年発展していくなぁと感じますね」

 平田 「それは最初に自分がこの地域に受け入れてもらった事が大きいかもしれないですね。受け入れてもらったからには全力でやらなきゃと動いているような感覚でした」

小倉 「新しいものが入ってこないと物事って前進していかない。いわむろやとして、守っていくことと新しくしていくことのバランスを大切にしています」 

笛木 「いわむろやは、自分たちで作っていく施設にしようと、 NPO法人にしました。人を巻き込むことは基本方針ですよね」

いわむロックのこれから

―これからはどのようにいわむロッ クをつくっていきたいですか? 

平田 「『いわむロック百年構想』っ ていうのがあって、世代が代わって も続けていける基盤を作りたいなと思っています。地元の人が主体となって自分たち自身が『やりたい!』 と思ってやれる状況が作れたらいいですよね。 老後はいわむロックのメインス テージの横でウッドチェアに座って みたいという夢があるんですよね。若い世代の来場者に『誰、あのおじ いちゃん?』とか言われながら(笑)」 

笛木 「いわむロックを通して岩室 という土地を広めたいですね。もっとお客さんも集まって、泊まってくれたらどんどん広がりそうだなと」 

小倉 「音楽と観光ってすごく親和性があると思っています。アーティ ストは自分たちの想いを表現する。 けれど岩室はそれが苦手なところが あります。アーティストがこの場所を好きになって、さらにその想いを代弁して伝えてくれるような感覚になります。それがすごく嬉しいんですよね。シンガーソングライターの 岡村翼くんみたいに岩室で一緒に成長することもできるし。まだまだやりたいことはたくさんあります」

取材・写真:村山亜沙美
文:長谷川円香

※当記事は、2018年に作成したいわむロックFESTIVALと岩室温泉紹介冊子【on-magazine】より抜粋しています。運営陣の考えや目指す方向性は変わっている可能性があります。ご了承ください。

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